社会福祉士 過去問
第36回(令和5年度)
問90 (社会調査の基礎 問7)

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問題

社会福祉士試験 第36回(令和5年度) 問90(社会調査の基礎 問7) (訂正依頼・報告はこちら)

社会調査における記録の方法とデータ収集法に関する次の記述のうち、適切なものを2つ選びなさい。
  • 質的調査で対象者を選定するときには、無作為抽出法を行うことが不可欠である。
  • アクションリサーチでは、量的調査でデータを収集することがある。
  • ドキュメント分析の対象となるデータには、手紙や日記などの私的文章も含まれる。
  • 質的調査のデータとしては、画像や映像の使用を避ける方が望ましい。
  • フィールドノーツは、調査者の解釈を含めずに作成する必要がある。

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この過去問の解説 (2件)

01

社会調査とは、社会または社会集団における、着目する社会事象のデータを収集し、分析することを指します。

 

選択肢1. 質的調査で対象者を選定するときには、無作為抽出法を行うことが不可欠である。

質的調査では、主に有意抽出法を用いて調査対象者を選びます。

例えば、Kさん家族を参与観察する場合、Kさん家族が無作為に選ばれたのではなく、調査者の関心から選ばれた家族です。

選択肢2. アクションリサーチでは、量的調査でデータを収集することがある。

アクション・リサーチは、特定の集団の社会的問題の改善を目指し、改善策を立ててその集団と共に実践していく方法です。

量的調査の手法が有効であるのと同様に、アクション・リサーチも有効です。

選択肢3. ドキュメント分析の対象となるデータには、手紙や日記などの私的文章も含まれる。

質的調査の一つにドキュメント分析があり、個人的な記録や公的機関の記録などが分析の対象となります。

選択肢4. 質的調査のデータとしては、画像や映像の使用を避ける方が望ましい。

録音機や写真、ビデオなどは後からの分析に有用ですが、調査対象者から削除希望があれば、その希望を尊重する必要があります。

選択肢5. フィールドノーツは、調査者の解釈を含めずに作成する必要がある。

フィールドノーツを作成する際には、調査者の解釈も記録することが重要です。主観的な見解も分析の際の重要な手がかりになります。

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02

社会調査で用いられる記録やデータ収集法について問われている問題です。それぞれの方法についての理解と、その注意点についておさえておくと良いでしょう。

選択肢1. 質的調査で対象者を選定するときには、無作為抽出法を行うことが不可欠である。

✕ 質的調査では、特定の経験をした事がある人に対して調査を実施するため、その調査内容に合致した人を対象者として調査者が選定する場合が多く、無作為抽出法での対象者選定を実施する事は少ないです。無作為抽出法によって対象者を選定する事が多いのは、量的調査です。

選択肢2. アクションリサーチでは、量的調査でデータを収集することがある。

〇 アクションリサーチとは、一つの現場が抱えている問題や課題に対する解決法を、調査者と現場のメンバーが一緒になって考えていく事を言います。その際のデータ収集では量的調査やそれ以外の手法も用いられ、様々な面からのデータ収集が行われます。

選択肢3. ドキュメント分析の対象となるデータには、手紙や日記などの私的文章も含まれる。

〇 ドキュメント分析の対象となるデータには、新聞などの公的なものに限らず、手紙や日記などの私的文章も含まれます。

選択肢4. 質的調査のデータとしては、画像や映像の使用を避ける方が望ましい。

✕ 質的調査のデータは、数値化されないデータであり、そのデータには画像や映像も含まれます。ただし、それらの画像や映像をデータとして使用する場合には、それに入り込んでいる人達の個人情報に配慮する必要があります。

選択肢5. フィールドノーツは、調査者の解釈を含めずに作成する必要がある。

✕ フィールドノーツは、調査者が体験した事や観察した事、対象者にインタビューした内容などを記した記録の事を言います。フィールドノーツに調査者の解釈を含めて作成する事は必要ですが、調査者の解釈と事実を混同しないように記録する事が大切になります。

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