社会保険労務士の過去問
第50回(平成30年度)
労働者災害補償保険法 問4

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問題

社労士試験 第50回(平成30年度) 択一式 労働者災害補償保険法 問4 (訂正依頼・報告はこちら)

労災保険に関する次の記述のうち、誤っているものはいくつあるか。

ア  労災保険法に基づく遺族補償年金を受ける権利を有する者が死亡した場合において、その死亡した者に支給すべき遺族補償年金でまだその者に支給しなかったものがあるときは、当該遺族補償年金を受けることができる他の遺族は、自己の名で、その未支給の遺族補償年金の支給を請求することができる。
イ  労災保険法に基づく遺族補償年金を受ける権利を有する者が死亡した場合において、その死亡した者が死亡前にその遺族補償年金を請求していなかったときは、当該遺族補償年金を受けることができる他の遺族は、自己の名で、その遺族補償年金を請求することができる。
ウ  労災保険法に基づく保険給付を受ける権利を有する者が死亡し、その者が死亡前にその保険給付を請求していなかった場合、未支給の保険給付を受けるべき同順位者が2人以上あるときは、その1人がした請求は、全員のためその全額につきしたものとみなされ、その1人に対してした支給は、全員に対してしたものとみなされる。
エ  労災保険法又は同法に基づく政令及び厚生労働省令に規定する期間の計算については、同省令において規定された方法によることとされており、民法の期間の計算に関する規定は準用されない。
オ  試みの使用期間中の者にも労災保険法は適用される。
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この過去問の解説 (3件)

01

正解:1(一つ)

ア:正
遺族補償年金の受給権者が死亡した場合、未支給分は新たに受給権者となった他の遺族が「自己の名」で請求できます。

イ:正
死亡した受給権者が保険給付を請求していなかった場合であっても、新しい受給権者が「自己の名」で請求できます。

ウ:正
未支給の保険給付の受給権者の同順位者が複数いる場合、その内1人が請求したものは「全員のためその全額」についてしたものとみなされます。

エ:誤
期間の計算においては、民法の期間の計算に関する規定が準用されるので設問は誤りです。

オ:正
労災保険法の適用対象労働者は、労働基準法の場合と同様です。
従って、使用期間中の者の他、アルバイト、パート、臨時雇い、日雇労働者等であっても労災保険法の適用労働者に該当します。

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02

設問文ア.について

【正誤】正しい記述です。

【根拠条文等】労働者災害補償保険法第11条1項

【ポイント・考え方】

 遺族補償年金は、簡単にいうと、業務上の災害により死亡した労働者に生計を維持されていた親族に支給されるものであり、当該生計を維持されていた者の生活保障の目的があることから、後順位者の遺族は、当該未支給分を請求できると理解しておくとよいでしょう。

 これを「自己の名で」行える点もポイントです。

【学習・実務でのワンポイント】

 同様の規定は国民年金法における遺族基礎年金、厚生年金保険法における遺族厚生年金にもあるので、遺族の範囲・条件等とあわせて、関連させて整理しておくとよいでしょう。

設問文イ.について

【正誤】正しい記述です。

【根拠条文等】労働者災害補償保険法第11条2項

【ポイント・考え方】

 設問文ア.と同様の目的から(死亡労働者に生計を維持されていた者の生活保障のため)、後順位者の遺族は、当該未請求の年金を請求できると理解しておくとよいでしょう。

 これを「自己の名で」行える点もポイントです。

【学習・実務でのワンポイント】

 前設問文ア.のワンポイントと同様です。

設問文ウ.について

【正誤】正しい記述です。

【根拠条文等】労働者災害補償保険法第11条4項

【ポイント・考え方】

 保険給付の支給にかかる事務処理の簡易化(同順位者間の按分の手間の排除など)等をねらいとして、このような規定があると理解しておくとよいでしょう。

【学習・実務でのワンポイント】

 労災保険法以外の社会保険各法においても、保険給付に関して同様の規定があるので、あわせて理解しておくとよいでしょう。

設問文エ.について

【正誤】誤った記述です。

【根拠条文等】労働者災害補償保険法第43条

【ポイント・考え方】

 期間の計算を各法令にてバラバラに規定・適用するのは煩雑であり不公平となる場合も発生しうることから、一般法である民法の規定が適用(準用)されると理解しておくとよいでしょう。

【学習・実務でのワンポイント】

 設問文のように、ごく一般的な事項については、同様の規定(上位法・特別法に対する一般法の規定を準用する)がある場合がある点を知っておくとよいでしょう。

設問文オ.について

【正誤】正しい記述とします。

【根拠条文等】労働基準法第9条、労働者災害補償保険法第3条

【ポイント・考え方】

 試みの使用期間中であっても、使用される事業が国の直営事業や官公署の事業以外であり(いわゆる民間企業等であり)、使用者の指揮監督下にあり、賃金が支払われる人であれば、業務災害や通勤災害においては、労災保険法が適用されます。

 雇用の形態(正社員か否か等)は、労災保険法の適用にあたり基本的に影響しないと理解しておくとよいでしょう。

【学習・実務でのワンポイント】

 本設問文は、記載が少なすぎ、正しいと言い切るには条件等の追記が必要だと感じられ、この1文のみを設問文とする出題方法には、筆者は疑問を感じます。

選択肢1. 一つ

【正しい選択肢】

正しい選択肢は、一つ となります。

参考になった数11

03

正解は1(一つ)です。
1.正しい
設問の通り、当該遺族補償年金を受けることができる他の遺族は、自己の名で、その未支給の遺族補償年金の支給を請求することができます。(法11条1項)
2.正しい
設問の通り、その死亡した者が死亡前にその遺族補償年金を請求していなかったときにも、当該遺族補償年金を受けることができる他の遺族は、自己の名で、
その未請求の遺族補償年金の支給を請求することができます。(法11条2項)
3.正しい
設問の通り、その1人がした請求は、全員のためその全額につきしたものとみなされ、その1人に対してした支給は全員に対してしたものとみなされます。
(法11条4項)
4.誤り
労災保険法又は同法に基づく政令及び厚生労働省令に規定する期間の計算については、民法の期間の計算に関する規定が準用されます。(法43条)
5.正しい
設問の通り、試みの使用期間中の者にも労災保険法は適用されます。
(法3条1項)

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