社会福祉士 過去問
第37回(令和6年度)
問115 (ソーシャルワークの理論と方法(専門) 問1)
問題文
バイステック(Biestek, F.)による援助関係の原則に関する次の記述のうち、適切なものを2つ選びなさい。
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問題
社会福祉士試験 第37回(令和6年度) 問115(ソーシャルワークの理論と方法(専門) 問1) (訂正依頼・報告はこちら)
バイステック(Biestek, F.)による援助関係の原則に関する次の記述のうち、適切なものを2つ選びなさい。
- 非審判的態度の原則とは、問題・課題に対してクライエントが負う責任についてワーカーが承認・非承認を決定することである。
- 自己決定の原則とは、クライエントが問題解決の方向などを自分で決める権利とニードをもっていることをワーカーがしっかりと認識し、クライエントの判断を促し、尊重することである。
- 統制された情緒的関与の原則とは、クライエント自らの情緒的感情を意識化することである。
- 意図的な感情表出の原則とは、クライエントの感情を大切にし、クライエントが特にその否定的感情も自由に表現できるよう、ワーカーが促すことである。
- 秘密保持の原則とは、他の個人の権利が侵害される場合においてもクライエントの秘密は保持されることである。
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この過去問の解説 (1件)
01
バイステックの原則は、対人援助の基本となるものです。
以下の7原則は確実に覚えておきましょう。
1.個別化の原則
ワーカーから見たらクライアントの一人でも、
そのクライアントにとっては唯一無二の一つの人生です。
2.秘密保持の原則
クライアントの個人情報は、守られなければならなりません。
必要最低限での入手と引き継ぎにとどめるべきです。
3.自己決定の原則
自分のことを、必要な情報をもとに
自分で決定する環境を提供しなければなりません。
4.受容の原則
たとえ受け入れがたいことであっても、利用者自身の個性や考えを否定するのではなく、
「どうしてそのような思考になるのか」「なぜこういった行動をするのか」
といった要因を考え、適切な援助へと導き、個性を尊重することが大事です。
5.非審判的態度の原則
援助者は、利用者の考えや行動に対して善悪をつけるのではなく、あくまでもサポート役であること
ワーカーの価値観を押し付けないことが必要です。
6.統制された情緒関与の原則
ワーカーは自分の感情を統制しなければならない。
負の感情(怒りなど)は当然だが、正の感情(かわいいなど)も同様。
正の感情を生みやすいクライアントのみの支援とならないように
しなければなりません。
7.意図的な感情表出の原則
クライアントが自由に感情を表出できる環境を整えましょう。
クライアントが感情をだすことは、精神保健にとって大事であり、
援助の質を高めるためにも必要なことです。
クライアントの怒りも、そのクライアントがどのようなことで怒るのか
知ることが大事です。
×:誤りです。
ワーカーがクライアントの価値観などに対して、
是非を決めないことです。
○:正しいです。
設問の通りです。
×:誤りです。
クライエントではなく、ワーカーの感情です。
○:正しいです。
設問の通りです。
×:誤りです。
バイステックの原則は、あくまでも原則です。
原則には必ず、例外があります。
この選択肢においては、ドルゴフの倫理原則のスクリーンが
適用されます。
これは、こちらを立てれば、あちらが立たずという
ソーシャルワークのジレンマと呼ばれる状況において
下記の優先順位を示したものです。
優先順位(高)
①生命の保護
②社会正義
③自己決定
④被害最小
⑤生活の質
⑥守秘義務
⑦誠実と開示
優先順位(低)
選択肢のように『他の個人の権利が侵害される』場合は、
クライアントの⑥守秘義務よりも、②の社会正義が優先されます。
したがって、誤りとなります。
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