社会保険労務士の過去問
第45回(平成25年度)
社労士 | 社会保険労務士試験 択一式 問8

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問題

社労士試験 第45回(平成25年度) 択一式 問8 (訂正依頼・報告はこちら)

労働安全衛生法第66条の8の規定により事業者が行う面接指導に関する次の記述のうち、同条の規定により事業者に義務付けられているものとして、誤っているものはどれか。
※ 働き方改革関連法の施行により、2019(平成31)年4月から「面接指導の対象となる労働者の要件」が、1か月あたり「100時間超」から「80時間超」に引き下げられました。この設問は2013(平成25)年に出題された設問となります。
  • 事業者は、休憩時間を除き1週間当たり40時間を超えて労働させた場合におけるその超えた時間が1月当たり100時間を超え、かつ、疲労の蓄積が認められる労働者であって、法定の除外事由に該当しないものに対し、労働安全衛生規則で定めるところにより、医師による面接指導を行わなければならない。
  • 事業者は、面接指導の結果に基づき、法定の事項を記載した当該面接指導の結果の記録を作成して、これを5年間保存しなければならない。
  • 面接指導の対象となる労働者が、事業者の指定した医師が行う面接指導を受けることを希望しない場合において、他の医師の行う法定の面接指導に相当する面接指導を受け、その結果を証明する書面を事業者に提出した場合においても、事業者が行う面接指導を必ず受けなければならない。
  • 事業者は、面接指導の結果に基づく医師の意見を勘案し、その必要があると認めるときは、当該労働者の実情を考慮して、就業場所の変更、作業の転換、労働時間の短縮、深夜業の回数の減少等の措置を講ずるほか、当該医師の意見の衛生委員会若しくは安全衛生委員会又は労働時間等設定改善委員会(労働時間等の設定の改善に関する特別措置法第7条第1項に規定する労働時間等設定改善委員会をいう。)への報告その他の適切な措置を講じなければならない。
  • 事業者は、面接指導の結果に基づき、当該労働者の健康を保持するために必要な措置について、面接指導が行われた後、遅滞なく、医師の意見を聴かなければならない。

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この過去問の解説 (3件)

01

 正解(間違っているのは)は3です。

1 正しい内容です。
 労働安全衛生法第66条の8は、「事業者は、その労働時間の状況その他の事項が労働者の健康の保持を考慮して厚生労働省令で定める要件に該当する労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、医師による面接指導(問診その他の方法により心身の状況を把握し、これに応じて面接により必要な指導を行うことをいう。以下同じ。)を行わなければならない。」と定めています。厚生労働令で定める要件は、労働安全衛生規則で、第52条の2で、「休憩時間を除き一週間当たり四十時間を超えて労働させた場合におけるその超えた時間が一月当たり百時間を超え、かつ、疲労の蓄積が認められる者であることとする。」とされています。

2 正しい内容です。
 労働安全衛生規則は、 第52条の6で、事業者は、面接指導の結果に基づき、当該面接指導の結果の記録を作成して、これを五年間保存しなければならないことを定めています。

3 間違っています。
 労働安全衛生法第66条の8の第2項は、労働者は、前項の規定により事業者が行う面接指導を受けなければならないとしていますが。ただし書きで、「事業者の指定した医師が行う面接指導を受けることを希望しない場合において、他の医師の行う同項の規定による面接指導に相当する面接指導を受け、その結果を証明する書面を事業者に提出したときは、この限りでない。」と定めています。

4 正しい内容です。
 「事業者は、前項の規定による医師の意見を勘案し、その必要があると認めるときは、当該労働者の実情を考慮して、就業場所の変更、作業の転換、労働時間の短縮、深夜業の回数の減少等の措置を講ずるほか、当該医師の意見の衛生委員会若しくは安全衛生委員会又は労働時間等設定改善委員会への報告その他の適切な措置を講じなければならない。」と定めています。

5 正しい内容です。
 労働安全衛生法第66条の8の第4項は、事業者は、面接指導の結果に基づき、当該労働者の健康を保持するために必要な措置について、厚生労働省令で定めるところにより、医師の意見を聴かなければならないと定めています。厚生労働省令で定めるところについては、労働安全衛生規則が、第52条の七で、面接指導が行われた後、遅滞なく行わなければならないと定めています。

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02

正解は3です。

1.正しい
記述の通り正しい内容です。「1週間当たり40時間を超える時間外労働が1か月で100時間を超えること」と「疲労の蓄積がみられること」のいずれにも該当する労働者について、医師による面接指導を行わなければならないとされています。
なお、産業医は労働者に対しては「勧奨」することができるとされています。

2.正しい
個人の面接指導の結果については5年間の書類保存義務があります。健康診断も同様なので併せて押さえてください。

3.誤り
他の医師の行う法定の面接指導を受け、その結果を証明する書面を事業主に提出した場合については、事業主が行う面接指導を受ける必要がありません。
ポイントは、「必ず」といった断定的な言葉が出たら誤りの選択肢の可能性が高いという点です。

4.正しい
設問の通り正しいです。なお、健康診断についても同様の措置を講じなければなりません。

5.正しい
医師からの意見聴取は面接指導後に、遅滞なく、医師の意見を聞かなければなりません。なお、ストレスチェックについても同様の扱いとなっています。

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03

正解は 3 です。


1.選択肢の規定は、労働安全衛生法(以下「法」と略します)66条の8第1項に定めていますね。

「休憩時間を除き1週間当たり40時間を超えて労働させた場合におけるその超えた時間が1月当たり100時間を超え、かつ、疲労の蓄積が認められる労働者」

という具体的な要件に関しては、労働安全衛生規則(以下「則」と略します)52条の2第1項にあります。


2.則52条の6第1項のとおりですね。


3.誤「…場合においても、事業者が行う面接指導を必ず受けなければならない」
 正「…場合においては、事業者が行う面接指導を必ずしも受ける必要はない」

法66条の8第2項より、選択肢の場合は面接指導を受ける義務はないことに気をつけましょう。


4.法66条の8第5項のとおりですね。


5.法66条の8第4項のとおりで、「面接指導が行われた後」という時期は、則52条の7に定めています。

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