社会保険労務士の過去問
第49回(平成29年度)
厚生年金保険法 問2
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問題
社労士試験 第49回(平成29年度) 択一式 厚生年金保険法 問2 (訂正依頼・報告はこちら)
厚生年金保険法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- 第1号厚生年金被保険者を使用する事業主が、正当な理由がなく厚生年金保険法第27条の規定に違反して、厚生労働大臣に対し、当該被保険者に係る報酬月額及び賞与額に関する事項を届け出なければならないにもかかわらず、これを届け出なかったときは、6か月以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する旨の罰則が定められている。
- 昭和27年4月2日生まれの遺族厚生年金の受給権者が65歳に達し、老齢厚生年金の受給権を取得した場合、当該遺族厚生年金は、当該老齢厚生年金の額( 加給年金額が加算されている場合は、その額を除く。)に相当する部分の支給が停止される。
- 第1号厚生年金被保険者に係る厚生労働大臣による保険料の滞納処分に不服がある者は社会保険審査官に対して、また、第1号厚生年金被保険者に係る脱退一時金に関する処分に不服がある者は社会保険審査会に対して、それぞれ審査請求をすることができる。
- 政府等は、第三者の行為によって生じた事故により保険給付を行ったときは、その給付の価額の限度で、受給権者が第三者に対して有する損害賠償の請求権を取得する。また、政府等は、受給権者が当該第三者から同一の事由について損害賠償を受けたときは、その価額の限度で、保険給付をしないことができる。
- 障害の程度が障害等級3級に該当する者に支給される障害厚生年金の額は、障害等級2級に該当する者に支給される障害基礎年金の額に4分の3を乗じて得た額( その額に50円未満の端数が生じたときは、これを切り捨て、50円以上100円未満の端数が生じたときは、これを100円に切り上げるものとする。)に満たないときは、当該額とされる。
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この過去問の解説 (3件)
01
2.いわゆる「先充て」と呼ばれるものです。遺族厚生年金90万円、老齢厚生年金60万円の受給権を取得したとすると、老齢厚生年金は満額の60万円が支給され、遺族厚生年金は30万円(90万円ー60万円)が支給されることになります。
3.厚生労働大臣による保険料の滞納処分に不服がある者は「社会保険審査会」に対して審査請求をすることができます。
後段は正しいです。
4.厚生年金保険法第40条に、「政府等は、事故が第三者の行為によって生じた場合において、保険給付をしたときは、その給付の価額の限度で、受給権者が第三者に対して有する損害賠償の請求権を取得する。」「受給権者が、当該第三者から同一の事由について損害賠償を受けたときは、政府等は、その価額の限度で、保険給付をしないことができる。 」と規定されています。
5.厚生年金保険法第50条第3項に、「障害厚生年金の給付事由となった障害について国民年金法による障害基礎年金を受けることができない場合において、障害厚生年金の額が障害等級2級に該当する者に支給される障害基礎年金の額に4分の3を乗じて得た額に満たないときは、当該額を障害厚生年金の額とする。」と規定されています。
つまり、障害基礎年金2級の4分の3に相当する額を下回ることはないということになります。
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02
1.正しい
設問の通り、この場合の罰則は、6か月以下の懲役又は50万円以下の罰金となります。(法102条1号)
2.正しい
設問の通り、老齢厚生年金の受給権を取得した場合は、当該遺族厚生年金は、当該老齢厚生年金の額に相当する部分の支給を停止されます。
(法64条の2、法60条1号2号)
3.誤り
第1号厚生年金被保険者に係る厚生労働大臣による保険料の滞納処分に不服がある者は、「社会保険審査会」に対して審査請求をすることができます。(法91条1項、法附則29条6項)
4.正しい
設問の通り、政府等が第三者行為によって生じた事故により保険給付を行ったときは、その給付の価額の限度で第三者に対する損害賠償請求権を取得し、政府等が当該第三者から同一の事由について損害賠償を受けたときは、その価額の限度で、保険給付をしないことができます。
(法32条、法40条)
5.正しい
障害の程度が障害等級3級に該当する者に支給される障害厚生年金の額は、障害等級2級に該当する者に支給される障害基礎年金の額に4分の3を乗じて得た額(100円未満四捨五入)に満たないときは、当該額とされます。(法50条3項)
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03
確認しておいてください!(法27条、102条1号)
2 設問の通りであり、正しいです。支給停止についての設問です。
(法64条の2、60条1項2号カッコ書)
3 誤りです。第1号厚生年金被保険者に係る厚生労働大臣による保
険料の滞納処分に不服がある者は「社会保険審査会に対して」、
審査請求をすることができます。(法91条1項、法附則29条6項)
4 設問の通りであり、正しいです。(法40条)
5 設問の通りであり、正しいです。障害厚生年金の額についての
設問です。「障害等級2級の障害基礎年金の額×4分の3(満たな
いときは当該額)」ということ、また、端数処理についても確
認しておいてください!(法50条3項)
以上のことから、正解は3となります。
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