社会福祉士 過去問
第37回(令和6年度)
問123 (ソーシャルワークの理論と方法(専門) 問9)

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問題

社会福祉士試験 第37回(令和6年度) 問123(ソーシャルワークの理論と方法(専門) 問9) (訂正依頼・報告はこちら)

事例を読んで、Aがん拠点病院相談支援センターに勤務するB医療ソーシャルワーカー(社会福祉士)のこの時点での対応として、適切なものを2つ選びなさい。

〔事例〕
大腸がんの治療後、定期受診中だったCさん(44歳、男性)はBのもとを訪れ「先日の受診で異常が指摘され、詳しい検査をしました。本日、がんの再発と転移が判明し、主治医から積極的な治療をするか、あるいは、緩和ケアに切り替えるかという2つの選択があることを伝えられました。今までなんとか乗り越えてきましたがもう限界です。家族になんて話したら良いか」と語った。
  • 今後の生活については、家族でよく話し合うことを勧める。
  • Bの過去の経験から、この先の見通しについて説明する。
  • カウンセリングを含め、心理的支援をすぐにでも受けることが可能であることを説明する。
  • 病状について再度説明してもらうよう、主治医への連絡が可能であることを説明する。
  • 混乱している気持ちを落ち着かせるため、帰宅を促す。

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この過去問の解説 (3件)

01

医療ソーシャルワーカーの役割は、心理的負担を軽減し、

必要な情報を提供し、悔いのない意思決定を支援することで、

心理的支援を行うこと、主治医との情報共有を促すことが必要です。

選択肢1. 今後の生活については、家族でよく話し合うことを勧める。

×:誤りです。

 

Cさんは「家族になんて話したら良いか」と混乱と戸惑いがある状態で

この状態で家族と話をするのは好ましくありません。

まずは、Cさんが心を落ち着けるための手段をとるべきです。

 

選択肢2. Bの過去の経験から、この先の見通しについて説明する。

×:誤りです。

予後などの見通しは医師から説明するべきものです。

 

選択肢3. カウンセリングを含め、心理的支援をすぐにでも受けることが可能であることを説明する。

○:正しいです。

 

「今までなんとか乗り越えてきましたがもう限界です。」と述べているように

心理的負荷が強い状態であるため、カウンセリングを勧めることは

効果的です。

選択肢4. 病状について再度説明してもらうよう、主治医への連絡が可能であることを説明する。

○:正しいです。

 

転移を告げられた時点では、Cさんは混乱のさなかで

しっかりと主治医の説明が入ってこなかった可能性があります。

再度説明の機会を持つことは重要です。

選択肢5. 混乱している気持ちを落ち着かせるため、帰宅を促す。

×:誤りです。

 

混乱している状態で、帰宅させることは

危険であり、不適切です。

少しでも落ち着きが得られるように、

寄り添うことが重要です。

参考になった数10

02

医療ソーシャルワーカーとは、患者本人、家族が不安なく適切な治療を受けることができるように支援を行う必要があります。そのため、知識だけではなく、面接技法も重要となってきます。


 

選択肢1. 今後の生活については、家族でよく話し合うことを勧める。

不適切。
この段階で、今後の生活について家族でよく話すことを勧めることは不適切です。Cさんは家族になんて話したら良いのかと悩んでいます。まずはCさんの受け止め方を確認する必要があります。
 

選択肢2. Bの過去の経験から、この先の見通しについて説明する。

不適切。
見通しの説明を行うのは、Cさんの主治医が行うことになります。医療ソーシャルワーカーがこの先の見通しについて説明することは不適切です。

選択肢3. カウンセリングを含め、心理的支援をすぐにでも受けることが可能であることを説明する。

設問の通り。

カウンセリングを含め、心理的支援をすぐにでも受けることが可能であることを説明する必要があります。Cさんの発言から、突然のことに心理的に不安定になっている可能性が高いです。
 

選択肢4. 病状について再度説明してもらうよう、主治医への連絡が可能であることを説明する。

設問の通り。

医師から再度詳しい説明を受ける必要があります。その上で治療の判断や家族への伝え方を考えてもらう必要があります。
 

選択肢5. 混乱している気持ちを落ち着かせるため、帰宅を促す。

不適切。
帰宅を促すことは不適切です。家族になんと話したら良いかと話しているCさんに対して、気持ちが落ち着いてもらえるような対応が必要です。

参考になった数4

03

本設問ではCさんは自身の病状を受け止め切れず、混乱している様子が見られています。その混乱している状態を受け止め、不安を軽減できるよう努める事が必要です。

選択肢1. 今後の生活については、家族でよく話し合うことを勧める。

✕ Cさんは自分の病状をどう家族に伝えたら良いか混乱している状態です。家族の方と話し合う事も今後必要になる可能性はありますが、この時点での対応としては不適切です。

選択肢2. Bの過去の経験から、この先の見通しについて説明する。

✕ Bさんは医療ソーシャルワーカーとしての経験を持っており、様々なクライエントと接していると思われますが、この先の見通しを説明できる立場ではありません。病気の見通しを説明するのは医師の役割です。

選択肢3. カウンセリングを含め、心理的支援をすぐにでも受けることが可能であることを説明する。

〇 Cさんはがんの再発を知った事や、医師からの説明を受けた事で、自身の心が限界であると訴えています。その不安の解消をがかるために心理的支援がすぐ受けられるという情報を提供する事は、有効な支援と言えます。

選択肢4. 病状について再度説明してもらうよう、主治医への連絡が可能であることを説明する。

〇 Cさんは自身の体の状態を聞いていますが、今後の自身の治療や生活の仕方について選択できる心理状態にはありません。主治医から再度話を聞く事で、自身の身体状況を改めて見つめ直し、今後の生活について考えられるようになる可能性があるため、適切な支援内容と言えます。

選択肢5. 混乱している気持ちを落ち着かせるため、帰宅を促す。

✕ Cさんは現状混乱しており、家族に自身の状態をどう話すか悩んでいます。その状態で自宅に帰り、家族を目の前にした場合、混乱が強まる可能性があり、適切な対応とは言えません。

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