社会保険労務士の過去問
第51回(令和元年度)
労働基準法及び労働安全衛生法 問4
このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。
問題
社労士試験 第51回(令和元年度) 択一式 労働基準法及び労働安全衛生法 問4 (訂正依頼・報告はこちら)
労働基準法に定める労働契約等に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 労働契約の期間に関する事項は、書面等により明示しなければならないが、期間の定めをしない場合においては期間の明示のしようがないので、この場合においては何ら明示しなくてもよい。
- 中小企業等において行われている退職積立金制度のうち、使用者以外の第三者たる商店会又はその連合会等が労働者の毎月受けるべき賃金の一部を積み立てたものと使用者の積み立てたものを財源として行っているものについては、労働者がその意思に反してもこのような退職積立金制度に加入せざるを得ない場合でも、労働基準法第18条の禁止する強制貯蓄には該当しない。
- 使用者は、女性労働者が出産予定日より6週間(多胎妊娠の場合にあっては、14週間)前以内であっても、当該労働者が労働基準法第65条に基づく産前の休業を請求しないで就労している場合は、労働基準法第19条による解雇制限を受けない。
- 使用者は、労働者を解雇しようとする場合においては、少なくとも30日前にその予告をしなければならないが、予告期間の計算は労働日で計算されるので、休業日は当該予告期間には含まれない。
- 使用者は、労働者が自己の都合により退職した場合には、使用期間、業務の種類、その事業における地位、賃金又は退職の事由について、労働者が証明書を請求したとしても、これを交付する義務はない。
正解!素晴らしいです
残念...
この過去問の解説 (3件)
01
1:誤り
労働契約の期間に関する事項の明示について、期間の定めがない労働契約を締結した場合は「期間の定めがない旨」を明示しなければならないので誤りになります。
2:誤り
設問の退職積立金制度は、労働者の金銭をその委託を受けて保管、管理する貯蓄金と考えられるので、労働者がその意思に反して退職積立金制度に加入せざるを得ない場合、労働契約に附随する貯蓄の契約と解され、法18条の禁止する強制貯金に該当することになるため誤りになります。
3:正しい
そのとおり正しい設問になります。
4:誤り
予告期間の計算については「労働日」ではなく「暦日」で計算されるため、その間に休日や休業日があっても延長されず、当該予告期間に含めるものとされているので誤りになります。
5:誤り
退職時の証明は、退職理由の如何を問わず労働者から請求があった場合に交付しなければならないものとされている為、設問の「労働者が自己の都合により退職した場合」であっても労働者から請求があった場合、使用者は交付する義務があるので誤りとなります。
参考になった数35
この解説の修正を提案する
02
1:誤
期間の定めのない労働契約である旨を明示する必要があります。設問のように「明示しなくてよい」となると労働者に分かりにくくなります。明示義務を定めた法の趣旨から容易に判断できる肢です(労働基準法施行規則第5条)。
2:誤
強制貯金に関する出題です(労働基準法第18条)。
句読点が少なくて日本語が分かりにくい設問ですが、「労働者の毎月受けるべき賃金の一部を積み立てたもの」と「使用者の積み立てたもの」とを財源として、使用者以外の第三者が運用し将来の退職金に充てる積立制度、と読み取れます。
老後の備えとしての退職金は労働者にとってありがたいことですけど、当該労働者の意思に反しているものは18条に抵触します。実務上は、労働者に説明し、同意してもらって申込書を書いてもらう、これが普通です。
3:正
解雇制限の適用は、労働基準法第19条に「・・・産前産後の女性が第六十五条の規定によつて休業する期間及びその後三十日間・・・」とあるとおり、「休業する」ことが要件です。休業していなければ解雇制限は適用されず解雇可能です(設問のとおり)。
念のため、産前休業は第65条1項に「・・・六週間(多胎妊娠の場合にあつては、十四週間)以内に出産する予定の女性が休業を請求した場合においては・・・」とあるとおり、女性の「請求」が要件です。請求しなければ休業させなくてもOKです。これも設問と合致しています。
4:誤
条文には「少なくとも30日前」と書いてあるだけで「労働日」とは書いていません。素直に解釈すれば、休業日も含めて単純に30日以上の予告「期間」を置けばOKです(労働基準法第20条)。
5:誤
退職時の証明に関する出題です(労働基準法第22条各号)。
まず同条第1項で「労働者が、退職の場合において・・・使用者は、遅滞なくこれを交付しなければならない」と定められていますので、退職の事由(自己都合退職か解雇か)を問わず、労働者が請求すれば使用者は交付しなければなりません。
退職の事由が証明書発行の要否に影響する条文は、次の同条第2項です。「労働者が、第二十条第一項の解雇の予告がされた日から退職の日までの間において、当該解雇の理由について証明書を請求した場合においては、使用者は、遅滞なくこれを交付しなければならない。ただし、解雇の予告がされた日以後に労働者が当該解雇以外の事由により退職した場合においては、使用者は、当該退職の日以後、これを交付することを要しない」とあります。解雇の理由についての証明書を請求しても解雇以外の事由(設問の自己都合)で退職した場合、使用者は証明書を発行する必要がない、という条文です。
設問は、同条第1項と第2項を混ぜこぜにしたひっかけ問題です。
参考になった数20
この解説の修正を提案する
03
正解は、 3 です。
1 間違いです。
期間の定めがない場合でも、期間の定めがない事を
明示します。
「期間の定めのある労働契約の場合は、その期間
期間がない労働契約の場合は、その旨を明示
しなければならない」とされています。
2 間違いです。
該当します。
強制貯蓄に該当します。
労働者が、その意思に反しては、
労働基準法18条の禁止する、強制貯蓄になります。
3 正解です。
就業不能の状態では、解雇を防ぐことが必要です。
「休業を請求せず引き続き就労している場合は、
解雇制限期間には、なりません。」
4 間違いです。
労働日でなく、歴日数で計算します。
30日は、休日も含みます。
5 間違いです。
退職時の証明は、離職理由に問わず、
交付義務があります。
自己都合により退職した場合にも
遅滞なくこれを交付しなければならない
です。
参考になった数4
この解説の修正を提案する
前の問題(問3)へ
第51回(令和元年度)問題一覧
次の問題(問5)へ