社会福祉士 過去問
第37回(令和6年度)
問60 (刑事司法と福祉 問3)

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問題

社会福祉士試験 第37回(令和6年度) 問60(刑事司法と福祉 問3) (訂正依頼・報告はこちら)

事例を読んで、刑の全部執行猶予中の保護観察に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

〔事例〕
Aさん(30歳)は、覚醒剤の自己使用により検挙され、懲役1年執行猶予3年保護観察付の判決が確定し、保護観察中である。Aさんには「薬物再乱用防止プログラムを受けること」という特別遵守事項が設定されている。また、Aさんには担当保護司が指名されている。
  • Aさんは、一般遵守事項に違反しても、執行猶予が取り消されることはない。
  • Aさんは、簡易薬物検出検査を受けなければならない。
  • Aさんに対する不良措置として、保護観察の期間の延長がある。
  • Aさんの担当保護司は、Aさんの補導援護はできるが指導監督はできない。
  • Aさんが特別遵守事項に違反した場合には、保護観察所長が執行猶予を取り消す。

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この過去問の解説 (2件)

01

問題にある保護観察処分とは、社会内で生活させながら、保護観察所の指導監督のもと、更生を図る保護処分のことです。

選択肢1. Aさんは、一般遵守事項に違反しても、執行猶予が取り消されることはない。

不適切。
一般遵守事項に違反した場合には、保護観察所長が検察官に対し執行猶予の取消しの申出をすることができます。

選択肢2. Aさんは、簡易薬物検出検査を受けなければならない。

設問の通り。薬物再乱用防止プログラムと簡易薬物検出検査を受けなければなりません。

選択肢3. Aさんに対する不良措置として、保護観察の期間の延長がある。

不適切。
不良措置とは、保護観察対象者に、遵守事項違反、再犯等があった場合に執られる措置のことです。

選択肢4. Aさんの担当保護司は、Aさんの補導援護はできるが指導監督はできない。

不適切。
保護司は、指導監督、補導援護も行うことができます。

選択肢5. Aさんが特別遵守事項に違反した場合には、保護観察所長が執行猶予を取り消す。

不適切。
裁判所が対象者または代理人の意見を聞いた上で執行猶予を取り消すかを決定します。

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02

保護観察に関する保護観察所、裁判所、保護司の役割、執行猶予などについて整理しておきましょう。

選択肢1. Aさんは、一般遵守事項に違反しても、執行猶予が取り消されることはない。

保護観察に付されている期間は、一般遵守事項を守らなければなりません。重大な違反があった場合には執行猶予が取り消されることもあります。

 

選択肢2. Aさんは、簡易薬物検出検査を受けなければならない。

薬物再乱用防止プログラムは、簡易薬物検出検査と合わせて実施されます。

選択肢3. Aさんに対する不良措置として、保護観察の期間の延長がある。

保護観察中の遵守事項の違反による不良措置では、保護観察が取り消されて刑務所等への収容措置がとられます。

選択肢4. Aさんの担当保護司は、Aさんの補導援護はできるが指導監督はできない。

 保護司は、保護観察官とともに指導監督及び補導援護を行います。

選択肢5. Aさんが特別遵守事項に違反した場合には、保護観察所長が執行猶予を取り消す。

執行猶予を取り消すことができるのは裁判所です。

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