社会保険労務士の過去問
第52回(令和2年度)
労働基準法及び労働安全衛生法 問2
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問題
社労士試験 第52回(令和2年度) 択一式 労働基準法及び労働安全衛生法 問2 (訂正依頼・報告はこちら)
労働基準法に定める監督機関及び雑則に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 労働基準法第106条により使用者に課せられている法令等の周知義務は、労働基準法、労働基準法に基づく命令及び就業規則については、その要旨を労働者に周知させればよい。
- 使用者は、労働基準法第36条第1項(時間外及び休日の労働)に規定する協定及び同法第41条の2第1項(いわゆる高度プロフェッショナル制度に係る労使委員会)に規定する決議を労働者に周知させなければならないが、その周知は、対象労働者に対してのみ義務付けられている。
- 労働基準監督官は、労働基準法違反の罪について、刑事訴訟法に規定する司法警察官の職務を行うほか、労働基準法第24条に定める賃金並びに同法第37条に定める時間外、休日及び深夜の割増賃金の不払については、不払をしている事業主の財産を仮に差し押さえる職務を行う。
- 労働基準法及びこれに基づく命令に定める許可、認可、認定又は指定の申請書は、各々2通これを提出しなければならない。
- 使用者は、事業を開始した場合又は廃止した場合は、遅滞なくその旨を労働基準法施行規則の定めに従い所轄労働基準監督署長に報告しなければならない。
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この過去問の解説 (3件)
01
就業規則については、要旨だけでなくその全部を周知させることが必要です。
2.誤
労働基準法に基づく労使協定及び労使委員会の決議の周知義務を、対象労働者に限って課すとする規定はありません。
なお、労働者に周知させる方法は次のように定められています。
・常時各作業場の見やすい場所へ掲示し、又は備え付けること
・書面を交付すること
・磁気テープ、磁気ディスク等に記録し、かつその内容を常時確認できる機器を設置すること
3.誤
労働基準監督官は、刑事訴訟法に規定する司法警察官の職務を行ないますが、事業主の財産を仮に差し押さえる職務を行うことはできません。
4.正
設問の通りです。
5.誤
事業を廃止した場合の報告義務は定められていません。
なお、労働基準法 施行規則第57条によると、次の場合、使用者は所轄労働基準監督署長への報告が必要となります。
・事業を開始した場合
・事業の附属寄宿舎において火災若しくは爆発又は倒壊の事故が発生した場合
・労働者が事業の附属寄宿舎内で負傷し、窒息し、又は急性中毒にかかり、死亡し又は休業した場合
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02
労基法及び同法に基づく命令については要旨を周知すれば足りますが、就業規則については労働者に対する全文の周知義務が使用者に課せられています。
2.誤
労基法106条1項に係る周知義務は、対象労働者に限られていません。
3.誤
労働基準監督官は、労働関係法令に関して、刑事訴訟法に規定する司法警察官の職務を行うことができますが、設問の財産を差し押さえる権限は有していません。
4.正
設問のとおりです。
5.誤
事業を廃止した場合の報告は、規定されていません。
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03
解答:「労働基準法及びこれに基づく命令に定める許可、認可、認定又は指定の申請書は、各々2通これを提出しなければならない。」が正解です。
×
周知義務は、就業規則については、「その全文」を周知しなければいけません。
労働基準法、労働基準法に基づく命令については、要旨を周知すれば差し支えありません。
×
「すべての労働者」に対して周知が義務付けられています。
×
労働基準監督官は、「不払をしている事業主の財産を仮に差し押さえる職務」は行いません。
〇
設問の通りです。許可、認可、認定又は指定の申請書は、「各々2通」提出しなければいけません。
×
事業を開始した場合は「所轄労働基準監督署長に報告」が必要で、廃止した場合は「所轄労働基準監督署長に報告」は必要ありません。
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