社会福祉士 過去問
第37回(令和6年度)
問120 (ソーシャルワークの理論と方法(専門) 問6)
問題文
〔事例〕
A町では、大規模な工業団地が開発された結果、海外から来た労働者とその家族が増加傾向にある。街中を歩く外国人家族の姿が日常的となった。そのような中、民生委員から、Bに「慣れない文化に戸惑う外国籍家族の存在が顕著であることや、また一方で、在留外国人との交流を望んでいるものの、どのようにすればよいか困惑している地域住民の声が多く聞かれる」と情報提供があった。
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問題
社会福祉士試験 第37回(令和6年度) 問120(ソーシャルワークの理論と方法(専門) 問6) (訂正依頼・報告はこちら)
〔事例〕
A町では、大規模な工業団地が開発された結果、海外から来た労働者とその家族が増加傾向にある。街中を歩く外国人家族の姿が日常的となった。そのような中、民生委員から、Bに「慣れない文化に戸惑う外国籍家族の存在が顕著であることや、また一方で、在留外国人との交流を望んでいるものの、どのようにすればよいか困惑している地域住民の声が多く聞かれる」と情報提供があった。
- 教育委員会に外国籍の子どもの生活状況の改善策を講じるよう要望する。
- 在留外国人も加え、学校、自治会等がこの問題を共有化するための懇談の場を企画する。
- 外国の文化や習慣について解説した日本人向けパンフレットを作成し、地域住民に配布する。
- 企業の人事担当者に状況を説明し、問題解決を依頼する。
- 外国籍住民と地域住民の交流の場を設け、広く参加を求める。
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この過去問の解説 (3件)
01
この問題は、社会課題に対して
『総合的かつ包括的支援』に向けて
ソーシャルワーカーとしてどうしていくかという
問題です。
ミクロだけでなく、メゾ、マクロの視点が必要です。
×:誤りです。
包括的支援とはいえ、
教育委員会という、やや大き目なメゾに【最初に】働きかけるのは
順番として違います。
〇:正しいです。
他の選択肢全てが、決して間違いではありませんが、
ソーシャルワークの原則として
まずは調査アセスメントを行い、
その上で、対策や支援を決めていきます。
従って、問題の共有化をするための懇談の場を設けることが
最初に行うべきことです。
×:誤りです。
よい試みではありますが、最初に行うべきかというと疑問です。
日本人の住民側の歩み寄りばかりを求めることは
新たな摩擦を生む要因にもなります。
×:誤りです。
企業の思う問題と、地域住民が思う問題が
必ずしもイコールとは限りません。
この行動をとる前に、調査などが必要です。
×:誤りです。
一見、正解に見えます。
交流の場を持つことは大変効果的ではありますが、
双方に誤解が生じたままで交流の場を設けても
思うような効果は出ない可能性があります。
互いの理解が少し深まってからの、効果策として考えるのが妥当です。
他の選択肢との比較で、誤りとします。
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02
問題にあるように、社会福祉士には、社会課題に対してジェネラリストとしての視点が求められています。
不適切。
設問の中に外国籍の子供が問題を起こしている事柄の記載はありません。生活状況の改善策を講じるように教育委員会へ要望する必要はありません。
設問の通り。
慣れない文化に戸惑う在留外国人、学校、自治体、地域住民等との懇談の場を企画する必要があります。問題を共有することで、互いの理解を深める必要があります。在留外国人、元々の地域に住む住民が共に住みやすい地域を作ることができるようにする必要があります。
不適切。
外国の文化だけを知るだけでは、住みやすい地域を作ることは難しいです。外国籍の方にも日本の文化を知ってもらうことで、互いの文化の違いを受け入れる必要があります。
不適切。
企業に状況を説明して、問題解決を依頼しても根本的解決には至らない可能性があります。地域に住む住民同士が互いの問題を理解し、相互理解を図る必要があります。
不適切。
交流の場を設けるだけではなく、問題の共有を図る必要があります。共有を行い、問題が解決できるように相互理解を行う必要があります。
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03
本設問では、地域に外国人が増加したものの、以前から住んでいる住民との交流が十分に出来ていない事や、異文化に戸惑う外国の方の不安などを地域の問題として捉え、その解決に向けた方法を検討しています。複数挙がっている課題に目を向け、それぞれ解決できるよう支援する事が必要となります。
✕ 子どもの生活状況は現在問題として挙げられている訳ではなく、教育委員会に改善策を講じるよう要望する事は不適切です。
〇 地域住民がどのような事を希望し問題を感じているかを、同じ地域に住む在留外国人や地域の社会資源である学校や自治体と共有する事で、それを解決するための方法を考える事に繋がります。
✕ 地域住民が外国の文化や習慣を理解するためには有効な手段と考えられますが、慣れない文化に戸惑い過ごしにくさを感じているのは外国籍家族です。外国籍家族が感じている戸惑いを減らす事が必要と考えられるため、選択肢の内容は適切とは言えません。
✕ 企業に雇用されている労働者の中に海外から来た方が多いため、企業に状況を説明し協力を依頼する必要はあると考えられますが、その企業に問題解決を全て依頼する事は不適切です。地域の問題として、地域全体で取り組む事が重要であると考えられます。
✕ 地域住民は外国籍住民との交流を希望しており、そのための場を設定する事で地域住民のニーズは満たされると考えられます。しかし、外国籍住民の方々がその交流に対してどのように感じているかの確認が出来ていない事や、慣れない文化に戸惑っている外国籍の方の困りごとは解決に結びついておらず、適切な内容とは言えません。
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