社会保険労務士の過去問
第51回(令和元年度)
社会保険に関する一般常識 問4
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問題
社労士試験 第51回(令和元年度) 択一式 社会保険に関する一般常識 問4 (訂正依頼・報告はこちら)
社会保険制度の保険者及び被保険者等に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- A県A市に住所を有していた介護保険の第2号被保険者(健康保険の被扶養者)が、B県B市の介護保険法に規定する介護保険施設に入所することとなり住民票を異動させた。この場合、住所地特例の適用を受けることはなく、住民票の異動により介護保険の保険者はB県B市となる。
- 国民健康保険に加入する50歳の世帯主、45歳の世帯主の妻、15歳の世帯主の子のいる世帯では、1年間保険料を滞納したため、世帯主は、居住する市から全員の被保険者証の返還を求められ、被保険者証を返還した。この場合は、その世帯に属する被保険者全員に係る被保険者資格証明書が交付される。
- 船員保険の被保険者であった者が、74歳で船員保険の被保険者資格を喪失した。喪失した日に保険者である全国健康保険協会へ申出をし、疾病任意継続被保険者となった場合、当該被保険者は、75歳となっても後期高齢者医療制度の被保険者とはならず、疾病任意継続被保険者の資格を喪失しない。
- A県A市に居住していた国民健康保険の被保険者が、B県B市の病院に入院し、住民票を異動させたが、住所地特例の適用を受けることにより入院前のA県A市が保険者となり、引き続きA県A市の国民健康保険の被保険者となっている。その者が入院中に国民健康保険の被保険者から後期高齢者医療制度の被保険者となった場合は、入院前のA県の後期高齢者医療広域連合が行う後期高齢者医療の被保険者となるのではなく、住民票上のB県の後期高齢者医療広域連合が行う後期高齢者医療の被保険者となる。
- A県A市に住所を有する医療保険加入者(介護保険法に規定する医療保険加入者をいう。以下同じ。)ではない60歳の者は、介護保険の被保険者とならないが、A県A市に住所を有する医療保険加入者ではない65歳の者は、介護保険の被保険者となる。なお、介護保険法施行法に規定する適用除外に関する経過措置には該当しないものとする。
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この過去問の解説 (3件)
01
1:誤り
設問の者の介護保険の保険者は「B県B市」ではなく「A県A市」になりますので、誤りになります。
介護保険法13条1項では「介護保険施設等の住所地特例対象施設に入所等をすることにより当該施設の所在する場所に住所を変更したと認められる被保険者であって、当該施設に入所等をした際他の市町村(当該施設が所在する市町村以外の市町村をいう。)の区域内に住所を有していたと認められるものは、法9条の介護保険の被保険者にかかわらず、当該他の市町村が行う介護保険の被保険者とされる」と規定されています。この「他の市町村」とは、「施設に住所を移す前の市町村」のことを指しており、設問の場合は「A県A市」のことになります。
2:誤り
設問の場合は、「その世帯に属する被保険者全員に係る被保険者資格証明書が交付される」のではなく「50歳の世帯主、45歳の世帯主の妻に対しては「被保険者資格証明書」が交付され、15歳の世帯主の子には「被保険者証」が交付される」ので、誤りになります。
なお、この15歳の世帯主の子に交付される被保険者証には6か月の有効期間が設けられています。
3:誤り
設問の者は、75歳になったときに疾病任意継続被保険者の資格を喪失し、後期高齢者医療制度の被保険者になりますので、誤りになります。
すべての医療保険の被保険者等は、後期高齢者医療の被保険者等となった時は、その日に、資格を喪失するとされています。
4:誤り
設問の者は、1の設問肢と同様に、住所地特例の適用を受け「住民票上のB県の後期高齢者医療広域連合が行う後期高齢者医療の被保険者」ではなく「入院前のA県の後期高齢者医療広域連合が行う後期高齢者医療の被保険者」になりますので、誤りになります。
5:正しい
設問のとおり、正しい内容になります。
介護保険の被保険者となるのは、①又は②に該当する者です。
①第1号被保険者:市町村の区域内に住所を有する65歳以上の者
②第2号被保険者:市町村の区域内の住所を有する40歳以上65歳未満の医療保険加入者
設問前半の者は、60歳ですので②に該当しますが、医療保険加入者ではないので介護保険の被保険者にはならず、設問後半の者は、①に該当しますが、①は「医療保険加入者」という要件はありませんので、介護保険の被保険者になります。
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02
1 「住所地特例の適用を受けることはなく」ではなく、住所地特例の適用を受けることとなり保険者はA県A市となるので、誤りです。
引き続き前のところで被保険者でい続けられますということです。
2 「被保険者全員に」のところが誤りです。
設問の15歳の子には、18歳の到達年度末までは有効期間6ヶ月とする被保険者証が交付されます。親のせいで子どもが巻き添えをくらうのはかわいそうだということで、高校生が終わるまではこれまで通り現物給付で面倒を見てあげようという考え方です。
3 疾病任意継続被保険者は後期高齢者医療の被保険者等となったときはその日に資格を喪失するので、誤りです。
ただし、いわゆる普通の船員保険の被保険者は、後期高齢者医療の被保険者等となっても喪失しないため、注意が必要です。
4 設問1と同様の考え方になるので、誤りです。
従前住所地市町村の加入する後期高齢者広域連合が行う後期高齢者医療の被保険者とされます。
5 設問の通り正しいです。
第1号被保険者:市町村の区域内に住所を有する65歳以上の者
第2号被保険者:市町村の区域内の住所を有する40歳以上65歳未満の医療保険加入者
設問の前者は、もし介護保険の被保険者となりたいなら、これから会社勤め等をして健康保険に加入するか、又は65歳まであと5年待つかどちらか選びなさい、という考え方になります。
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03
正解:5
1:設問の場合、住所地特例により「B県B市」ではなく「A県A市」が保険者となります(介護保険法第13条第1項)。
なお、介護保険施設の他に、特定施設や養護老人ホームもこの特例の対象となります。
2:設問の場合、返還を求められるのは、「全員の被保険者証」ではなく「原爆一般疾病医療費の支給等を受けることができる者及び18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある者を除いた者の被保険者証」です(介護保険法第9条第6項)。そのため、「15歳の者」については被保険者証の返還は求められません。
世帯主が保険料を滞納していても、18歳の年度末までは国民健康保険に加入できることになっています。
3:後期高齢者医療の被保険者となった場合は、例外なく船員保険の疾病任意継続被保険者の資格を喪失します(船員保険法第14条第6号)。
この場合、資格喪失日はそれに至った「翌日」ではなく「その日」です。また、船員保険の被保険者の資格の取得及び喪失は、厚生労働大臣の確認によってその効力を生じますが、疾病任意継続被保険者の資格の取得及び喪失はこの限りではありません(同法第15条第1項)。
4:住所地特例により設問の場合は「A県の後期高齢者医療広域連合が行う後期高齢者医療の埔被保険者」となります(高齢者医療確保法第55条第1項)。
5:設問の通りです(介護保険法第9条)。
介護保険の被保険者は、①65歳以上の者(第一号被保険者)か②40歳以上65歳未満の医療保険加入者(第二号被保険者)です。65歳以上の者は、医療保険加入者でなくても、介護保険の被保険者となります。
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