社会保険労務士の過去問
第45回(平成25年度)
社労士 | 社会保険労務士試験 択一式 問5

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問題

社労士試験 第45回(平成25年度) 択一式 問5 (訂正依頼・報告はこちら)

就業形態の多様化に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。なお、本問は、「平成22年就業形態の多様化に関する総合実態調査(厚生労働省)」を参照しており、当該調査による用語及び統計等を使用している。
  • 生活をまかなう主な収入源を男女別にみると、男性では、正社員、正社員以外の労働者ともに「自分自身の収入」が最も高い割合となっているのに対して、女性では、正社員で「自分自身の収入」が、正社員以外の労働者で「配偶者の収入」が最も高い割合になっている。
  • 正社員以外の労働者(出向社員を除く。)について、現在の就業形態を選んだ理由(複数回答)を就業形態別にみると、パートタイム労働者では「自分の都合のよい時間に働けるから」、派遣労働者では「正社員として働ける会社がなかったから」がそれぞれ最も多くなっている。
  • 正社員以外の労働者で、「現在の会社」又は「別の会社」で働きたいと考えている労働者について、今後の就業に対する希望を就業形態別にみると、派遣労働者の約半数は「正社員に変わりたい」と考えているのに対して、パートタイム労働者の約8割は「現在の就業形態を続けたい」と回答している。
  • 職種別に正社員と正社員以外の労働者の構成比をみると、正社員の割合が高いのは「管理的な仕事」や「専門的・技術的な仕事」であり、逆に、「販売の仕事」や「事務的な仕事」は、正社員以外の労働者の割合が高くなっている。
  • 現在の職場での満足度についてみると、正社員、正社員以外の労働者ともに満足度が高いのは「仕事の内容・やりがい」、「正社員との人間関係、コミュニケーション」及び「正社員以外の労働者との人間関係・コミュニケーション」であり、両者ともに満足度が低いのは「賃金」、「教育訓練・能力開発のあり方」及び「人事評価・処遇のあり方」である。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は 4 です。

「平成22年就業形態の多様化に関する総合実態調査の概況」(厚生労働省)の個人調査より出題されています。

4に関しては、2 就業の実態(1)職種より、「事務的な仕事」においては正社員の割合が72.1%、正社員以外の労働者の割合が27.9%であるため、「正社員以外の労働者の割合が高くなっている」と結論づけているのは誤りですね。


その他、正しい各選択肢に関しては、総合実態調査の下記の箇所より出題されています。

1. 1 生活をまかなう主な収入源

2. 3 仕事に対する意識 (1) 現在の就業形態を選んだ理由

3. 3 仕事に対する意識 (2) 今後の就業に対する希望

5. 4 現在の職場での満足度

参考になった数6

02

 設問は、就業形態の多様化に関する総合実態調査22年版によりますが、必要に応じて、最新の26年版を参考まで引用しておきます。

 1 正しい内容です。
 調査結果では、「 正社員、正社員以外の労働者別に生活をまかなう主な収入源をみると、「自分自身の収入」が正社員では85.5%(前回84.9%、平成15年調査(以下「前々回」という。)77.0%)、正社員以外の労働者では49.1%(前回45.4%、前々回42.8%)と正社員、正社員以外の労働者ともに割合が上昇している。
 男女別にみると、男では、正社員、正社員以外の労働者ともに「自分自身の収入」が97.7%、82.3%と最も高い割合となっており、女では、正社員で「自分自身の収入」が55.2%、正社員以外の労働者で「配偶者の収入」が59.7%と最も高い割合となっている。
 また、正社員以外の労働者について就業形態別にみると、臨時的雇用者及びパートタイム労働者を除いた就業形態では「自分自身の収入」とする労働者割合が5割を超えている。一方、パートタイム労働者、臨時的雇用者ではそれぞれ34.0%、32.3%と他の就業形態と比べて低く、代わって「配偶者の収入」が、パートタイム労働者で50.7%、臨時的雇用者で47.9%と高い割合となっている。」と述べられています。

 2 正しい内容です。
 調査結果では、「正社員以外の労働者(出向社員を除く)について、現在の就業形態を選んだ理由をみると、パートタイム労働者では「自分の都合のよい時間に働けるから」が50.2%、「家計の補助、学資等を得たいから」が39.6%、「家庭の事情(家事・育児・介護等)や他の活動(趣味・学習等)と両立しやすいから」が30.9%、派遣労働者では「正社員として働ける会社がなかったから」が44.9%、契約社員では「専門的な資格・技能を活かせるから」が41.0%、「正社員として働ける会社がなかったから」が34.4%と比較的高い割合となっている。」と述べられているところです。
 なお、26年版では、「「パートタイム労働者」では「自分の都合のよい時間に働けるから」が50.0%で最も高く、次いで「家計の補助、学費等を得たいから」の36.3%、「家庭の事情(家事・育児・介護等)と両立しやすいから」の33.7%、「契約社員(専門職)」では「専門的な資格・技能を活かせるから」が46.0%で最も高く、次いで「正社員として働ける会社がなかったから」の31.8%、「派遣労働者」では「正社員として働ける会社がなかったから」が37.7%で最も高く、次いで「専門的な資格・技能を活かせるから」の23.7%となっている。」と分析されています。

 3 正しい内容です。
 調査結果では、「正社員以外の労働者について、今後の就業に対する希望をみると、「現在の会社で働きたい」が73.9%(前回66.7%)、「別の会社で働きたい」が12.6%(前回14.1%)などとなっている。 就業形態別にみると、「現在の会社で働きたい」は出向社員で82.2%、「別の会社で働きたい」は派遣労働者で25.1%とそれぞれ最も高い割合となっている。
 また、「現在の会社で働きたい」又は「別の会社で働きたい」と回答した者の今後の働き方に対する希望をみると、「現在の就業形態を続けたい」が69.8%、「他の就業形態に変わりたい」が29.1%となっており、「他の就業形態に変わりたい」とする労働者の希望する就業形態の内訳は、「正社員に変わりたい」が25.7%、「他の正社員以外の就業形態に変わりたい」が3.4%となっている。
 就業形態別にみると、「現在の就業形態を続けたい」は、嘱託社員、出向社員、パートタイム労働者でそれぞれ83.1%、78.5%、78.1%と高い割合となっている。一方、「他の就業形態に変わりたい」は、派遣労働者、契約社員でそれぞれ57.8%、52.7%と高い割合となっており、希望する就業形態の内訳は、「正社員に変わりたい」がそれぞれ50.9%、49.2%、「他の正社員以外の就業形態に変わりたい」がそれぞれ6.9%、3.5%となっている。」と述べられているところです。」とされています。

 なお、26年版では、「就業形態別にみると、「現在の会社で働きたい」は「嘱託社員(再雇用者)」での81.2%、「出向社員」での78.9%などが、「別の会社で働きたい」は「派遣労働者」での26.7%が高い割合となっている。
 就業形態別にみると、「現在の就業形態を続けたい」は、「嘱託社員(再雇用者)」、「パートタイム労働者」、「出向社員」でそれぞれ81.3%、73.4%、72.6%と高い割合となっている。一方、「他の就業形態に変わりたい」は、「契約社員(専門職)」、「派遣労働者」でともに55.5%と高い割合となっており、その希望する就業形態の内訳は、「正社員に変わりたい」がそれぞれ53.8%、48.2%、「正社員以外の他の就業形態に変わりたい」がそれぞれ1.7%、7.3%となっている。」と分析されています。

 4 間違っています。
 調査結果では、「正社員では、「事務的な仕事」が39.3%と最も高い割合となっており、次いで「管理的な仕事」19.6%、「専門的・技術的な仕事」15.6%の順となっている。正社員以外の労働者では、「事務的な仕事」が24.4%、「サービスの仕事」が22.9%、「販売の仕事」が14.7%などとなっている。
 職種ごとに、正社員、正社員以外の労働者別の労働者割合をみると、「サービスの仕事」、「運搬・清掃・包装等の仕事」では正社員以外の労働者の占める割合がそれぞれ75.0%、72.8%と7割を超えている。」と分析されています。

なお、26年版では、「「正社員」では、「事務的な仕事」が39.2%と最も高い割合となっており、次いで「管理的な仕事」18.5%、「専門的・技術的な仕事」17.6%の順となっている。「正社員以外の労働者」では、「事務的な仕事」が24.5%、「サービスの仕事」が22.2%、「専門的・技術的な仕事」が14.8%などとなっている。
種ごとに、正社員、正社員以外の労働者別の労働者割合をみると、「運搬・清掃・包装等の仕事」、「サービスの仕事」、「保安の仕事」、「販売の仕事」などでは、正社員以外の労働者が過半数を超えている。」と分析されています。

 5 正しい内容です。
 調査結果では、「現在の職場での満足度についてみると、正社員、正社員以外の労働者ともに満足度が高いのは「仕事の内容・やりがい」(正社員56.7ポイント、正社員以外の労働者57.1ポイント)、「正社員との人間関係、コミュニケーション」(同45.0ポイント、同44.7ポイント)、「正社員以外の労働者との人間関係・コミュニケーション」(同43.2ポイント、同49.4ポイント)などであり、両者ともに満足度が低いのは「賃金」(同8.5ポイント、同5.1ポイント)、「教育訓練・能力開発のあり方」(同12.9ポイント、同2.6ポイント)、「人事評価・処遇のあり方」(同13.7ポイント、同15.7ポイント)などとなっている。」と述べられています。

 26年度版では、「満足度を正社員と正社員以外の労働者で比較してみると、「仕事の内容・やりがい」(正社員59.0ポイント、正社員以外の労働者58.8ポイント)、「正社員との人間関係、コミュニケーション」(同50.0ポイント、同48.3ポイント)、「正社員以外の労働者との人間関係、コミュニケーション」(同48.0ポイント、同53.7ポイント)などは正社員、正社員以外の労働者ともに高く、「賃金」(同15.5ポイント、同5.6ポイント)、「人事評価・処遇のあり方」(同17.6ポイント、同18.6ポイント)、「教育訓練・能力開発のあり方」(同19.0ポイント、同7.1ポイント)などは両者ともに低い。」と分析されています。

参考になった数6

03

正解は4です。

1.正しい
女性の社会進出が進んでいるとはいえ、まだまだ、配偶者の収入が生活をまかなう収入源となっているところが強いといえます。

2.正しい
設問の当時はまだ、雇用状況が厳しい状況にあったこともあり、記述のようなことになっています。

3.正しい
派遣労働者の主な年齢層は20~30代の若年層で、パートタイム労働者の主な年齢層は40~50代の壮年層と言われているため、雇用に対する意識の持ち方も設問の通り異なっているといえます。

4.誤り
事務的な仕事においては、「正社員」の割合が高いです。

5.正しい
職場に求めているものは、正社員と正社員以外の労働者に共通であることを示しています。

参考になった数2