社会福祉士の過去問
第35回(令和4年度)
相談援助の理論と方法 問21
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問題
社会福祉士試験 第35回(令和4年度) 相談援助の理論と方法 問21 (訂正依頼・報告はこちら)
事例を読んで、病院のK医療ソーシャルワーカー(社会福祉士)のこの時点の対応として、適切なものを2つ選びなさい。
〔事例〕
Lさん(59歳、女性)は、利き腕を複雑骨折し入院してきた。手術後も後遺症から細かい作業が困難となった。家族の見舞いはなく、不自然なあざがあり、退院を強く渋ったため、病棟の要請でK医療ソーシャルワーカーが面接を開始した。Lさんは徐々に心を開き、会社員の夫(64歳)から長年毎日のように暴力を受けてきたこと、高校卒業後すぐ結婚し妊娠したため働いたことがないことを話してくれた。子どもたちは他県で家庭を築いているが、経済的余裕はなく、他に頼れる親戚はいないそうである。離婚は考えるものの、収入がなく、今後の生活が心配だという。
〔事例〕
Lさん(59歳、女性)は、利き腕を複雑骨折し入院してきた。手術後も後遺症から細かい作業が困難となった。家族の見舞いはなく、不自然なあざがあり、退院を強く渋ったため、病棟の要請でK医療ソーシャルワーカーが面接を開始した。Lさんは徐々に心を開き、会社員の夫(64歳)から長年毎日のように暴力を受けてきたこと、高校卒業後すぐ結婚し妊娠したため働いたことがないことを話してくれた。子どもたちは他県で家庭を築いているが、経済的余裕はなく、他に頼れる親戚はいないそうである。離婚は考えるものの、収入がなく、今後の生活が心配だという。
- 夫に連絡を取り、心理的カウンセリングを受けるよう促す。
- 他県にいる子どもの家族と同居できるよう、引っ越しの手配を手伝う。
- 行政から委託を受けた民間シェルターに入居するという選択肢を説明する。
- 離婚や今後の生活に必要な情報提供をし、生活設計を共に考える。
- 仕事を見付けられるよう、公共職業安定所(ハローワーク)に行くことを促す。
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この過去問の解説 (3件)
01
事例を通して医療機関でのDVケースの対応について問われています。
本項の対応についてLさんの意向が不明確な上、Lさんを更に危険に晒してしまうリスクもあるため不適切です。
本項の対応についてLさんの意向が不明確な上、夫の同意もなくLさんを更に危険に晒してしまうリスクもあるため不適切です。
Lさんは実際に大怪我をしており、危険な状況に置かれています。Lさんの意向次第では民間シェルターは有力な選択肢です。
正解です。
Lさんの置かれた状況に対して、仕事が見つかるだけでは問題は解決するとは考えづらく不適切です。
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02
ドメスティックバイオレンス(DV)を受けているケースにおいて、病院の医療ソーシャルワーカーの対応が問われている場面です。
適切ではありません。DVは、まずは、被害者の身の安全を確保することが重要です。加害者側への支援より、病院の医療ワーカーがなすべき優先順位高い仕事はほかにあります。
適切ではありません。他県にいる子どもも経済的余裕がない状態で、本人もまだ明確に子どもとの同居の意思を示していません。他県にいる子どもとの同居も選択肢のひとつなのかもしれませんが、まだ調整が必要な段階です。
適切です。記述の通りです。民間シェルターとは、民間団体によって運営されている、配偶者のDVから一時的に逃れるための施設です。一時保護にとどまらず、相談対応や自立に向けたサポートなどさまざまな援助を行っています。
適切です。記述の通りです。必要な情報を提供し、寄り添いの姿勢を見せることは大切です。
適切ではありません。DVは、まずは、被害者の身の安全を確保することに重きが置かれるべきです。まず喫緊の課題から取り組むべきです。
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03
医療ソーシャルワ一カーは、医学的、心理的な専門性を必要とされる専門職です。具体的事例で適切なものを選択できるよう整理しておきましょう。
夫が心理的カウンセリングを受けることも必要かもしれませんが、関係性ができていないので、この時点では望ましくありません。
子ども家族と同居するのも方法のひとつと考えられますが、調整する時間を要するので現実的ではないように思われます。
安全確保を優先させるために、シェルターの利用は有効と思われます。
今後の生活に関する情報提供は、医療ソーシャルワーカーの業務に当たります。
将来的には就労も必要ですが、この時点では生命の安全確保が最優先になります。
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