社会保険労務士の過去問
第45回(平成25年度)
社労士 | 社会保険労務士試験 択一式 問6
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問題
社労士試験 第45回(平成25年度) 択一式 問6 (訂正依頼・報告はこちら)
労働基準法に定める労働契約等に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- 労働基準法は、同法の定める基準に達しない労働条件を定める労働契約について、その部分を無効とするだけでなく、無効となった部分を同法所定の基準で補充することも定めている。
- 使用者は、満60歳以上の労働者との間に、5年以内の契約期間の労働契約を締結することができる。
- 使用者は、期間の定めのある労働契約であって当該労働契約の期間の満了後に当該労働契約を更新する場合があるものの締結の際に、労働者に対して、期間の定めのある労働契約を更新する場合の基準に関する事項を、書面の交付により明示しなければならない。
- 労働基準法第16条は、労働契約の不履行について違約金を定め又は損害賠償額を予定する契約をすることを使用者に禁止しているが、その趣旨は、このような違約金制度や損害賠償額予定の制度が、ともすると労働の強制にわたり、あるいは労働者の自由意思を不当に拘束し、労働者を使用者に隷属させることとなるので、これらの弊害を防止しようとする点にある。
- 労働契約を締結する際に、労働者の親権者が使用者から多額の金銭を借り受けることは、人身売買や労働者の不当な足留めにつながるおそれがあるため、当該労働者の賃金と相殺されるか否かを問わず、労働基準法第17条に違反する。
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この過去問の解説 (3件)
01
1 正しい内容です。
第13条は、「この法律で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は、その部分については無効とする。この場合において、無効となつた部分は、この法律で定める基準による。」と定めています。
2 正しい内容です。
第14条は、労働契約の期間の定めを定める場合には、原則として3年を越えてはならないとしつつ、「満六十歳以上の労働者との間に締結される労働契約」については、5年を超えない期間を認めています。
3 正しい内容です。
第15条は、「使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない。この場合において、賃金及び労働時間に関する事項その他の厚生労働省令で定める事項については、厚生労働省令で定める方法により明示しなければならない。」と定めています。厚生労働省令(労働基準法施行規則第5条)は、「期間の定めのある労働契約であつて当該労働契約の期間の満了後に当該労働契約を更新する場合」には、「期間の定めのある労働契約を更新する場合の基準に関する事項」についての書面の交付を規定しています。
4 正しい内容です。
違約金の定めや賠償額の禁止は、労働者の退職の自由を束縛し、人身拘束をもたらしかねないという、歴史的な経験も踏まえた(戦前の工場法にもすでにこのような規定はありました)趣旨です。
5 間違っています。
第17条は、「使用者は、前借金その他労働することを条件とする前貸の債権と賃金を相殺してはならない。」と定め、相殺の禁止を明示しています。
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02
1.正しい
法13条の規定の通りです。労働基準法では、有効の部分はそのままで、一定の基準に満たない部分については無効にし、労働基準法に定める基準に引き上げることで労働者の保護を図っています。
2.正しい
5年を上限に労働契約を結ぶことができるのは、「60歳以上の者」と「高度の専門的知識を有する労働者」のいずれかになります。(法12条1項)
3.正しい
「期間の定めのある労働契約を更新する場合の基準」については絶対的明示事項となっているため、書面の交付等によって明示しなければなりません。(法15条1項・則5条1項)
4.正しい
設問の通りです。ポイントは、「損害賠償の予定」を禁止しているのであって、「実際の損害の賠償」は禁止されていない点です。
5.誤り
「相殺されるか否かを問わず」が誤りです。基本的に、相殺をしてはならないわけではなく、単に前借金と賃金とを相殺することが禁止されているにすぎないということです。
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03
1.労働基準法(以下「法」と略します)13条に即した選択肢となっていますね。
2.法14条1項2号のとおりですね。
3.法15条1項、労働基準法施行規則5条1項1号の2及び3項より、選択肢の通りとなります。
4.法16条の趣旨は、選択肢の通りとなります。
5.誤「賃金と相殺されるか否かを問わず」
正「賃金と相殺された場合は」
法17条は、使用者からの借入金と賃金の相殺を禁じている定めですので、「相殺されるか否かを問わず」ではおかしいですね。
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