社会保険労務士の過去問
第53回(令和3年度)
健康保険法 問2
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問題
社労士試験 第53回(令和3年度) 択一式 健康保険法 問2 (訂正依頼・報告はこちら)
健康保険法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- 保険医療機関又は保険薬局は、健康保険法の規定によるほか、船員保険法、国民健康保険法、国家公務員共済組合法(他の法律において準用し、又は例による場合を含む。)又は地方公務員等共済組合法による療養の給付並びに被保険者及び被扶養者の療養並びに高齢者医療確保法による療養の給付、入院時食事療養費に係る療養、入院時生活療養費に係る療養及び保険外併用療養費に係る療養を担当するものとされている。
- 健康保険組合がその設立事業所を増加させ、又は減少させようとするときは、その増加又は減少に係る適用事業所の事業主の全部及びその適用事業所に使用される被保険者の2分の1以上の同意を得なければならない。
- 全国健康保険協会管掌健康保険の事業の執行に要する費用のうち、出産育児一時金、家族出産育児一時金、埋葬料(埋葬費)及び家族埋葬料の支給に要する費用については、国庫補助は行われない。
- 全国健康保険協会は、⑴国債、地方債、政府保証債その他厚生労働大臣の指定する有価証券の取得、⑵銀行その他厚生労働大臣の指定する金融機関への預金、のいずれかの方法により、業務上の余裕金を運用することが認められているが、上記の2つ以外の方法で運用することは認められていない。
- 保険者は、社会保険診療報酬支払基金に対して、保険給付のうち、療養費、出産育児一時金、家族出産育児一時金並びに高額療養費及び高額介護合算療養費の支給に関する事務を委託することができる。
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この過去問の解説 (3件)
01
解答:「全国健康保険協会は・・・」が正解です。
〇
保険医療機関又は保険薬局は、健康保険法のほか、船員保険法、国民健康保険法、国家公務員共済組合法又は地方公務員等共済組合法、高齢者医療確保法においても、療養を担当するものとされています。
〇
健康保険組合がその設立事業所を増減させようとする時は、各適用事業所の事業主の全部及びその適用事業所に使用される被保険者の2分の1以上の同意を得なければなりません。
〇
全国健康保険協会へは、出産育児一時金、家族出産育児一時金、埋葬料(埋葬費)及び家族埋葬料の支給に要する費用に、国庫補助は行われません。
×
「信託業務を営む金融機関への金銭信託」も認められています。
〇
社会保険診療報酬支払基金に対して、療養費、出産育児一時金、家族出産育児一時金並びに高額療養費及び高額介護合算療養費の支給に関する事務を委託することができます。
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02
解説は以下の通りです。
【正誤】正しい記述です。
【根拠条文等】健康保険法第70条2項
【ポイント・考え方】
設問文のとおり、健康保険法以外の各法令にも基づいて療養の給付を行うものである点は、理解できるでしょう。
【学習・実務でのワンポイント】
いわゆる「保険証」を提示して医療機関や保険薬局で各種費用を支払っている点はなじみがあるかと思いますので、設問文に記載されている各種法令や給付の列挙に過不足がないかをすぐに気づけなければ、他の設問文の正誤を先に判断することでよいと筆者は考えます。
【正誤】正しい記述です。
【根拠条文等】健康保険法第25条1項
【ポイント・考え方】
設問文のとおり理解しておきましょう。
【学習・実務でのワンポイント】
設問文の業務に携わっている人以外にとっては、なじみの薄い内容かと思いますので、学習の優先度を下げてもよいと筆者は考えます。
【正誤】正しい記述です。
【根拠条文等】健康保険法第153条
【ポイント・考え方】
設問文の費用・費目については、要する費用について額が相対的に(療養費等と比較して)変動が小さく、その構成員の人数等に基づき、費用総額の想定が可能である(大幅に逸脱する可能性は低い)と見込まれることから、国庫補助が不要となったと理解しておくとよいでしょう。
【学習・実務でのワンポイント】
各種費用にかかる国庫補助・国庫負担等については、余力がある時に学習することでよいと筆者は考えています。
【正誤】誤った記述です。
【根拠条文等】健康保険法第7条の33,健康保険法施行令第1条3号
【ポイント・考え方】
簡単に言うと、信託業務を営む金融機関への金銭信託も認められています。
【学習・実務でのワンポイント】
設問文の業務に携わっている人以外にとっては、なじみの薄い内容かと思いますので、学習の優先度を下げてもよいと筆者は考えます。
【正誤】正しい記述です。
【根拠条文等】健康保険法205条の4第1項1号,健康保険法施行規則第159条の7第1号
【ポイント・考え方】
設問文のとおりです。
このまま理解しておきましょう。
【学習・実務でのワンポイント】
社会保険における事務の委託については、余力がある時に学習することでよいと筆者は考えています。
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03
解説は以下のとおりです。
正
保険医療機関、保険薬局の責務規定に関する者です。
(保険医療機関又は保険薬局の責務)
第七十条 保険医療機関又は保険薬局は、当該保険医療機関において診療に従事する保険医又は当該保険薬局において調剤に従事する保険薬剤師に、第七十二条第一項の厚生労働省令で定めるところにより、診療又は調剤に当たらせるほか、厚生労働省令で定めるところにより、療養の給付を担当しなければならない。
2 保険医療機関又は保険薬局は、前項(第八十五条第九項、第八十五条の二第五項、第八十六条第四項、第百十条第七項及び第百四十九条において準用する場合を含む。)の規定によるほか、船員保険法、国民健康保険法、国家公務員共済組合法(昭和三十三年法律第百二十八号。他の法律において準用し、又は例による場合を含む。)又は地方公務員等共済組合法(以下「この法律以外の医療保険各法」という。)による療養の給付並びに被保険者及び被扶養者の療養並びに高齢者の医療の確保に関する法律による療養の給付、入院時食事療養費に係る療養、入院時生活療養費に係る療養及び保険外併用療養費に係る療養を担当するものとする。
正
設立事業所の増減に関する問です。組合会議員の定数の4分の3や、3分の2ではありません。
(設立事業所の増減)
第二十五条 健康保険組合がその設立事業所を増加させ、又は減少させようとするときは、その増加又は減少に係る適用事業所の事業主の全部及びその適用事業所に使用される被保険者の二分の一以上の同意を得なければならない。
正
保険給付等に係る国庫補助に関する問です。国庫補助には一時金(出産育児一時金、家族出産育児一時金、埋葬料、家族埋葬料)に関する者は含みません。特別な出費に対する現金給付に国庫補助は行いません。
第百五十四条 国庫は、第百五十一条及び前条に規定する費用のほか、毎年度、健康保険事業の執行に要する費用のうち、日雇特例被保険者に係る療養の給付並びに入院時食事療養費、入院時生活療養費、保険外併用療養費、療養費、訪問看護療養費、移送費、傷病手当金、出産手当金、家族療養費、家族訪問看護療養費、家族移送費、特別療養費、高額療養費及び高額介護合算療養費の支給に要する費用(療養の給付については、一部負担金に相当する額を控除するものとする。)の額並びに前期高齢者納付金の納付に要する費用の額に給付費割合を乗じて得た額の合算額(前期高齢者交付金がある場合には、当該合算額から当該前期高齢者交付金の額に給付費割合を乗じて得た額を控除した額)に健康保険組合(第三条第一項第八号の承認を受けた者の国民健康保険を行う国民健康保険の保険者を含む。第百七十一条第二項及び第三項において同じ。)を設立する事業主以外の事業主から当該年度に納付された日雇特例被保険者に関する保険料の総延べ納付日数を当該年度に納付された日雇特例被保険者に関する保険料の総延べ納付日数で除して得た率を乗じて得た額に前条に規定する政令で定める割合を乗じて得た額を補助する。
誤
全国健康保険協会の資金の運用に関する問です。資金の運用先として3つがあります。
(資金の運用)
第七条の三十三 協会の業務上の余裕金の運用は、政令で定めるところにより、事業の目的及び資金の性質に応じ、安全かつ効率的にしなければならない。
大正十五年勅令第二百四十三号 健康保険法施行令
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=215IO0000000243_20210101_502CO0000000381
第一章 全国健康保険協会の資金の運用(資金の運用)
第一条 全国健康保険協会(以下「協会」という。)は、次の方法による場合を除くほか、業務上の余裕金を運用してはならない。
一 国債、地方債、政府保証債(その元本の償還及び利息の支払について政府が保証する債券をいう。)その他厚生労働大臣の指定する有価証券の取得
二 銀行その他厚生労働大臣の指定する金融機関への預金
三 信託業務を営む金融機関(金融機関の信託業務の兼営等に関する法律(昭和十八年法律第四十三号)第一条第一項の認可を受けた金融機関をいう。)への金銭信託
全国健康保険協会は、⑴国債、地方債、政府保証債その他厚生労働大臣の指定する有価証券の取得、⑵銀行その他厚生労働大臣の指定する金融機関への預金、のいずれかの方法により、業務上の余裕金を運用することが認められているが、上記の2つ以外の方法で運用することは認められていない。
正
社会保険診療支払基金又は国民健康保険団体連合会への事務の委託に関する問です。
保険給付のうち、現金給付の支給に関する事務(療養費、出産育児一時金、家族出産育児一時金並びに高額療養費及び高額介護合算療養費)を委託することができます。
(基金等への事務の委託)
第二百五条の四 保険者は、第七十六条第五項(第八十五条第九項、第八十五条の二第五項、第八十六条第四項、第百十条第七項及び第百四十九条において準用する場合を含む。第一号において同じ。)及び第八十八条第十一項(第百十一条第三項及び第百四十九条において準用する場合を含む。同号において同じ。)に規定する事務のほか、次に掲げる事務を基金又は国保連合会に委託することができる。
一 第四章の規定による保険給付及び第五章第三節の規定による日雇特例被保険者に係る保険給付のうち厚生労働省令で定めるものの支給に関する事務(第七十六条第五項及び第八十八条第十一項に規定する事務を除く。)
則159の7
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