社会保険労務士の過去問
第48回(平成28年度)
労働者災害補償保険法 問3
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問題
社労士試験 第48回(平成28年度) 択一式 労働者災害補償保険法 問3 (訂正依頼・報告はこちら)
通勤災害に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- 商店が閉店した後は人通りがなくなる地下街入口付近の暗いところで、勤務先からの帰宅途中に、暴漢に後頭部を殴打され財布をとられたキャバレー勤務の労働者が負った後頭部の裂傷は、通勤災害と認められる。
- 会社からの退勤の途中に、定期的に病院で、比較的長時間の人工透析を受ける場合も、終了して直ちに合理的経路に復した後については、通勤に該当する。
- 午前の勤務を終了し、平常通り、会社から約30メートルのところにある自宅で昼食を済ませた労働者が、午後の勤務に就くため12時45分頃に自宅を出て県道を徒歩で勤務先会社に向かう途中、県道脇に駐車中のトラックの脇から飛び出した野犬に下腿部をかみつかれて負傷した場合、通勤災害と認められる。
- 勤務を終えてバスで退勤すべくバス停に向かった際、親しい同僚と一緒になったので、お互いによく利用している会社の隣の喫茶店に立ち寄り、コーヒーを飲みながら雑談し、40分程度過ごした後、同僚の乗用車で合理的な経路を通って自宅まで送られた労働者が、車を降りようとした際に乗用車に追突され負傷した場合、通勤災害と認められる。
- マイカー通勤をしている労働者が、勤務先会社から市道を挟んだところにある同社の駐車場に車を停車し、徒歩で職場に到着しタイムカードを押した後、フォグライトの消し忘れに気づき、徒歩で駐車場へ引き返すべく市道を横断する途中、市道を走ってきた軽自動車にはねられ負傷した場合、通勤災害と認められる。
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この過去問の解説 (3件)
01
2.比較的長時間の人工透析についても、「病院又は診療所において診察又は治療を受けることその他これに準ずる行為」として、日常生活上必要な行為に含まれます。
3.通勤は1日について1回しか認められないものではなく、昼休みに一度帰宅し、午後に出勤する場合も通勤として認められます。
4.昭和49年11月15日基収1867号により、設問の事例は、「通勤経路を逸脱し又は中断した」行為といえ、「日用品の購入その他これに準ずる日常生活上必要な行為をやむを得ない事由により行うための最少限度のもの」ともいえないので、通勤災害に該当しないとされています。
5.昭和49年6月19日基収1739号により、設問の事例は、通勤とかけ離れた行為ではなく、また、いったん事業場構内に入った後であっても、まだ時間の経過もほとんどないことなどから通勤災害と認められました。
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02
1.正しいです。法7条。S49.基収1276号。設問の災害は被災労働者の挑発行為等、恣意的行為により生じたものではなく、当事者間に怨恨関係があるとする特別な事情なども見出せないことから、通勤災害として認められました。
2.正しいです。法7条3項。通勤途中に病院又は診療所に行くことは「日常生活上必要な行為」に含まれ、設問のような比較的長時間を要する医療を受ける場合でも同様に扱われます。
3.正しいです。法7条2項。S53.基収1172号。設問の災害は、通勤に通常伴う危険が具体化したものと考えられる為、通勤との間に相当因果関係があると認められました。
4.誤りです。法7条。S49基収1867号。設問の被災労働者の行為は、公衆トイレに立ち寄ったり、コンビニ等でタバコや雑誌を購入するような「ささいな行為」には該当せず、「日常生活上必要な行為」とも言えない為、喫茶店への立ち寄り以降は通勤とは認められません。
5.正しいです。法7条2項。S49.基収1739号。設問の行為は、通勤とかけ離れた行為ではなく、時間の経過もほとんどないことなどから通勤災害として認められました。
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03
基収1276号)
2 設問の通りであり、正しいです。日常生活上必要な
行為であって厚生労働省令で定めるもののうち、
「病院又は診療所において診察又は治療を受けること
その他これに準ずる行為」には、設問の人工透析も
含まれるとされています。(法7条)
3 設問の通りであり、正しいです。(昭和53.5.30
基収1172号)
4 誤りです。設問の行為は、通常勤務の途中で行う
ような「ささいな行為」に該当しないため、中断後
の災害には該当せず、通勤災害とは認められません。
(法7条、昭和49.11.15基収1867号)
5 設問の通りであり、正しいです。設問の場合の
負傷は、通勤に起因しています。(昭和49.6.19
基収1739号)
以上のことから、正解は4となります。
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