社会福祉士 過去問
第36回(令和5年度)
問142 (児童や家庭に対する支援と児童・家庭福祉制度 問7)

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問題

社会福祉士試験 第36回(令和5年度) 問142(児童や家庭に対する支援と児童・家庭福祉制度 問7) (訂正依頼・報告はこちら)

事例を読んで、この時点でのU児童養護施設のE家庭支援専門相談員(社会福祉士)の対応について、最も適切なものを1つ選びなさい。

〔事例〕
Fさん(40歳代、男性)は、息子Gさん(8歳)と父子家庭で生活していた。Gさんが3歳の時に、Fさんによる妻への暴力が原因で離婚した。Fさんは、行儀が悪いと言ってはGさんを殴る、蹴る等の行為が日常的にみられた。額にひどいあざがあるような状態でGさんが登校したことから、学校が通告し、GさんはU児童養護施設に措置された。入所後、家庭支援専門相談員であるEがFさんに対応している。FさんはEと会う度に、「自分の子どもなのだから、息子を返して欲しい」と訴えていた。Gさんとの面会交流が進んだ現在では、「返してもらうにはどうしたらよいのか」と発言している。
  • Fさんに二度と叩(たた)かないことを約束すれば、家庭復帰できると伝える。
  • Fさんが反省しているとわかったので、家庭復帰できると伝える。
  • Fさんに「なぜ叩いたのですか」と問い反省を求める。
  • Fさんが体罰によらない子育てができるよう一緒に考える。
  • Fさんは暴力による方法しか知らないのだから、家庭復帰は諦めるようにと伝える。

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この過去問の解説 (2件)

01

児童養護施設の家庭支援専門相談員(社会福祉士)の対応について、事例に沿って確認しておきましょう。

選択肢1. Fさんに二度と叩(たた)かないことを約束すれば、家庭復帰できると伝える。

「二度と叩かない」という約束を強要しても意味がなく、口だけでの約束に終わる可能性があります。

選択肢2. Fさんが反省しているとわかったので、家庭復帰できると伝える。

反省の意思が確認できても、それ自体に意味があるわけではありません。

選択肢3. Fさんに「なぜ叩いたのですか」と問い反省を求める。

「なぜ叩いたのか」と問いかけること自体が不適切ではないかもしれませんが、この質問の目的は反省を促すことではなく、より適切な関わり方を見つけるためであるべきです。

選択肢4. Fさんが体罰によらない子育てができるよう一緒に考える。

Fさんの「返してもらうにはどうしたらよいか」という発言に対し、適切に対応を示しています。家庭支援の専門家として、共に解決策を考える姿勢が適切です。

選択肢5. Fさんは暴力による方法しか知らないのだから、家庭復帰は諦めるようにと伝える。

Fさんが暴力しか解決方法を知らないというのは事実ですが、他の方法を学べば家庭復帰が可能であると捉えるべきです。

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02

こども家庭庁が公表した令和4年度の児童虐待相談対応件数は、21万件を超えており、前年度から1万件以上増加しています。

選択肢1. Fさんに二度と叩(たた)かないことを約束すれば、家庭復帰できると伝える。

✕ 暴力を振るわない事をFさんが約束するだけでは、家庭復帰の条件として不十分です。被害を受けたGさん本人がFさんと生活したいと考えているかどうかの意思確認や、客観的に判断してFさんが適切にGさんを養育できるかどうかを見極めてから少しずつ家庭復帰に向けて進んでいく事が必要になります。

選択肢2. Fさんが反省しているとわかったので、家庭復帰できると伝える。

✕ 本事例から、FさんはGさんを返してもらいたいと発言をしていますが、反省している事が読み取れる描写は見られていません。

選択肢3. Fさんに「なぜ叩いたのですか」と問い反省を求める。

✕ FさんがGさんを叩いてしまった理由や、その背景を知る事は重要ですが、その問いはFさんに反省を求めるために行うのではなく、虐待の再発防止に繋げられるようにする事が重要です。

選択肢4. Fさんが体罰によらない子育てができるよう一緒に考える。

〇 Fさんはこれまで体罰を用いた不適切な方法でGさんを養育していましたが、それ以外の方法を知らない可能性もあります。体罰によらない子育て方法を一緒に考える事は、適切な支援方法であると言えます。

選択肢5. Fさんは暴力による方法しか知らないのだから、家庭復帰は諦めるようにと伝える。

✕ Fさんが暴力による方法しか知らないと決めつけて関わるのは適切な援助方法とは言えません。Fさんが暴力による方法を用いて養育をしていたとしても、その育児方法とは異なる適切な養育方法を身につけられるように支援する事が重要です。家庭復帰を諦めさせる発言も適切とは言えません。

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