社会福祉士 過去問
第36回(令和5年度)
問117 (相談援助の理論と方法 問20)

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問題

社会福祉士試験 第36回(令和5年度) 問117(相談援助の理論と方法 問20) (訂正依頼・報告はこちら)

事例を読んで、ひきこもり地域支援センターのF職員(社会福祉士)による、グループワークのこの段階における関わりとして、最も適切なものを1つ選びなさい。

〔事例〕
Fは、ひきこもり地域支援センターが1か月前に開設した、ひきこもり状態にある人たちのための居場所であるカフェで、グループへの支援を行っている。Fは2年前から根気強く訪問していたGさん(38歳、男性)にもこのグループへ参加しないかと声をかけたところ、「どんなメンバーで、どんなことをしているのか」と興味を示し、久しぶりに外出し、カフェに初めて姿を見せた。Gさんは対人関係のつまずきからひきこもり状態となった経緯があり、人見知りがある。
  • 人見知りが激しいことを知っているので、他のメンバーに対応を委ねる。
  • 関係づくりができていることを活かしたいので、Gさんと二人で会話を続ける。
  • 以前から参加している他のメンバーと話せるように橋渡しをする。
  • メンバー同士の関係を活用し、Gさんの長いひきこもり体験をメンバー間で分かち合うよう促す。
  • Gさんの過去の対人関係をメンバー間で振り返り、気持ちの分かち合いを促す。

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この過去問の解説 (3件)

01

グループワークにおいて、各段階における対応について整理しておきましょう。

選択肢1. 人見知りが激しいことを知っているので、他のメンバーに対応を委ねる。

人見知りする相手には、すでに関係ができているF職員がかかわるべきです。

選択肢2. 関係づくりができていることを活かしたいので、Gさんと二人で会話を続ける。

カフェに来てくれた機会を活かし、他の参加者と交流できるよう配慮すべきです。

選択肢3. 以前から参加している他のメンバーと話せるように橋渡しをする。

Gさんに配慮しながら、他のメンバーへの橋渡しを行うことは、この段階での対応として非常に適切です。

選択肢4. メンバー同士の関係を活用し、Gさんの長いひきこもり体験をメンバー間で分かち合うよう促す。

メンバー間の関係を利用してGさんの長期間のひきこもり経験を分かち合うよう促すのは、グループワークの作業期に行う内容です。

選択肢5. Gさんの過去の対人関係をメンバー間で振り返り、気持ちの分かち合いを促す。

個人の事情や気持ちを分かち合うのは、グループワークの開始期に行うものです。

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02

厚生労働省はひきこもりを「様々な要因の結果として社会的参加(就学、就労、家庭外での交遊など)を回避し、原則的には6ヵ月以上にわたって概ね家庭にとどまり続けている状態を指す現象概念(他者と交わらない形での外出をしていてもよい)」と定義しています。

選択肢1. 人見知りが激しいことを知っているので、他のメンバーに対応を委ねる。

✕ Gさんは人見知りが激しい性格であり、初めて会うメンバーに対して緊張感を持ってしまう事が予想されます。F職員は2年間訪問を継続した事により、グループメンバーより信頼関係が出来ていると考えられるため、他のメンバーに対応を委ねるのではなく、Gさんの緊張感をやわらげられるよう自身が支援できる距離にいる事が必要と思われます。

選択肢2. 関係づくりができていることを活かしたいので、Gさんと二人で会話を続ける。

✕ Gさんが今回参加した目的は、カフェのメンバーにどのような人がいるか、活動内容は何かという事を知る事にあります。Gさんと二人だけで会話を続けるのではなく、他のメンバーとの交流が図れるよう支援する視点が必要です。

選択肢3. 以前から参加している他のメンバーと話せるように橋渡しをする。

〇 Gさんはカフェに参加しているメンバーの事を知りたいと考え、カフェに参加しました。人見知りの性格のGさんは、自身から他のメンバーに話しかける事が難しいと考えられるため、F職員が橋渡しを行い会話が出来るようにする事は適切な支援であると言えます。

選択肢4. メンバー同士の関係を活用し、Gさんの長いひきこもり体験をメンバー間で分かち合うよう促す。

✕ 以前からカフェに参加しているメンバー同士は関係が築けているかもしれませんが、Gさんは今回初めて参加しており他のメンバーとの関係性はまだ築けていません。そのような状態で自身のひきこもり体験を話す事はGさんにとって強いストレスがかかると予想され、Gさんが次回からカフェへの参加に抵抗感を感じてしまうと考えらえれるため、適切な支援とは言えません。

選択肢5. Gさんの過去の対人関係をメンバー間で振り返り、気持ちの分かち合いを促す。

✕ Gさんは過去に対人関係のつまずきからひきこもり状態となっており、人見知りもあります。初めて会うメンバーに対して自分の気持ちを話す事は大きなストレスになると考えられるため、適切な支援内容とは言えません。Gさん自身が話したいと感じられるようになった時に行う支援内容と思われます。

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03

ひきこもり地域支援センターのF職員(社会福祉士)がGさんに対して最も適切な関わり方を選ぶ問題です。

選択肢1. 人見知りが激しいことを知っているので、他のメンバーに対応を委ねる。

×

Gさんの人見知りを理由に他のメンバーに対応を委ねることは、Gさんの人みしりを助長させる可能性があります。

選択肢2. 関係づくりができていることを活かしたいので、Gさんと二人で会話を続ける。

×

関係づくりを活かすことは重要ですが、二人だけの会話ではGさんの社会的なつながりを広げることにはつながりません。

選択肢3. 以前から参加している他のメンバーと話せるように橋渡しをする。

Gさんを他のメンバーとつなげることは、社会参加を促進するための適切な関わり方となります。

選択肢4. メンバー同士の関係を活用し、Gさんの長いひきこもり体験をメンバー間で分かち合うよう促す。

×

Gさんの過去の経験を共有することは有意義ですが、まずは外出のきっかけづくり、同じ悩みを持つ人々が集まり、互いに支え合い、気軽に訪れることができる居場所があることを知ってもらうことが優先されます。

選択肢5. Gさんの過去の対人関係をメンバー間で振り返り、気持ちの分かち合いを促す。

×

Gさんの過去の経験を共有することは有意義ですが、まずは他のメンバーとの関係を築くことが優先されます。

まとめ

ひきこもり地域支援センターの役割や目的について理解しておきましょう。

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