社会保険労務士の過去問
第46回(平成26年度)
社労士 | 社会保険労務士試験 択一式 問4
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問題
社労士試験 第46回(平成26年度) 択一式 問4 (訂正依頼・報告はこちら)
労働基準法に定める賃金等に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 労働基準法第24条第2項に従って賃金の支払期日が定められている場合、労働者が疾病等非常の場合の費用に充てるため、既に提供した労働に対する賃金を請求する場合であっても、使用者は、支払期日前には、当該賃金を支払う義務を負わない。
- 労働基準法第26条の定める休業手当の趣旨は、使用者の故意又は過失により労働者が休業を余儀なくされた場合に、労働者の困窮をもたらした使用者の過失責任を問う、取引における一般原則たる過失責任主義にあるとするのが、最高裁判所の判例である。
- 労働基準法第26条にいう「使用者の責に帰すべき事由」には、天災地変等の不可抗力によるものは含まれないが、例えば、親工場の経営難から下請工場が資材、資金の獲得ができず休業した場合は含まれる。
- 事業場における一部の労働者のストライキの場合に、残りの労働者を就業させることが可能であるにもかかわらず、使用者がこれを拒否した場合、もともとはストライキに起因した休業であるため、労働基準法第26条の「使用者の責に帰すべき事由」による休業には該当しない。
- いわゆる出来高払制の保障給を定めた労働基準法第27条の趣旨は、月給等の定額給制度ではなく、出来高払制で使用している労働者について、その出来高や成果に応じた賃金の支払を保障しようとすることにある。
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この過去問の解説 (3件)
01
1、✕ 出産、疾病、災害など、非常の場合には支払うこととなっています。(法25条)
第二十五条 使用者は、労働者が出産、疾病、災害その他厚生労働省令で定める非常の場合の費用に充てるために請求する場合においては、支払期日前であっても、既往の労働に対する賃金を支払わなければならない。
2、✕ 民法の過失責任よりも責任の範囲が広いとされています。
例えば不況により仕事がなくなり、休業となった場合でも、使用者には休業手当の支払い義務があります。(法26条 民法536条2項 最高裁判例昭和62.7.17 ノース・ウェスト航空事件)
3、○ 設問、2番の解説の通りです。
4、✕ 就業可能にもかかわらず拒否しているので、「使用者の責に帰すべき事由」に該当します。(法26条)
5、✕ 「出来高や成果に応じた賃金の支払を保障」ではなく、労働した時間に応じて一定額の保障を行うべきとした規定です。(法27条)
第二十七条 出来高払制その他の請負制で使用する労働者については、使用者は、労働時間に応じ一定額の賃金の保障をしなければならない。
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02
の費用に充てるために請求する場合におい
ては、支払期日前であっても、既往の労働に
対する賃金を支払わなければなりません。(法25条)
2 誤りです。最高裁の判例では、労基法26条の
「使用者の責に帰すべき事由」とは、取引にお
ける一般原則たる過失責任主義とは異なる
観点をも踏まえた概念というべきものと
されています。つまり、民法の「債権者の責
に帰すべき事由」よりも広く、使用者側に
起因する経営、管理上の障害を含むものと
解するのが相当であるとされています。
(法26条、民法536条2項、
最二小昭和62.7.17ノースウエスト航空事件)
3 設問の通りであり、正しいです。
(法26条、昭和23.6.11基収1998号)
4 誤りです。設問の場合、法26条の「使用者の
責に帰すべき事由」による休業に該当します。
(法26条)
5 誤りです。法27条の趣旨は、労働者の責に
基づかない事由によって実収賃金が低下する
ことを防ぐことであり、出来高払制で使用さ
れる労働者の賃金については、労働した時間
に応じて一定額の保障を行うべきことを使用
者に対して義務付けています。(法27条)
以上のことから、正解は3となります。
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03
判例は法律条文と同時に試験問題で出題する大切なものです。
有名は判例は目を通しておくことをおススメします。
1.× 使用者は、支払期日前には、当該賃金を支払う義務を負います。(法24条2)
2.× 労働者の困窮をもたらした使用者の過失責任を問う、取引における一般原則たる過失責任主義とは「異なる観点をも踏まえたもの」となっています。(最高裁判例 ノース・ウェスト航空事件・法26条)
3.〇 「使用者の責に帰すべき事由」の正しい設問です。(法26条)
4.× 「使用者の責に帰すべき事由」による休業には該当します。(法26条)
5.× 「出来高払制」は労働した時間に応じた一定額の賃金を保障することとしています。(法27条)
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