社会保険労務士の過去問
第53回(令和3年度)
雇用保険法 問2

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問題

社労士試験 第53回(令和3年度) 択一式 雇用保険法 問2 (訂正依頼・報告はこちら)

未支給の失業等給付に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
  • 死亡した受給資格者に配偶者(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にあった者を含む。)及び子がいないとき、死亡した受給資格者と死亡の当時生計を同じくしていた父母は未支給の失業等給付を請求することができる。
  • 失業等給付の支給を受けることができる者が死亡した場合において、未支給の失業等給付の支給を受けるべき順位にあるその者の遺族は、死亡した者の名でその未支給の失業等給付の支給を請求することができる。
  • 正当な理由がなく自己の都合によって退職したことにより基本手当を支給しないこととされた期間がある受給資格者が死亡した場合、死亡した受給資格者の遺族の請求により、当該基本手当を支給しないこととされた期間中の日に係る未支給の基本手当が支給される。
  • 死亡した受給資格者が、死亡したため所定の認定日に公共職業安定所に出頭し失業の認定を受けることができなかった場合、未支給の基本手当の支給を請求する者は、当該受給資格者について失業の認定を受けたとしても、死亡直前に係る失業認定日から死亡日までの基本手当を受けることができない。
  • 受給資格者の死亡により未支給の失業等給付の支給を請求しようとする者は、当該受給資格者の死亡の翌日から起算して3か月以内に請求しなければならない。

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この過去問の解説 (3件)

01

未支給の失業等給付の請求に関する問です。

(未支給の失業等給付)

第十条の三 失業等給付の支給を受けることができる者が死亡した場合において、その者に支給されるべき失業等給付でまだ支給されていないものがあるときは、その者の配偶者(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にあつた者を含む。)、子、父母、孫、祖父母又は兄弟姉妹であつて、その者の死亡の当時その者と生計を同じくしていたものは、自己の名で、その未支給の失業等給付の支給を請求することができる。

 前項の規定による未支給の失業等給付の支給を受けるべき者の順位は、同項に規定する順序による。

選択肢1. 死亡した受給資格者に配偶者(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にあった者を含む。)及び子がいないとき、死亡した受給資格者と死亡の当時生計を同じくしていた父母は未支給の失業等給付を請求することができる。

その者の配偶者、子、父母、孫、祖父母又は兄弟姉妹であつて、その者の死亡の当時その者と生計を同じくしていたものは未支給の失業等給付を請求できます。

選択肢2. 失業等給付の支給を受けることができる者が死亡した場合において、未支給の失業等給付の支給を受けるべき順位にあるその者の遺族は、死亡した者の名でその未支給の失業等給付の支給を請求することができる。

自己の名で、その未支給の失業等給付の支給を請求することができる。

失業等給付の支給を受けることができる者が死亡した場合において、未支給の失業等給付の支給を受けるべき順位にあるその者の遺族は、死亡した者の名でその未支給の失業等給付の支給を請求することができる。

選択肢3. 正当な理由がなく自己の都合によって退職したことにより基本手当を支給しないこととされた期間がある受給資格者が死亡した場合、死亡した受給資格者の遺族の請求により、当該基本手当を支給しないこととされた期間中の日に係る未支給の基本手当が支給される。

もともと基本手当の不支給決定がされていた場合、死亡した遺族が請求しても支給されない。

正当な理由がなく自己の都合によって退職したことにより基本手当を支給しないこととされた期間がある受給資格者が死亡した場合、死亡した受給資格者の遺族の請求により、当該基本手当を支給しないこととされた期間中の日に係る未支給の基本手当が支給される。

選択肢4. 死亡した受給資格者が、死亡したため所定の認定日に公共職業安定所に出頭し失業の認定を受けることができなかった場合、未支給の基本手当の支給を請求する者は、当該受給資格者について失業の認定を受けたとしても、死亡直前に係る失業認定日から死亡日までの基本手当を受けることができない。

失業という事実があれば未支給として基本手当を受けることができます。本人が亡くなっており、未支給を受ける者(請求する者)が代わって失業の認定を受けなければなりません。本人が亡くなっているので、請求する者の代理人が代わって失業の認定を受けることも認められています。

(未支給の基本手当の請求手続)

第三十一条 第十条の三第一項の規定により、受給資格者が死亡したため失業の認定を受けることができなかつた期間に係る基本手当の支給を請求する者は、厚生労働省令で定めるところにより、当該受給資格者について失業の認定を受けなければならない。

死亡した受給資格者が、死亡したため所定の認定日に公共職業安定所に出頭し失業の認定を受けることができなかった場合、未支給の基本手当の支給を請求する者は、当該受給資格者について失業の認定を受けたとしても、死亡直前に係る失業認定日から死亡日までの基本手当を受けることができない。

選択肢5. 受給資格者の死亡により未支給の失業等給付の支給を請求しようとする者は、当該受給資格者の死亡の翌日から起算して3か月以内に請求しなければならない。

死亡した日の翌日から起算して6カ月以内に、とされています(則17条2第1項)。

受給資格者の死亡により未支給の失業等給付の支給を請求しようとする者は、当該受給資格者の死亡の翌日から起算して3か月以内に請求しなければならない。

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02

正解:1

1:設問の通りです(雇用保険法第10条の3)。

 なお、父母もいない場合は、孫が、孫もいない場合は祖父母又は兄弟姉妹が未支給の失業等給付を請求できます。しかし、この場合、本来の失業等給付の受給権者の死亡の当時その者と生計を同じくしていることが必要です。

2:「死亡した者の名」ではなく「自己の名」で請求します(雇用保険法第10条の3)。

 なお、この場合、本来の受給権者が死亡した日の翌日から起算して6か月以内に、本来の受給権者の死亡の当時の住所又は居所を管轄する公共職業安定所の長に申請する必要があります(雇用保険法施行規則第1条第5項第5号、第17条の2第1項)

3:設問の場合、「当該基本手当を支給しないこととされた期間中」については支給されません(雇用保険法第10条の3)。

 遺族に支給されるのは、あくまで「その者に支給されるべき失業等給付でまだ支給されていないものがあるとき」です。本来の受給権者に支給されないことが決まっていた期間については、遺族が請求しても支給されません。 

4:設問の場合、「死亡直前に係る失業認定日から死亡日までの基本手当を受けることができます」(雇用保険法第10条の3、第31条)。

 遺族が受給できるのは「失業等給付の支給を受けることができる者が死亡した場合において、その者に支給されるべき失業等給付でまだ支給されていないものがあるとき」です。死亡したため失業認定日に認定を受けることができなかったという正当事由があるので、設問の場合、支給を請求する遺族が認定を受ければ死亡費までの基本手当の受給は可能です。 

5:「3か月」ではなく「6か月」です(雇用保険法施行規則第17条の2第1項)

 選択肢2の解説の通りです。

以上より 正しい選択肢は1で、これが正解となります。

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03

未支給の失業等給付の受給資格は、死亡の当時受給資格者と生計を同じくしていた配偶者、子、父母、孫、祖父母又は兄弟姉妹の順番です。

選択肢1. 死亡した受給資格者に配偶者(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にあった者を含む。)及び子がいないとき、死亡した受給資格者と死亡の当時生計を同じくしていた父母は未支給の失業等給付を請求することができる。

死亡した受給資格者に配偶者、子がいないので「生計を同じくしていた父母」は未支給の失業等給付を請求することができます。

選択肢2. 失業等給付の支給を受けることができる者が死亡した場合において、未支給の失業等給付の支給を受けるべき順位にあるその者の遺族は、死亡した者の名でその未支給の失業等給付の支給を請求することができる。

×

「死亡した者の名」ではなく、「自己の名」で未支給の失業等給付の支給を請求することができます。

選択肢3. 正当な理由がなく自己の都合によって退職したことにより基本手当を支給しないこととされた期間がある受給資格者が死亡した場合、死亡した受給資格者の遺族の請求により、当該基本手当を支給しないこととされた期間中の日に係る未支給の基本手当が支給される。

× 

基本手当を支給しないこととされた期間中の日に係る基本手当は、請求しても支給されません。

選択肢4. 死亡した受給資格者が、死亡したため所定の認定日に公共職業安定所に出頭し失業の認定を受けることができなかった場合、未支給の基本手当の支給を請求する者は、当該受給資格者について失業の認定を受けたとしても、死亡直前に係る失業認定日から死亡日までの基本手当を受けることができない。

×

死亡した受給資格者に変わり、受給資格者について失業の認定を受ければ、死亡直前に係る失業認定日から死亡日までの基本手当を受けとれます。

選択肢5. 受給資格者の死亡により未支給の失業等給付の支給を請求しようとする者は、当該受給資格者の死亡の翌日から起算して3か月以内に請求しなければならない。

×

死亡の翌日から起算して「6か月以内」に請求しなければなりません。

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