社会保険労務士の過去問
第48回(平成28年度)
労務管理その他の労働に関する一般常識 問1

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問題

社労士試験 第48回(平成28年度) 択一式 労務管理その他の労働に関する一般常識 問1 (訂正依頼・報告はこちら)

労働契約法等に関する次の記述のうち、正しいものはいくつあるか。


ア  労働契約法第5条は労働者の安全への配慮を定めているが、その内容は、一律に定まるものではなく、使用者に特定の措置を求めるものではないが、労働者の職種、労務内容、労務提供場所等の具体的な状況に応じて、必要な配慮をすることが求められる。

イ  労働契約は、労働者が使用者に使用されて労働し、使用者がこれに対して賃金を支払うことについて、労働者及び使用者が必ず書面を交付して合意しなければ、有効に成立しない。

ウ  いわゆる在籍出向においては、就業規則に業務上の必要によって社外勤務をさせることがある旨の規定があり、さらに、労働協約に社外勤務の定義、出向期間、出向中の社員の地位、賃金、退職金その他の労働条件や処遇等に関して出向労働者の利益に配慮した詳細な規定が設けられているという事情の下であっても、使用者は、当該労働者の個別的同意を得ることなしに出向命令を発令することができないとするのが、最高裁判所の判例である。

エ  使用者は、期間の定めのある労働契約について、やむを得ない事由がある場合でなければ、その契約期間が満了するまでの間において、労働者を解雇することができないが、「やむを得ない事由」があると認められる場合は、解雇権濫用法理における「客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合」以外の場合よりも狭いと解される。

オ  労働契約法は、使用者が同居の親族のみを使用する場合の労働契約及び家事使用人の労働契約については、適用を除外している。
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この過去問の解説 (3件)

01

正解:2(二つ)

ア、正しいです。労働契約法5条、H24基発1026第1号。設問の通りです。

イ、誤りです。同法6条、H24基発1026第1号。「書面の交付」は必ずしも労働契約成立の条件とはなりません。

ウ、誤りです。同法14条、最判H15新日本製鐵(日鐵運輸)。設問の場合は、労働者の同意がなくても出向命令を行うことが可能です。

エ、正しいです。同法17条、H24基発1026第1号。設問の通りです。

オ、誤りです。同法22条2項。労働基準法と異なり、「家事使用人」の労働契約は適用の範囲内となります。「同居の親族」に関しては適用外です。

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02

ア.使用者に求められている「必要な配慮」とは、一律に定まるものではなく、使用者に特定の措置を求めるものではないが、労働者の職種、労務内容、労務提供場所等の具体的な状況に応じて、必要な配慮をすることが求められるものであることとされている、とされています。

イ.労働契約が成立するためには、書面の交付までは要求されていません。

ウ.設問文のような条件を整えれば、使用者は、当該労働者の個別的同意を得ることなしに出向命令を発令することができるものとされています。

エ.契約期間は労働者及び使用者が合意により決定したものであり、遵守されるべきものであることから、「やむを得ない事由」があると認められる場合は、解雇権濫用法理における「客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合」以外の場合よりも狭いと解されるものとされています。

オ.同居の親族のみを使用する場合は適用除外となりますが、家事使用人については適用除外とはなりません。

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03

ア 設問の通りであり、正しいです。(労働契約法5条)
イ 誤りです。労働契約は、労働者が使用者に使用されて
  労働し、使用者がこれに対し賃金を支払うことによって、
  労働者及び使用者が合意することによって成立し、必ずしも
  書面を交付することまでは求められていません。
 (労働契約法6条)
ウ 誤りです。設問の場合、使用者は、労働者の個別的同意を
  得なくても出向命令を発令することができます。
 (労働契約法14条、新日本製鐵事件・最二小判平成15.4.18)
エ 設問の通りであり、正しいです。
 (労働契約法17条、平成20.1.23基発0123004)
オ 誤りです。家事使用人は、労働契約法が適用されます。
 (労働契約法22条)

以上のことから、正しいものはア・エの二つであり
正解は2となります。

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