社会保険労務士の過去問
第45回(平成25年度)
社労士 | 社会保険労務士試験 択一式 問5

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問題

社労士試験 第45回(平成25年度) 択一式 問5 (訂正依頼・報告はこちら)

労働基準法の総則に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
  • 労働基準法第1条にいう「労働条件」とは、賃金、労働時間、解雇、災害補償等の基本的な労働条件を指し、安全衛生、寄宿舎に関する条件は含まない。
  • 労働基準法は労働条件の最低基準を定めたものであり、この最低基準が標準とならないように、同法は、この最低基準を理由として労働条件を低下させることを禁止し、その向上を図るように努めることを労働関係の当事者に義務づけている。
  • 労働基準法第2条第1項が、「労働条件は、労働者と使用者が、対等の立場において決定すべきである。」との理念を明らかにした理由は、概念的には対等者である労働者と使用者との間にある現実の力関係の不平等を解決することが、労働基準法の重要な視点であることにある。
  • 労働基準法第3条は、すべての労働条件について差別待遇を禁止しているが、いかなる理由に基づくものもすべてこれを禁止しているわけではなく、同条で限定的に列挙している国籍、信条又は社会的身分を理由とする場合のみを禁じている。
  • 労働基準法第4条は、性別による差別のうち、特に顕著な弊害が認められた賃金について、罰則をもって、その差別的取扱いを禁止したものである。

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この過去問の解説 (3件)

01

 1が間違っています。

1 間違っています。
 この「労働条件」とは、賃金、労働時間、解雇、災害補償とともに、安全衛生、寄宿舎等に関する条件を含みます。

2 正しい内容です。
 労働基準法第1条2項は、「この法律で定める労働条件の基準は最低のものであるから、労働関係の当事者は、この基準を理由として労働条件を低下させてはならないことはもとより、その向上を図るように努めなければならない。」と定めています。

3 正しい内容です。
 労働者と使用者との間の立場の違いを前提にした考え方です。

4 正しい内容です。
 労働基準法第3条は,その違反について罰則が定められているところからも(第119条)、厳格な解釈が求められるため、その事由は限定列挙と考えられている。

5 正しい内容です。
 男女雇用機会均等法が制定される以前から存在する規定ですが、賃金だけを規定した趣旨は、そのように考えられています。

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02

答えは1です。

1.誤り
労働基準法第1条の「労働条件」には「安全衛生」「寄宿舎」等に関する条件も含むので誤りです。
法1条における「労働条件」には、労働者にまつわる様々な条件を示していますが、「雇入れ」に関する規定は除かれている点にも注意してください。

2.正しい
法1条2項において設問の内容に関する内容が規定されています。社会経済情勢の変動等他に決定的な理由があれば抵触しない点も併せて押さえてください。

3.正しい
法2条の趣旨として、設問の通りのことが定められています。

4.正しい
法3条におけるこれらの内容は例示ではなく「限定列挙」されている内容になります。これは憲法14条1項(法の下の平等)の内容から準拠しています。

5.正しい
法4条違反は「6か月以下の懲役又は30万円以下の罰金」に処せられます。

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03

正解は 1 です。

※厚生労働省からの通達(下記の「昭和63年3月14日基発150号」等)で略語の意味は下記の通りです。
基発・・・労働基準局長名で発する通達
基収・・・労働基準局長が疑義に答えて発する通達


1.誤「含まない」
 正「含まれる」

昭和23年6月16日基収1365号・昭和63年3月14日基発150号により、「安全衛生、寄宿舎」も含むと通達されていますので気をつけましょう。


2.労働基準法(以下、「法」と略します)1条2項に、選択肢の趣旨の内容を定めているのでおさえましょう。


3.労働基準法の趣旨としては、選択肢の通りになりますね。


4.選択肢のとおりであり、法3条はあくまで限定列挙にとどめています。


5.法119条1号において、法4条の罰則を定め、「6箇月以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する」としていますね。

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