社会福祉士 過去問
第37回(令和6年度)
問109 (ソーシャルワークの基盤と専門職(専門) 問1)

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問題

社会福祉士試験 第37回(令和6年度) 問109(ソーシャルワークの基盤と専門職(専門) 問1) (訂正依頼・報告はこちら)

専門職化に関する次の記述のうち、グリーンウッド(Greenwood, E.)が述べたものとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
  • 体系的な理論、権威、社会的承認、倫理綱領、専門職文化の5つの属性を示した。
  • 公衆の福祉という目的、理論と技術、教育と訓練、テストによる能力証明、専門職団体の組織化、倫理綱領の6つの属性を示した。
  • 専門職の目標、知識、及び技術についての認識を示した。
  • 専門職の成熟度として、4つの発達段階を示した。
  • 他の専門職と比較することによって「準専門職」という概念を確立した。

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この過去問の解説 (1件)

01

ソーシャルワーカーは専門職であると言われますが、

その主張の重要人物に関する問題です。

社会福祉士の価値を主張するための大切な要素ですので、

時系列で覚えておきましょう。

※細かい年号を覚えるより、順番を覚えるイメージで良いです。

 

 

(1915年)

フレックスナー

『ソーシャルワークは専門職か?』という講演にて、

専門職が成立するための「6つの属性」として、
1:基礎となる科学的研究(基礎科学)のあること
2:知は体系的で学習されうるものであること
3:実用的であること
4:教育的手段をこうじることよって伝達可能な技術があること
5:専門職団体・組織を作ること
6:利他主義的であること

 

を掲げたうえで、

「現段階でソーシャルワークは専門職に該当しない」と、

結論づけたことに対するアンサーと言えます。

 

 

(1955年)

カー・ソンダースは、

①完成専門職

 『法律家、医師に代表されるように、一定の行動様式があり、

 理論的学習に基づくことを特徴とする職業のこと。』

②新専門職

 『エンジニアや化学者などの

 基本的な学習に基づいた職業のこと。』

③準専門職

 『看護師、薬剤師などの技術的スキルを活用する職業のこと。』

④可能専門職

 『病院マネージャー、セールスマネジャーなどに代表される

 理論的学習や技術を必要としない職業のこと。』

 

という専門職の4つの成熟度があるとしました。

 

 

(1957)

グリーンウッド『専門職の属性』において、

専門職の5条件として、

1:体系的理論

2:専門的権威

3:コミュニティの承認

4:倫理綱領

5:専門的文化

 

を掲げて、

「ソーシャルワークはすでに専門職である」と、

主張しました。

フレックスナーの主張に対する

約40年後のアンサーというイメージです。

 

 

(1964)

ミラーソン

専門職の条件として

1:公共の福祉という目的

2:理論と技術

3:教育と訓練

4:テストによる能力証明

5:専門職団体の組織化

6:倫理綱領

 

を掲げています。

これは、日本における福祉系専門職のシステムを

作る時に、大きく影響したとされています。

 

 

(1964)

エツィオーニ

専門職としての完成度が低く、専門職化の途上にある職種を

『準専門職』とし、その代表的な職種として教師、看護婦、ソーシャルワーカーを挙げました。

選択肢1. 体系的な理論、権威、社会的承認、倫理綱領、専門職文化の5つの属性を示した。

○:正しいです。

 

解説の冒頭にも記載した通り、

グリーンウッド『専門職の属性(1957)』において、

「ソーシャルワークはすでに専門職である」と、

主張しました。

解説の冒頭を参照して下さい。

選択肢2. 公衆の福祉という目的、理論と技術、教育と訓練、テストによる能力証明、専門職団体の組織化、倫理綱領の6つの属性を示した。

×:誤りです。

 

これは、ミラーソンの掲げた

専門職の条件です。

解説の冒頭を参照して下さい。

選択肢3. 専門職の目標、知識、及び技術についての認識を示した。

×:誤りです。

 

これは、特に理論や主張として

明確化されているものではありません。

選択肢4. 専門職の成熟度として、4つの発達段階を示した。

×:誤りです。 

 

これは、カー・ソンダースの掲げた

専門の成熟度の4段階です。

解説の冒頭を参照して下さい。

選択肢5. 他の専門職と比較することによって「準専門職」という概念を確立した。

×:誤りです。

 

これは、エツィオーニの提唱したものです。

解説の冒頭を参照して下さい。

 

 

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