社会保険労務士の過去問
第50回(平成30年度)
労働基準法及び労働安全衛生法 問10

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問題

社労士試験 第50回(平成30年度) 択一式 労働基準法及び労働安全衛生法 問10 (訂正依頼・報告はこちら)

労働安全衛生法第66条の10に定める医師等による心理的な負担の程度を把握するための検査( 以下本問において「ストレスチェック」という。)等について、誤っているものは次のうちどれか。
  • 常時50人以上の労働者を使用する事業者は、常時使用する労働者に対し、1年以内ごとに1回、定期に、ストレスチェックを行わなければならない。
  • ストレスチェックの項目には、ストレスチェックを受ける労働者の職場における心理的な負担の原因に関する項目を含めなければならない。
  • ストレスチェックの項目には、ストレスチェックを受ける労働者への職場における他の労働者による支援に関する項目を含めなければならない。
  • ストレスチェックの項目には、ストレスチェックを受ける労働者の心理的な負担による心身の自覚症状に関する項目を含めなければならない。
  • ストレスチェックを受ける労働者について解雇、昇進又は異動に関して直接の権限を持つ監督的地位にある者は、検査の実施の事務に従事してはならないので、ストレスチェックを受けていない労働者を把握して、当該労働者に直接、受検を勧奨してはならない。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解:5

1:正
常時50人以上の労働者を使用する事業者は、定期的にストレスチェックを実施しなければなりません。
常時50人未満の事業者については、当分の間「ストレスチェックを行うよう努めなければならない」(努力義務)とされています。

2:正
ストレスチェックの検査項目には、「職場における労働者の心理的な負担の原因」「労働者の心理的な負担による心身の自覚症状」「他の労働者による当該労働者への支援」に関する項目を含む必要があります。

3:正
「他の労働者による支援」に関する項目は、ストレスチェックの検査項目に含める必要があるので、設問の通りです。

4:正
「労働者の心理的な負担による心身の自覚症状」に関する項目は、ストレスチェックの検査項目に含める必要があるので、設問の通りです。

5:誤
監督的地位にある者は、ストレスチェックにおける労働者の直接的な健康情報を取り扱う事務に従事してはなりません。
従って、受検の勧奨をすること自体は差し支えないとされています。

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02

★ここ数年以内の改正事項ですので、普通に試験対策を重ねてきた受験生には、容易に回答できる問題だったと思います。また、仕事でストレスチェックを扱っている受験生(企業の総務担当者等)には、肢1~4が正であることも明らかです。ただ、本試験で緊張して「ど忘れ」してしまうこともあります。そういう人は、肢5の解説を読んでください。肢5が誤りであることは、細かい論点まで勉強していなくても分かります★


1 . :正
 常時50人以上=義務、常時50人未満=努力義務です。定期健康診断は人数規模に関わらず実施義務がありますが、ストレスチェックは50人が分かれ目です。
条文:安衛法13条、同66条の10、同附則4条

2 . :正
 安衛法52条の9 第1号。設問のとおりです。

3 . :正
 安衛法52条の9 第3号。設問のとおりです。

4 . :正
 安衛法52条の9 第2号。設問のとおりです。

5 . :誤
 監督的地位にあるものが検査の実施の事務に従事してはならない、との明文規定があります(安衛法52条の10 第2項)。しかし、ストレスチェックに限らず健康診断全般において言えることですが、対象者全員に受検・受診してもらうことが法の趣旨ですので、「受検を勧奨してはならない」という表現が間違いであることは明らかです。

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03

解説は以下のとおりです。

選択肢1. 常時50人以上の労働者を使用する事業者は、常時使用する労働者に対し、1年以内ごとに1回、定期に、ストレスチェックを行わなければならない。

【正誤】正しい記述です。

【根拠条文等】労働安全衛生法第66条の10第1項,労働安全衛生法附則第4条,労働安全衛生規則第52条の9

【ポイント・考え方】

 設問文のような規定がある点を一度理解しておけばよいでしょう。

【学習・実務でのワンポイント】

 ストレスチェックや健康診断等、事業者が労働者に対し行う事項は、基本的に1年以内ごとに1回行うものであると理解しておきましょう。

選択肢2. ストレスチェックの項目には、ストレスチェックを受ける労働者の職場における心理的な負担の原因に関する項目を含めなければならない。

【正誤】正しい記述です。

【根拠条文等】労働安全衛生規則第52条の9第1号

【ポイント・考え方】

 ストレスチェックは、「労働者がメンタルヘルス不調となることを未然に防止すること」(厚生労働省指針)が目的ですので、設問文のような項目を含めなければならない点は、適切である(正しい)と判断できるかと思います。

【学習・実務でのワンポイント】

 ストレスチェックは、その項目もさることながら、回答者の回答内容の漏洩防止や、回答内容による不利益がないよう細心の取り扱いをすべきである点は、いうまでもありません。

選択肢3. ストレスチェックの項目には、ストレスチェックを受ける労働者への職場における他の労働者による支援に関する項目を含めなければならない。

【正誤】正しい記述です。

【根拠条文等】労働安全衛生規則第52条の9第3号

【ポイント・考え方】

 ストレスチェックは、「労働者がメンタルヘルス不調となることを未然に防止すること」(厚生労働省指針)が目的ですので、設問文のような項目を含めなければならない点は、適切である(正しい)と判断できるかと思います。

【学習・実務でのワンポイント】

 ストレスチェックは、その項目もさることながら、回答者の回答内容の漏洩防止や、回答内容による不利益がないよう細心の取り扱いをすべきである点は、いうまでもありません。

選択肢4. ストレスチェックの項目には、ストレスチェックを受ける労働者の心理的な負担による心身の自覚症状に関する項目を含めなければならない。

【正誤】正しい記述です。

【根拠条文等】労働安全衛生規則第52条の9第2号

【ポイント・考え方】

 ストレスチェックは、「労働者がメンタルヘルス不調となることを未然に防止すること」(厚生労働省指針)が目的ですので、設問文のような項目を含めなければならない点は、適切である(正しい)と判断できるかと思います。

【学習・実務でのワンポイント】

 ストレスチェックは、その項目もさることながら、回答者の回答内容の漏洩防止や、回答内容による不利益がないよう細心の取り扱いをすべきである点は、いうまでもありません。

選択肢5. ストレスチェックを受ける労働者について解雇、昇進又は異動に関して直接の権限を持つ監督的地位にある者は、検査の実施の事務に従事してはならないので、ストレスチェックを受けていない労働者を把握して、当該労働者に直接、受検を勧奨してはならない。

【正誤】誤った記述です。

【根拠条文等】労働安全衛生規則第52条の10第2項,平成27年5月1日基発0501第3号

【ポイント・考え方】

 ストレスチェックの受検は、労働者にとって必要かつ有用であると考えられます。

 (少なくともデメリットよりもメリットの方が大きいと考えられます)

 このような対応(勧奨)は、監督的地位にあるものであっても必要で望ましいことだと考えられます。

 よって、そのような勧奨を「してはならない」と記述されている本設問文は、誤りであると指摘することが可能だと思います。

【学習・実務でのワンポイント】

 ストレスチェックは、その項目もさることながら、回答者の回答内容の漏洩防止や、回答内容による不利益がないよう細心の取り扱いをすべきである点は、いうまでもありません。

まとめ

【全体総括】

 本設問は、特に知識がなくとも一般常識的な判断力と読解力で、正誤を判断することが可能な問題であると判断します。

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