社会福祉士 過去問
第36回(令和5年度)
問98 (相談援助の理論と方法 問1)
問題文
ソーシャルワーク実践におけるシステム理論の考え方に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
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問題
社会福祉士試験 第36回(令和5年度) 問98(相談援助の理論と方法 問1) (訂正依頼・報告はこちら)
ソーシャルワーク実践におけるシステム理論の考え方に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
- ピンカス(Pincus, A.)とミナハン(Minahan, A.)の実践モデルにおけるターゲットシステムは、目標達成のために、ソーシャルワーカーと協力していく人々を指す。
- 開放システムの変容の最終状態は、初期条件によって一義的に決定される。
- システムには、他の要素から正負のフィードバックを受けることで、自己を変化・維持させようとする仕組みがある。
- クライエントの生活上の問題に関し、問題を生じさせている原因と結果の因果関係に着目する。
- 家族の問題に対して、課題を個々の家族員の次元で捉え、個々人に焦点を当てたサービスを提供する。
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この過去問の解説 (3件)
01
ソーシャルワーク実践におけるシステム理論について整理しておきましょう。
ターゲットシステムはクライエント・システムに影響を与える要素(友人、家族、地域社会、制度など)への働きかけであり、アクションシステムは目標達成のために協力する人々です。
システムは構成要素との相互作用によって発展・変化し、初期条件で決まるものではありません。システムは絶えず変化する有機体です。
システムは他の要素からの正負のフィードバックを受けて自己を変化・維持させる仕組みを持っており、これをサイバネティックスと呼びます
システム理論では問題の原因と結果の因果関係に着目するのではなく、因果関係が循環的に作用することを考えます。
原因と結果が互いに関連していることが特徴です。
家族システムの視点からの支援では、個別の問題に焦点を当てるのではなく、家族全体にアプローチすることが特徴です。
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02
システム理論では、人と環境は相互に密接に関わっており、お互いに影響し合っているという考えのもと、人と環境を一体的に捉えて支援を行います。
✕ 選択肢の内容は、ピンカスとミナハンの実践モデルにおける「アクションシステム」の内容となっています。
✕ 選択肢の内容は「閉鎖システム」の説明となっています。
〇 選択肢の通りです。システムは相互で作用しあうため、他者から評価を受ける事で自分自身を良い方向に変化させようとしたり、フィードバックで良いと評価された行動を維持しようとする反応が見られます。
✕ システム理論では、人と環境を一体的に捉えた上で支援を行う事となりますので、原因と結果の因果関係を考えるのではなく、クライエントと問題の原因、結果を一体的に捉えた上で働きかける事が必要となります。
✕ 家族の問題に関しては、家族員個々の次元で考えるのではなく、一体化した家族の問題として捉えて支援を行う必要があります。
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03
ソーシャルワーク実践におけるシステム理論について整理しておきましょう。
×
ピンカス(Pincus, A.)とミナハン(Minahan, A.)はソーシャルワークの目的の概念として「資源」と「人びとと社会環境との間の相互作用」を挙げています。
ターゲット・システムは、チェンジ・エージェントが変革努力の目標達成のために、影響を及ぼしていく人々のことを指します。
×
システムは絶えず変化しているため初期条件に関わらず、有機的に変化していくことができます。
〇
組織の構成要素は、それぞれ関連しながら発展するものがシステムです。
×
システム理論は、因果関係だけでなく、相互作用や環境との関係性も重視します。
×
システム理論は、個々の要素だけでなく、全体としての相互作用を重視するため、課題を個々の家族の次元でとらえません。
人と環境を一体のものとしてとらえるのが「システム理論」です。 人は環境に影響を受けて、人は環境に影響を与えます。 この双方向性を「交互作用」と言います。
多くのソーシャルワークの理論家が「人と環境」の関係について述べており、それぞれの特徴を整理しておきましょう。
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