社会保険労務士の過去問
第47回(平成27年度)
社労士 | 社会保険労務士試験 択一式 問4

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問題

社労士試験 第47回(平成27年度) 択一式 問4 (訂正依頼・報告はこちら)

障害厚生年金に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
  • 障害等級2級の障害厚生年金と同一の支給事由に基づく障害基礎年金の受給権者が、国民年金の第1号被保険者になり、その期間中に初診日がある傷病によって国民年金法第34条第4項の規定による障害基礎年金とその他障害との併合が行われ、当該障害基礎年金が障害等級1級の額に改定された場合には、障害厚生年金についても障害等級1級の額に改定される。
  • 63歳の障害等級3級の障害厚生年金の受給権者(受給権を取得した当時から引き続き障害等級1級又は2級に該当したことはなかったものとする。)が、老齢基礎年金を繰上げ受給した場合において、その後、当該障害厚生年金に係る障害の程度が増進したときは、65歳に達するまでの間であれば厚生労働大臣に対し、障害の程度が増進したことによる障害厚生年金の額の改定を請求することができる。
  • 障害等級3級の障害厚生年金の受給権者(受給権を取得した当時から引き続き障害等級1級又は2級に該当したことはなかったものとする。)について、更に障害等級2級に該当する障害厚生年金を支給すべき事由が生じたときは、前後の障害を併合した障害の程度による障害厚生年金が支給され、従前の障害厚生年金の受給権は消滅する。
  • 40歳の障害厚生年金の受給権者が厚生労働大臣に対し障害の程度が増進したことによる年金額の改定請求を行ったが、厚生労働大臣による診査の結果、額の改定は行われなかった。このとき、その後、障害の程度が増進しても当該受給権者が再度、額の改定請求を行うことはできないが、障害厚生年金の受給権者の障害の程度が増進したことが明らかである場合として厚生労働省令で定める場合については、厚生労働大臣による診査を受けた日から起算して1年を経過した日以後であれば、再度、額の改定請求を行うことができる。
  • 障害等級3級の障害厚生年金の支給を受けていた者が、63歳の時に障害の程度が軽減したためにその支給が停止された場合、当該障害厚生年金の受給権はその者が65歳に達した日に消滅する。

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この過去問の解説 (3件)

01

1.設問のように、障害基礎年金の額が改定されると、同様に、障害厚生年金の額も改定されます。

2.障害厚生年金の支給要件の適用にあたっては、老齢基礎年金を繰上げ受給している者については、65歳に達している者と同様とされるため、障害の程度が増進したことによる障害厚生年金の額の改定を請求することができません。

3.併合認定されれば従前の障害厚生年金の受給権は消滅しますが、設問の場合、従前の障害厚生年金は3級であるため併合認定されることはなく、したがって従前の障害厚生年金の受給権は消滅しません。

4.障害厚生年金の受給権者の障害の程度が増進したことが明らかである場合として厚生労働省令で定める場合には、1年を経過していなくても、額の改定を請求することができます。

5.65歳に達した日において、障害の程度が軽減し支給停止されてから3年を経過していないので、障害厚生年金の受給権は消滅せず、3年を経過したときに消滅します。

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02

正解は、1.が〇です。

1.〇 当該「障害基礎年金」が障害等級1級の額に改定された場合には、「障害厚生年金」についても障害等級1級の額に改定されることになります。(法52条2)

2.× 「老齢基礎年金を繰上げ受給」した場合においては、年金の額を改定請求することが「できない」のです。(法52条7)

3.× 障害等級3級の受給権者には、併合認定は行なわれません。(法48条1)

4.× 1年経過していなくても、額の改定請求ができます。(法52条3)

5.× 「消滅する」ではなく、「消滅しない」となります。(法53条2)

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03

正解は 1. です。

1. 厚生年金保険法(以下「法」と略します)52条の2第2項のとおりですね。


2.誤「請求することができる」
 正「請求することができない」

法52条7項からは、65歳以上でなければ、障害厚生年金の額改定を請求できるように読めますね。

しかし法附則16条の3第2項より老齢基礎年金の受給権者は請求できないと解釈できますので、選択肢は誤りとなることに気をつけましょう。


3.誤「前後の障害を…が支給され、従前の障害厚生年金の受給権は消滅する」
 正「従前の障害厚生年金の受給権は消滅しない」

選択肢の冒頭がもし「障害等級1級の…」もしくは「障害等級2級の…」であれば、法48条1項に「前後の障害を併合した障害の程度による障害厚生年金を支給する。」、2項に「従前の障害厚生年金の受給権は消滅する。」とありますので、選択肢は正答となりますね。

しかし選択肢のように「障害等級3級の…」となりますと、法48条1項の「その権利を取得した当時から引き続き障害等級の1級又は2級に該当しない程度の障害の状態にある受給権者に係るものを除く。」という除外要件に当てはまりますので、「従前の障害厚生年金の受給権は消滅しない」が正答となります。


4.誤「1年を経過した日以後であれば」
 正「1年を経過した日以前であっても」

法52条3項からは、厚生労働大臣(改正後は実施機関)による診査を受けた日から起算して1年を経過した日以後に額の改定請求ができるのは、「障害厚生年金の受給権者の障害の程度が増進したことが明らかである場合として厚生労働省令で定める場合を除き」とありますね。

ですから選択肢の場合は、1年経過しなくても額の改定請求ができることになる点をおさえましょう。


5.誤「消滅する」
 正「消滅しない」

法53条2号からは、原則は65歳に達した時に障害厚生年金の受給権が消滅するように解釈できますね。

しかし法53条2号には、「ただし、65歳に達した日において、障害等級に該当する程度の障害の状態に該当しなくなつた日から起算して障害等級に該当する程度の障害の状態に該当することなく3年を経過していないときを除く。」ともあります。

選択肢では63歳の時に支給停止になっていますので、ただし書きの条件に該当し受給権は消滅しないことに気をつけましょう。

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