社会福祉士 過去問
第36回(令和5年度)
問88 (社会調査の基礎 問5)

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問題

社会福祉士試験 第36回(令和5年度) 問88(社会調査の基礎 問5) (訂正依頼・報告はこちら)

尺度に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
  • 比例尺度では、平均値を算出することができる。
  • 順序尺度で測定した1と2の差と、3と4の差の等間隔性は担保されている。
  • 名義尺度で測定した変数は、中央値を求めることができる。
  • 間隔尺度では、測定値の間隔が数値として意味をもつことはない。
  • 名義尺度、間隔尺度、順序尺度、比例尺度の順で、尺度としての水準が高い。

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この過去問の解説 (3件)

01

統計における尺度には、名義尺度、順序尺度、間隔尺度、比例尺度の4つの種類があります。

 

選択肢1. 比例尺度では、平均値を算出することができる。

適切です。

意味のある平均値を算出できるのは、間隔尺度と比例尺度です。

名義尺度(あり・なしなど)と順序尺度(満足度調査など)では、平均値に意味を持たせることができません。

選択肢2. 順序尺度で測定した1と2の差と、3と4の差の等間隔性は担保されている。

1と2の差、3と4の差の等間隔性が担保されているのは、間隔尺度(気温など)と比例尺度(テストの点数など)です。

間隔尺度と比例尺度の違いは、間隔尺度には絶対的なゼロがない(マイナス値がある)ことに対し、比例尺度は絶対的なゼロがある(マイナス値が存在しない)点です。

順序尺度では、数値の大きさのみ意味があり、差の等間隔性はありません。

選択肢3. 名義尺度で測定した変数は、中央値を求めることができる。

中央値を求められるのは、順序尺度、間隔尺度、比例尺度になります。名義尺度では中央値を求めることはできません。

選択肢4. 間隔尺度では、測定値の間隔が数値として意味をもつことはない。

間隔尺度では、測定値の間隔が数値として意味を持ちます。

選択肢5. 名義尺度、間隔尺度、順序尺度、比例尺度の順で、尺度としての水準が高い。

尺度として水準が高いとは、尺度が持っている情報量が多いという事と同義になります。そのため、尺度の水準が高いといえる順番は①比例尺度、②間隔尺度、③順序尺度、④名義尺度となります。比率スケールが最高位と見なされます。

参考になった数78

02

尺度の種類は4種類あり、それぞれに特徴があります。それぞれの違いを覚えておくと良いでしょう。

選択肢1. 比例尺度では、平均値を算出することができる。

〇 比例尺度において用いられる数字は、それ自体が意味を持つ数字であり、比較対象を行う事が出来ます。そのため、比例尺度では平均値の算出も行う事が出来ます。比例尺度を用いてデータ化する事が出来るものには、身長や体重などが挙げられます。

選択肢2. 順序尺度で測定した1と2の差と、3と4の差の等間隔性は担保されている。

✕ 順序尺度で測定した1と2の差と、3と4の差の等間隔性は担保されていません。順序尺度を用いて表されるデータの例としては、要介護度などがあります。要介護1と要介護2という数字を比較した時と、要介護3と要介護4という数字を比較した時、数字が大きい方が重度であるという意味を持つ事は同じですが、数字が1つ増えるごとの差は等間隔ではないため、数字の差には意味はなく、等間隔性が担保されている訳ではあいと言えます。

選択肢3. 名義尺度で測定した変数は、中央値を求めることができる。

✕ 名義尺度で測定した変数とは、データを分類する際に割り振られる数字の事を言います。例えば調査で性別を分類するために、男性は1、女性は2のように割り振り、分類しやすくするために数字を用いています。その数字自体に意味はないため、中央値を求める事で得られるデータはありません。

選択肢4. 間隔尺度では、測定値の間隔が数値として意味をもつことはない。

✕ 間隔尺度で用いる数値は等間隔性を持っており、測定値の間隔は数値として意味を持つものとなります。

選択肢5. 名義尺度、間隔尺度、順序尺度、比例尺度の順で、尺度としての水準が高い。

✕ 尺度として水準が高いとは、尺度が持っている情報量が多いという事と同義になります。そのため、尺度の水準が高いといえる順番は①比例尺度、②間隔尺度、③順序尺度、④名義尺度となります。

参考になった数1

03

尺度の定義や特徴について整理しておきましょう。

選択肢1. 比例尺度では、平均値を算出することができる。

比例尺度は身長や体重、時間、絶対温度のように数値の差と比に意味がある尺度です。

絶対的な0(ゼロ)が存在し、平均値や標準偏差などの統計量を算出できます。

選択肢2. 順序尺度で測定した1と2の差と、3と4の差の等間隔性は担保されている。

×

順序尺度とは、数値が「順序関係を表している数字」であることを示し、測定値の大小関係は意味を持ちますが、間隔が等しいとは限りません。

例えばアンケートの満足度(1=不満、2=普通、3=満足)や成績の順位(1位、2位、3位)があります。

選択肢3. 名義尺度で測定した変数は、中央値を求めることができる。

×

名義尺度は、対象を区別するために割り振った数字で、数値の大小関係に意味を持たないため、中央値を求めることはできません。

例えば性別(1=男性、2=女性)・血液型(A、B、O、AB)などがあります。

選択肢4. 間隔尺度では、測定値の間隔が数値として意味をもつことはない。

×

間隔尺度とは、大小の順序があり、測定値の間隔が等しく、数値として意味を持ちます。

例えば温度や知能指数などがあります。

選択肢5. 名義尺度、間隔尺度、順序尺度、比例尺度の順で、尺度としての水準が高い。

×

尺度の水準が高いということは、データの測定や分析においてより多くの情報を提供し、計算可能な統計量が多いことを意味します。

尺度の水準が低いものから高いものへ順に名義尺度→順序尺度→間隔尺度→比例尺度となります。

まとめ

尺度は主に名義尺度、順序尺度、間隔尺度、比例尺度の4つに分類されます。

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