社会保険労務士の過去問
第48回(平成28年度)
労働者災害補償保険法 問2
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問題
社労士試験 第48回(平成28年度) 択一式 労働者災害補償保険法 問2 (訂正依頼・報告はこちら)
業務起因性に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- 道路清掃工事の日雇い労働者が、正午からの休憩時間中に同僚と作業場内の道路に面した柵にもたれて休憩していたところ、道路を走っていた乗用車が運転操作を誤って柵に激突した時に逃げ遅れ、柵と自動車に挟まれて胸骨を骨折した場合、業務上の負傷と認められる。
- 炭鉱で採掘の仕事に従事している労働者が、作業中泥に混じっているのを見つけて拾った不発雷管を、休憩時間中に針金でつついて遊んでいるうちに爆発し、手の指を負傷した場合、業務上の負傷と認められる。
- 戸外での作業の開始15分前に、いつもと同様に、同僚とドラム缶に薪を投じて暖をとっていた労働者が、あまり薪が燃えないため、若い同僚が機械の掃除用に作業場に置いてあった石油を持ってきて薪にかけて燃やした際、火が当該労働者のズボンに燃え移って火傷した場合、業務上の負傷と認められる。
- 建設中のクレーンが未曽有の台風の襲来により倒壊するおそれがあるため、暴風雨のおさまるのを待って倒壊を防ぐ応急措置を施そうと、監督者が労働者16名に、建設現場近くの、山腹谷合の狭地にひな壇式に建てられた労働者の宿舎で待機するよう命じたところ、風で宿舎が倒壊しそこで待機していた労働者全員が死亡した場合、その死亡は業務上の死亡と認められる。
- 以前にも退勤時に約10分間意識を失ったことのある労働者が、工場の中の2℃の場所で作業している合間に暖を採るためストーブに近寄り、急な温度変化のために貧血を起こしてストーブに倒れ込み火傷により死亡した場合、業務上の死亡と認められる。
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この過去問の解説 (3件)
01
1.正しいです。法7条。S25基災収1252号。設問の場合は、道路清掃工事という容易にその現場を離れることが出来ない業務であり、休憩時間中であっても事業主の支配下にあることから、業務に付随する行為と考えられ業務災害に該当すると考えられます。
2.誤りです。法7条。S27.基災収3907号。設問の不発雷管をつつく行為は積極的な私的行為とされ、業務災害とは認められません。
3.正しいです。法7条。S23基発1485号。設問の災害は、事業場の施設、設備や管理状況などが原因で発生したと考えられる為、業務災害として認められます。
4.正しいです。法7条。S29基収5564号。作業現場で起こった天変地変と相まって発生した災害は、その業務が天変地変による災害を被りやすい業務上の事情があり、業務に伴う危険が現実化したものと考えられる場合は業務災害として扱われます。
5.正しいです。法7条。S38基収2868号。設問の場合は、業務遂行性が認められ、事業場施設の状況その他業務上の事情と相まって発生したものと考えられる為、業務上の災害と認められました。
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02
2.昭和27年12月1日基災収3907号により、設問の事例は、業務付随行為とみるべき行為以外の積極的な私的行為とされています。
3.昭和23年6月1日基発1458号により、設問の事例は、始業前の行為であっても業務起因性が認められています。
4.昭和29年11月24日基収5564号により、設問の事例は、天災地変による災害を被りやすい業務上の事情があって、その事情と相まって発生したものと認められ、業務に伴う危険が現実化して発生したものとして業務起因性が認められています。
5.昭和38年9月30日基収2868号により、設問の事例は、業務遂行性、業務因果性ともに認められています。
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03
基災収1252号)
2 誤りです。設問の場合の負傷は、業務外とされて
います。(昭和27.12.1基災収3907号)
3 設問の通りであり、正しいです。(昭和23.6.1
基発1458号)
4 設問の通りであり、正しいです。(昭和29.11.24
基収5564号)
5 設問の通りであり、正しいです。(昭和38.9.30
基収2868号)
以上のことから、正解は2となります。
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