社会福祉士 過去問
第36回(令和5年度)
問149 (更生保護制度 問3)

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問題

社会福祉士試験 第36回(令和5年度) 問149(更生保護制度 問3) (訂正依頼・報告はこちら)

事例を読んで、社会復帰調整官の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。

〔事例〕
精神保健観察中のKさんは、地域生活を送っている中で家族関係が悪化し、仕事にも行けなくなってきた。保護観察所は、関係機関の担当者とともにケア会議を開催し、Kさんの状態の情報共有と今後の処遇について話し合った。
  • Kさんが継続的に医療を受けるよう、保護司に指導を指示する。
  • 指定通院医療機関への通院状況を確認する。
  • 精神保健観察の期間延長を決定する。
  • 指定入院医療機関に入院させることを決定する。
  • 今回作成する処遇の実施計画の内容をKさんに秘匿することを決定する。

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この過去問の解説 (3件)

01

社会復帰調整官の役割や業務内容について整理しておきましょう。

選択肢1. Kさんが継続的に医療を受けるよう、保護司に指導を指示する。

保護司は医療観察法の処遇には関わりません。

選択肢2. 指定通院医療機関への通院状況を確認する。

精神保健観察は、医療を受けているかや生活状況を見守ることで行われます。

選択肢3. 精神保健観察の期間延長を決定する。

精神保健観察の延長は裁判所が決定します。

選択肢4. 指定入院医療機関に入院させることを決定する。

指定入院医療機関への入院は裁判所が決定します。

選択肢5. 今回作成する処遇の実施計画の内容をKさんに秘匿することを決定する。

処遇の実施計画の内容は本人に十分説明されます。

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02

社会復帰調整官は、重大な他害行為を行い、医療観察制度の対象となった人の社会復帰を促進する活動を行う人の事を言います。そのために専門職や地域住民などと連携し、調整を図る事が重大な業務内容の一つとされています。

選択肢1. Kさんが継続的に医療を受けるよう、保護司に指導を指示する。

✕ 本事例でKさんは、家族関係が悪化し仕事に行けなくなっているという事が読み取れますが、継続的に医療が受けられていないかどうかはわかっていません。Kさんの通院状況の確認を行った上で、助言等を行う必要があると考えられます。

選択肢2. 指定通院医療機関への通院状況を確認する。

〇 Kさんが仕事に行けなくなっている原因が、医療に関係している可能性は十分に考えられます。指定通院医療機関への通院状況の確認は、適切な対応であると考えられます。

選択肢3. 精神保健観察の期間延長を決定する。

✕ 現時点でKさんの身体・精神状態や通院状況などは分かっておらず、精神保健観察期間の延長の必要性があるかどうかは判断する事が出来ません。また、精神保健観察の期間延長の決定権限は社会復帰調整官にはありません。

選択肢4. 指定入院医療機関に入院させることを決定する。

✕ Kさんの身体・精神的な状態把握が現状十分とは言えず、入院の必要性があるかどうかは判断できません。また、指定入院医療機関への入院への変更権限は社会復帰調整官にはありません。

選択肢5. 今回作成する処遇の実施計画の内容をKさんに秘匿することを決定する。

✕ 処遇の実施計画の内容は、可能な限り本人の同意を取る事とされています。Kさん自身に処遇の実施計画の内容を確認してもらい、同意を得るよう働きかける事が必要です。

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03

社会復帰調整官は、法務省が

 

『精神障害者の保健及び福祉等に関する専門的知識に基づき、

心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った人の社会復帰を促進するため、

医療観察制度における

生活環境の調査、生活環境の調整、精神保健観察等の業務に従事する。』

 

と、定めています。

今後、活躍の場が広がっていくことが予想されます。

その役割をしっかりと学んでおきましょう。

選択肢1. Kさんが継続的に医療を受けるよう、保護司に指導を指示する。

×:誤りです。

 

Kさんが仕事に行けなくなった理由は

家族関係の悪化によるものであり、

医療を受けることを主体とした対応は

不適切です。

(対症療法として医療が必要なことはあり得ます)

選択肢2. 指定通院医療機関への通院状況を確認する。

○:正しいです。

 

通院が適切に行われているかは、

Kさんの心身状況を判断するためには必要です。

選択肢3. 精神保健観察の期間延長を決定する。

×:誤りです。

 

まずは家族関係の調整に取り組むべきで、

事例の段階で期間延長を判断することは

拙速です。

 

選択肢4. 指定入院医療機関に入院させることを決定する。

×:誤りです。

 

Kさんが仕事に行けなくなった理由は

家族関係の悪化によるものであり、

入院対応は不適切です。

(対症療法として医療が必要なことはあり得ます)

選択肢5. 今回作成する処遇の実施計画の内容をKさんに秘匿することを決定する。

×:誤りです。

 

処遇計画は本人の同意のもとに進められるべきものです。

Kさんに秘匿することは不適切です。

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