社会保険労務士の過去問
第52回(令和2年度)
国民年金法 問10
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問題
社労士試験 第52回(令和2年度) 択一式 国民年金法 問10 (訂正依頼・報告はこちら)
国民年金法に関する次のアからオの記述のうち、誤っているものの組合せは、後記AからEまでのうちどれか。
ア 第1号被保険者期間中に15年間付加保険料を納付していた68歳の者(昭和27年4月2日生まれ)が、令和2年4月に老齢基礎年金の支給繰下げの申出をした場合は、付加年金額に25.9%を乗じた額が付加年金額に加算され、申出をした月の翌月から同様に増額された老齢基礎年金とともに支給される。
イ 障害基礎年金の受給権者であることにより法定免除の要件に該当する第1号被保険者は、既に保険料が納付されたものを除き、法定免除事由に該当した日の属する月の前月から保険料が免除となるが、当該被保険者からこの免除となった保険料について保険料を納付する旨の申出があった場合、申出のあった期間に係る保険料を納付することができる。
ウ 日本国籍を有しない60歳の者(昭和35年4月2日生まれ)は、平成7年4月から平成9年3月までの2年間、国民年金第1号被保険者として保険料を納付していたが、当該期間に対する脱退一時金を受給して母国へ帰国した。この者が、再び平成23年4月から日本に居住することになり、60歳までの8年間、第1号被保険者として保険料を納付した。この者は、老齢基礎年金の受給資格期間を満たしている。なお、この者は、上記期間以外に被保険者期間を有していないものとする。
エ 令和2年4月2日に64歳に達した者が、平成18年7月から平成28年3月までの期間を保険料全額免除期間として有しており、64歳に達した日に追納の申込みをしたところ、令和2年4月に承認を受けることができた。この場合の追納が可能である期間は、追納の承認を受けた日の属する月前10年以内の期間に限られるので、平成22年4月から平成28年3月までとなる。
オ 第1号被保険者が、生活保護法による生活扶助を受けるようになると、保険料の法定免除事由に該当し、既に保険料が納付されたものを除き、法定免除事由に該当した日の属する月の前月から保険料が免除になり、当該被保険者は、法定免除事由に該当した日から14日以内に所定の事項を記載した届書を市町村に提出しなければならない。ただし、厚生労働大臣が法定免除事由に該当するに至ったことを確認したときは、この限りでない。
ア 第1号被保険者期間中に15年間付加保険料を納付していた68歳の者(昭和27年4月2日生まれ)が、令和2年4月に老齢基礎年金の支給繰下げの申出をした場合は、付加年金額に25.9%を乗じた額が付加年金額に加算され、申出をした月の翌月から同様に増額された老齢基礎年金とともに支給される。
イ 障害基礎年金の受給権者であることにより法定免除の要件に該当する第1号被保険者は、既に保険料が納付されたものを除き、法定免除事由に該当した日の属する月の前月から保険料が免除となるが、当該被保険者からこの免除となった保険料について保険料を納付する旨の申出があった場合、申出のあった期間に係る保険料を納付することができる。
ウ 日本国籍を有しない60歳の者(昭和35年4月2日生まれ)は、平成7年4月から平成9年3月までの2年間、国民年金第1号被保険者として保険料を納付していたが、当該期間に対する脱退一時金を受給して母国へ帰国した。この者が、再び平成23年4月から日本に居住することになり、60歳までの8年間、第1号被保険者として保険料を納付した。この者は、老齢基礎年金の受給資格期間を満たしている。なお、この者は、上記期間以外に被保険者期間を有していないものとする。
エ 令和2年4月2日に64歳に達した者が、平成18年7月から平成28年3月までの期間を保険料全額免除期間として有しており、64歳に達した日に追納の申込みをしたところ、令和2年4月に承認を受けることができた。この場合の追納が可能である期間は、追納の承認を受けた日の属する月前10年以内の期間に限られるので、平成22年4月から平成28年3月までとなる。
オ 第1号被保険者が、生活保護法による生活扶助を受けるようになると、保険料の法定免除事由に該当し、既に保険料が納付されたものを除き、法定免除事由に該当した日の属する月の前月から保険料が免除になり、当該被保険者は、法定免除事由に該当した日から14日以内に所定の事項を記載した届書を市町村に提出しなければならない。ただし、厚生労働大臣が法定免除事由に該当するに至ったことを確認したときは、この限りでない。
- A(アとウ)
- B(アとオ)
- C(イとエ)
- D(イとオ)
- E(ウとエ)
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この過去問の解説 (3件)
01
増額率が適用されるのは、受給権を取得した日の属する月から当該年金の支給の繰下げの申し出をした日の属する月の前月までです。
設問の場合、増額率は「25.2%」です。
イ.正
設問のとおりです。
法定免除に該当する場合であっても納付意思があれば保険料を納付することができます。
ウ.誤
脱退一時金を受けたときは、その額の計算の基礎となった第1号被保険者としての被保険者であった期間は、被保険者でなかったものとみなします。
なお、この期間は合算対象期間にもなりません。
設問の場合、保険料納付済期間が「8年」しかないので、老齢基礎年金の受給資格期間を満たしていません。
エ.正
設問のとおりです。
追納できるのは、承認の日の属する月前10年以内の期間に係るものに限ります。
オ.正
設問のとおりです。
法定免除に該当するに至った日の属する月の前月から保険料が免除となり、原則として法定免除事由に該当した日から14日以内に届書を市町村長に提出しなければなりません。
アとウが誤っているので「1」が正解です。
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02
本試験における設問には、計算が必要な問題・特定の数値等の暗記がないと太刀打ちできない問題・長文で一読して意味が頭に入ってきづらい問題、等が混ざっており、いかに時間のロスを少なく正解するかを訓練する必要があるものもあります。
本設問群はそのような性質の問題と判断します。
解答順や解答にかける時間等を考慮しながら解く訓練をしておくと、本試験でも落ち着いて解答できると考えます。
ア.誤った記述です。
本設問文の者は、付加年金額に「25.2%」を乗じた額が加算されます。
繰下げの申出をした場合の増額率は0.7%であり、本設問文の者が65歳に達した日は平成29年(2017年)4月(1日)なので、そこから支給繰下げの申出をした令和2年(2020年)4月の前月(3月)までの月数は36か月となり、加算される乗率は以下のとおりとなります。
36(か月)×0.007(繰下げ時の加算率1000分の7)=0.252=25.2%
なお、本設問の解答には、和暦の西暦への変換(その方がわかりやすい)、繰下げ時の加算率の暗記、加算率適用月数の計算、等々を行わないといけないため、本試験では時間がかかってしまう(結果焦ってしまう)ため、解答を後回しにするのも一策であると筆者は考えます。
ウ.誤った記述です。
本設問文の者は、老齢基礎年金の受給資格期間である10年の被保険者期間を満たしていません。
(後半の8年間のみ被保険者期間にカウントされます)
脱退一時金を受給した場合は、当該脱退一時金にかかる期間は被保険者でなかったものとみなされる点を理解しておくとよいでしょう。
ア.誤った記述です。
本設問文の者は、付加年金額に「25.2%」を乗じた額が加算されます。
繰下げの申出をした場合の増額率は0.7%であり、本設問文の者が65歳に達した日は平成29年(2017年)4月(1日)なので、そこから支給繰下げの申出をした令和2年(2020年)4月の前月(3月)までの月数は36か月となり、加算される乗率は以下のとおりとなります。
36(か月)×0.007(繰下げ時の加算率1000分の7)=0.252=25.2%
なお、本設問の解答には、和暦の西暦への変換(その方がわかりやすい)、繰下げ時の加算率の暗記、加算率適用月数の計算、等々を行わないといけないため、本試験では時間がかかってしまう(結果焦ってしまう)ため、解答を後回しにするのも一策であると筆者は考えます。
オ.正しい記述です。
第1号被保険者にかかる各種届出の期間(期限)は、「14日以内」が基本となっている点を、理解しておくとよいでしょう。
イ.正しい記述です。
要件に該当すれば当然に保険料納付が免除となる法定免除者についても、将来受給する年金額を増額させたい希望があった場合に対応するため、保険料を納付する申し出をすることは可能とする規定となっている点を、理解しておくとよいでしょう。
エ.正しい記述です。
保険料免除期間を有する被保険者が、その後当該保険料を追納したい場合の対象期間は、追納の承認を受けた日の属する月前「10年間」以内である点を、理解しておきましょう。
イ.正しい記述です。
要件に該当すれば当然に保険料納付が免除となる法定免除者についても、将来受給する年金額を増額させたい希望があった場合に対応するため、保険料を納付する申し出をすることは可能とする規定となっている点を、理解しておくとよいでしょう。
オ.正しい記述です。
第1号被保険者にかかる各種届出の期間(期限)は、「14日以内」が基本となっている点を、理解しておくとよいでしょう。
ウ.誤った記述です。
本設問文の者は、老齢基礎年金の受給資格期間である10年の被保険者期間を満たしていません。
(後半の8年間のみ被保険者期間にカウントされます)
脱退一時金を受給した場合は、当該脱退一時金にかかる期間は被保険者でなかったものとみなされる点を理解しておくとよいでしょう。
エ.正しい記述です。
保険料免除期間を有する被保険者が、その後当該保険料を追納したい場合の対象期間は、追納の承認を受けた日の属する月前「10年間」以内である点を、理解しておきましょう。
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03
解答:「A(アとウ)」が正解です。
ア ×
設問の者の付加年金には「25.2%」を乗じた額が加算されます。
老齢基礎年金の繰下げ申出時の増額率は、受給権を取得した日の属する月から繰下げ申出した月の属する月の前月までの月数に0.7%を乗じた率です。
イ 〇
設問のとおりです。
第1号被保険者が法廷免除に該当した場合、要件に該当した日の属する月の前月から保険料の全額が免除されますが、被保険者が厚生労働大臣(機構)に申出れば保険料を納付することができます。
ウ ×
脱退一時金を受けた第1号被保険者期間は、被保険者でなかったものとみなされます。
また、昭和61年4月1日以後の脱退一時金を受けた期間は「合算対象期間」ともされません。
設問の者は、老齢基礎年金の支給要件期間として保険料納付済期間8年間しか有しておらず受給資格期間は満たしておりません。
エ 〇
設問のとおりです。
保険料の追納が行えるのは承認日の属する月前10年以内の期間です。
設問の者は、承認日が令和2年4月ですので平成22年4月~平成28年3月分までが追納可能です。
オ 〇
設問のとおりです。
第1号被保険者は、法廷免除事由に該当した日から14日以内に「保険料免除理由該当届」を市町村長に提出しなければなりませんが、厚生労働大臣(機構)が該当するに至ったことを確認したときは、届出しなくてもよいこととされています。
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