社会保険労務士の過去問
第52回(令和2年度)
厚生年金保険法 問7
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問題
社労士試験 第52回(令和2年度) 択一式 厚生年金保険法 問7 (訂正依頼・報告はこちら)
厚生年金保険法に関する次のアからオの記述のうち、誤っているものの組合せは、後記AからEまでのうちどれか。
ア 特定適用事業所に使用される者は、その1週間の所定労働時間が同一の事業所に使用される通常の労働者の1週間の所定労働時間の4分の3未満であって、厚生年金保険法の規定により算定した報酬の月額が88,000円未満である場合は、厚生年金保険の被保険者とならない。
イ 特定適用事業所に使用される者は、その1か月間の所定労働日数が同一の事業所に使用される通常の労働者の1か月間の所定労働日数の4分の3未満であって、当該事業所に継続して1年以上使用されることが見込まれない場合は、厚生年金保険の被保険者とならない。
ウ 特定適用事業所でない適用事業所に使用される特定4分の3未満短時間労働者は、事業主が実施機関に所定の申出をしない限り、厚生年金保険の被保険者とならない。
エ 特定適用事業所に該当しなくなった適用事業所に使用される特定4分の3未満短時間労働者は、事業主が実施機関に所定の申出をしない限り、厚生年金保険の被保険者とならない。
オ 適用事業所以外の事業所に使用される70歳未満の特定4分の3未満短時間労働者については、厚生年金保険法第10条第1項に規定する厚生労働大臣の認可を受けて任意単独被保険者となることができる。
ア 特定適用事業所に使用される者は、その1週間の所定労働時間が同一の事業所に使用される通常の労働者の1週間の所定労働時間の4分の3未満であって、厚生年金保険法の規定により算定した報酬の月額が88,000円未満である場合は、厚生年金保険の被保険者とならない。
イ 特定適用事業所に使用される者は、その1か月間の所定労働日数が同一の事業所に使用される通常の労働者の1か月間の所定労働日数の4分の3未満であって、当該事業所に継続して1年以上使用されることが見込まれない場合は、厚生年金保険の被保険者とならない。
ウ 特定適用事業所でない適用事業所に使用される特定4分の3未満短時間労働者は、事業主が実施機関に所定の申出をしない限り、厚生年金保険の被保険者とならない。
エ 特定適用事業所に該当しなくなった適用事業所に使用される特定4分の3未満短時間労働者は、事業主が実施機関に所定の申出をしない限り、厚生年金保険の被保険者とならない。
オ 適用事業所以外の事業所に使用される70歳未満の特定4分の3未満短時間労働者については、厚生年金保険法第10条第1項に規定する厚生労働大臣の認可を受けて任意単独被保険者となることができる。
- A(アとイ)
- B(アとエ)
- C(イとウ)
- D(ウとオ)
- E(エとオ)
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この過去問の解説 (4件)
01
設問のとおりです。
4分の3基準を満たさない短時間労働者であって、厚生年金保険法の規定により算定した報酬の月額が88,000円未満である場合は、厚生年金保険の被保険者となりません。
イ.正
設問のとおりです。
4分の3基準を満たさない短時間労働者であって、当該事業所に継続して1年以上使用されることが見込まれない場合は、厚生年金保険の被保険者となりません。
ウ.正
設問のとおりです。
なお、特定適用事業所以外の適用事業所の事業主であっても、2分の1以上の同意を得て、実施機関(厚生労働大臣及び日本私立学校振興・共済事業団に限る。)に申出をした場合、特定4分の3未満短時間労働者は厚生年金保険の被保険者となります。
エ.誤
設問の場合、引き続き厚生年金保険の被保険者となります。
なお、当該適用事業所の事業主が、4分の3以上の同意を得て、実施機関に特定適用事業所の不該当の申出をした場合には、申出が受理された日の翌日に被保険者の資格を喪失します。
オ.誤
当分の間、適用事業所以外の事業所に使用される特定4分の3未満短時間労働者については、任意単独被保険者及び適用事業所以外の事業所に使用される高齢任意加入被保険者になることはできないものとされています。
エとオが誤っているので、「5」が正解となります。
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02
厚生年金保険の適用にあたっては、短時間労働者を順次適用拡大していっており、適用事業所の規模等の条件について、順次基準を下げていっている点を理解しておきましょう。
(余談になりますが、現在の国(政府)はそれだけ、年金の原資となる保険料を少しでも集めようと躍起になっている点を、頭の片隅においておくとよいでしょう)
ア.正しい記述です。
本稿執筆時点では、本設問文のとおりです。
なお、厚生年金保険の適用とされない短時間労働者の条件については、今後とも下げる方向に向かうことが想定されるため、本設問文の数値については、今後とも変動に留意しておくとよいでしょう。
イ.誤った記述です。
令和4年10月より、短時間労働者の被保険者資格の取得基準から、「同一の事業所に継続して1年以上使用されることが見込まれること」(1年以上継続使用要件)が削除されています。
今後とも、短時間労働者は適用拡大の方向に向かうことが想定されるため、法律改正情報には留意しておくとよいでしょう。
ア.正しい記述です。
本稿執筆時点では、本設問文のとおりです。
なお、厚生年金保険の適用とされない短時間労働者の条件については、今後とも下げる方向に向かうことが想定されるため、本設問文の数値については、今後とも変動に留意しておくとよいでしょう。
エ.誤った記述です。
もともと特定適用事業所(簡単に言うと労働者の多いいわゆる大企業)であった事業所が該当しなくなった場合には、引き続き従前の規定が適用され、本設問文の短時間労働者も被保険者となります。
特定適用事業所であるか否かの基準が、その労働者数で判断することとなっているため、その変動状況で都度適用する規定/運用を見直す手間・影響を考慮したものと理解しておくとよいでしょう。
イ.誤った記述です。
令和4年10月より、短時間労働者の被保険者資格の取得基準から、「同一の事業所に継続して1年以上使用されることが見込まれること」(1年以上継続使用要件)が削除されています。
今後とも、短時間労働者は適用拡大の方向に向かうことが想定されるため、法律改正情報には留意しておくとよいでしょう。
ウ.正しい記述です。
特定適用事業所(簡単に言うと労働者の多いいわゆる大企業)でない適用事業所(簡単にいうといわゆる大企業でない企業)の場合は、事業主が(自ら)所定の申し出をしない限り、事務処理の手間等を鑑み、設問文の短時間労働者を被保険者としない規定となっている、と理解しておくとよいでしょう。
ウ.正しい記述です。
特定適用事業所(簡単に言うと労働者の多いいわゆる大企業)でない適用事業所(簡単にいうといわゆる大企業でない企業)の場合は、事業主が(自ら)所定の申し出をしない限り、事務処理の手間等を鑑み、設問文の短時間労働者を被保険者としない規定となっている、と理解しておくとよいでしょう。
オ.誤った記述です。
適用事業所以外の事業所で、その労働者が単独で厚生年金保険に加入する場合には、事業主の同意が必要です。
(事業主が保険料を半分支払う必要が発生するため)
通常の労働者について既にこの規定があるため、本設問文の短時間労働者は、当該事業主の手間等を鑑み、そもそも任意単独被保険者になることができない規定となっていると理解しておくとよいでしょう。
なお、本設問文の内容も、今後の動向次第で改正がありうる点を留意しておくとよいでしょう。
エ.誤った記述です。
もともと特定適用事業所(簡単に言うと労働者の多いいわゆる大企業)であった事業所が該当しなくなった場合には、引き続き従前の規定が適用され、本設問文の短時間労働者も被保険者となります。
特定適用事業所であるか否かの基準が、その労働者数で判断することとなっているため、その変動状況で都度適用する規定/運用を見直す手間・影響を考慮したものと理解しておくとよいでしょう。
オ.誤った記述です。
適用事業所以外の事業所で、その労働者が単独で厚生年金保険に加入する場合には、事業主の同意が必要です。
(事業主が保険料を半分支払う必要が発生するため)
通常の労働者について既にこの規定があるため、本設問文の短時間労働者は、当該事業主の手間等を鑑み、そもそも任意単独被保険者になることができない規定となっていると理解しておくとよいでしょう。
なお、本設問文の内容も、今後の動向次第で改正がありうる点を留意しておくとよいでしょう。
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03
ア.正
設問のとおり正しいです。
4分の3未満短時間労働者であって、報酬の月額が88,000円未満である場合は、厚生年金保険の被保険者となりません。
イ.正
設問のとおり正しいです。
4分の3未満短時間労働者であって、当該事業所に継続して1年以上使用されることが見込まれない場合は、厚生年金保険の被保険者となりません。
ウ.正
設問のとおり正しいです。
なお、特定適用事業所以外の適用事業所に使用される4分の3未満短時間労働者であっても、事業主が申出をすることで被保険者となることができます。
エ.誤
なお、当該適用事業所の事業主は申出をしない限り、引き続き厚生年金保険の被保険者とされるので誤りです。
オ.誤
適用事業所以外の事業所に使用される特定4分の3未満短時間労働者については、任意単独被保険者(高齢任意加入被保険者を含む)となることはできないので誤りです。
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04
正解:5
ア:設問の通りです(厚生年期保険法第12条第5号)。
設問の場合、報酬の月額が、88,000円以上であっても、①1週間の所定労働時間が20時間未満である、②当該事業所に継続して1年以上使用されることが見込まれない、③学生である、のいずれかに該当する場合にも被保険者とはなりません。
イ:設問の通りです(厚生年期保険法第12条第5号)。
選択肢アの解説で述べた通りです。
ウ:設問の通りです(厚生年金保険法平成24年8月22日法律第62号附則第17条第1項)。
エ:設問の場合、引き続き厚生年金保険の被保険者となります(厚生年金保険法平成24年8月22日法律第62号附則第17条第2項)。
オ:設問の場合、任意単独被保険者となることはできません(厚生年金保険法平成24年8月22日法律第62号附則第17条の3)。
当分の間、適用事業所以外の事業所に使用される特定4分の3未満短時間労働者は、任意単独被保険者及び適用事業所以外の事業所に使用される高齢任意加入被保険者になることはできないとされています。
以上より、誤っている選択肢はエとオで、選択肢Eが正しく、正解は5となります。
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