社会保険労務士の過去問
第53回(令和3年度)
国民年金法 問1

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問題

社労士試験 第53回(令和3年度) 択一式 国民年金法 問1 (訂正依頼・報告はこちら)

国民年金法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
  • 国民年金法第30条第1項の規定による障害基礎年金は、受給権者が刑事施設、労役場その他これらに準ずる施設に拘禁されているときには、その該当する期間、その支給が停止される。
  • 保険料4分の1免除期間に係る老齢基礎年金の給付に要する費用については、480から保険料納付済期間の月数を控除して得た月数を限度として国庫負担の対象となるが、保険料の学生納付特例及び納付猶予の期間(追納が行われた場合にあっては、当該追納に係る期間を除く。)は国庫負担の対象とならない。
  • 任意加入被保険者及び特例による任意加入被保険者は、老齢基礎年金又は老齢厚生年金の受給権を取得した日の翌日に資格を喪失する。
  • 振替加算の規定によりその額が加算された老齢基礎年金の受給権者が、遺族厚生年金の支給を受けることができるときは、その間、振替加算の規定により加算された額に相当する部分の支給が停止される。
  • 国民年金基金は、加入員又は加入員であった者の老齢に関し年金の支給を行い、あわせて加入員又は加入員であった者の障害に関し、一時金の支給を行うものとされている。

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この過去問の解説 (3件)

01

解説は以下のとおりです。

選択肢1. 国民年金法第30条第1項の規定による障害基礎年金は、受給権者が刑事施設、労役場その他これらに準ずる施設に拘禁されているときには、その該当する期間、その支給が停止される。

【正誤】誤った記述です。

【ポイント・考え方】

 支給が停止されるのは、「20歳前の障害にかかる障害基礎年金の受給権者」(=国民年金法第30条第4項の規定による受給権者)が設問文のような施設に拘禁されている時です。

 設問文の場合は、支給が停止されません。

【学習・実務でのワンポイント】

 本試験において、法令の条文の詳細説明がない場合に、当該条文を暗記していないと、正誤を判断するのは難しい場合があるかと思います。

 このような出題方法に、筆者は若干疑問を感じます。

選択肢2. 保険料4分の1免除期間に係る老齢基礎年金の給付に要する費用については、480から保険料納付済期間の月数を控除して得た月数を限度として国庫負担の対象となるが、保険料の学生納付特例及び納付猶予の期間(追納が行われた場合にあっては、当該追納に係る期間を除く。)は国庫負担の対象とならない。

【正誤】正しい記述です。

【ポイント・考え方】

 保険料免除期間にかかる費用の一定部分が国庫負担になる点は、そのまま受け止めて問題ないであろうと判断・推察できるかと思います。

 また、保険料学生納付特例及び納付猶予の期間は、老齢基礎年金の額の算出の基礎とされないので、国庫負担の対象とならない(なりえない)点も、そのまま受け止めて問題ないであろうと判断・推察できるかと思います。

【学習・実務でのワンポイント】

 国庫負担については、当該実務にかかわっている人以外は、学習の優先度を下げてよい項目であると筆者は考えています。

 最低限、上記の推測ができればよいでしょう。

選択肢3. 任意加入被保険者及び特例による任意加入被保険者は、老齢基礎年金又は老齢厚生年金の受給権を取得した日の翌日に資格を喪失する。

【正誤】誤った記述です。

【ポイント・考え方】

 「任意加入被保険者」は、簡単にいうと「老齢基礎年金の額を少しでも増やしたい」60歳以上65歳未満の人が、満額(480か月)になるまで(その前に65歳になる場合は65歳になるまで)加入できます。

 一方、「特例による任意加入被保険者」は、簡単にいうと「年金の受給資格期間を満たしていない人が受給権を得られるまで」65歳以上70歳未満の人が加入できるものです。

 このため、設問文の場合に資格を喪失するのは後者の「特例による任意加入被保険者」のみであり、前者の「任意加入被保険者」も同様であるとする設問文は誤りです。

【学習・実務でのワンポイント】

 60歳以上の人については、その時点での受給権の有無や受給資格期間もふまえ、どのような時期まで加入できるか/加入すべきか、またそれにより年金はどのような種類がいつから/

どのくらいもらえるのか、について整理しておくことが大事です。

選択肢4. 振替加算の規定によりその額が加算された老齢基礎年金の受給権者が、遺族厚生年金の支給を受けることができるときは、その間、振替加算の規定により加算された額に相当する部分の支給が停止される。

【正誤】誤った記述です。

【ポイント・考え方】

 設問文の場合は、支給停止されません。

 振替加算は、簡単に言うと、基礎年金制度スタート時において、国民年金の任意加入期間があり加入していなかった人について、自身の老齢年金が低額になるのを補うための救済的な制度です。

 このため、「障害」年金を受けることができる時は、自身の条件で(言ってみれば自力で)相応の年金を受給できるとみられて、振替加算が支給停止されます。

 遺族年金はあくまで、扶養者の条件が該当したことにより受給できるもので、自身の条件ではない(自力ではない)ため、支給は停止されないと理解しておくとよいでしょう。

【学習・実務でのワンポイント】

 基礎年金制度スタート時(昭和61年4月1日)において既に20歳以上であった人(昭和41年4月1日以前生まれの人)については、上記のような振替加算が支給される場合があり、その対象者条件、支給額、支給停止条件については、一度整理しておくとよいでしょう。

選択肢5. 国民年金基金は、加入員又は加入員であった者の老齢に関し年金の支給を行い、あわせて加入員又は加入員であった者の障害に関し、一時金の支給を行うものとされている。

【正誤】誤った記述です。

【ポイント・考え方】

 国民年金基金は、国民年金の「老齢」給付に関する上乗せ給付を行うものであり、「障害」に関する支給は行いません。

【学習・実務でのワンポイント】

 国民年金基金は、国民年金でいう「障害」給付や「遺族」給付にあたる給付はない点を理解しておきましょう。

 また、加入は任意ですが、脱退には様々な制約があり任意(自由)ではない点もぜひ理解しておきましょう。

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02

1間違いです。

障害基礎年金の停止の問題です。

20歳前障害だけは、刑事施設に拘禁されている時には

停止されます。

2正解です。

学生納付特例、納付猶予は、年金額には反映されません。

受給期間にのみ反映されます。

3間違いです。

65歳前と後を比べる問題です。

任意加入被保険者は、特別支給の老齢厚生年金の受給権を

取得しても、その資格は喪失しません。

4間違いです。

老齢基礎年金の受給権を有するのは、一般的には妻になりますが

その妻が遺族厚生年金を受ける事が出来ても、停止はされません。

240以上の老齢厚生年金・基礎年金をもらえる時や

障害基礎・障害厚生年金をもらえる時に止まるという考えはあります。

5間違いです。

国民年金基金の問題です。

一時金は死亡に関する者です。

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03

解説は以下のとおりです。

選択肢1. 国民年金法第30条第1項の規定による障害基礎年金は、受給権者が刑事施設、労役場その他これらに準ずる施設に拘禁されているときには、その該当する期間、その支給が停止される。

障害基礎年金の支給停止に関する問です。第30条第1項は障害基礎年金の規定であり、支給停止事由は労働基準法の障害補償を受ける場合、及び、障害等級に該当しない場合の2つです。本肢の「受給権者が刑事施設、労役場その他これらに準ずる施設に拘禁されているとき」は20歳前障害による障害基礎年金(法30条の4)の支給停止事由の1つです。

国民年金法第30条第1項の規定による障害基礎年金は、受給権者が刑事施設、労役場その他これらに準ずる施設に拘禁されているときには、その該当する期間、その支給が停止される。

選択肢2. 保険料4分の1免除期間に係る老齢基礎年金の給付に要する費用については、480から保険料納付済期間の月数を控除して得た月数を限度として国庫負担の対象となるが、保険料の学生納付特例及び納付猶予の期間(追納が行われた場合にあっては、当該追納に係る期間を除く。)は国庫負担の対象とならない。

老齢基礎年金の支給額(保険料納付済期間の月数が480未満の場合)に関する問です。学生納付特例期間及び納付猶予期間は老齢厚生年金の額に反映されません(法27条)。

(年金額)

第二十七条 老齢基礎年金の額は、七十八万九百円に改定率(次条第一項の規定により設定し、同条(第一項を除く。)から第二十七条の五までの規定により改定した率をいう。以下同じ。)を乗じて得た額(その額に五十円未満の端数が生じたときは、これを切り捨て、五十円以上百円未満の端数が生じたときは、これを百円に切り上げるものとする。)とする。ただし、保険料納付済期間の月数が四百八十に満たない者に支給する場合は、当該額に、次の各号に掲げる月数を合算した月数(四百八十を限度とする。)を四百八十で除して得た数を乗じて得た額とする。

 保険料納付済期間の月数

 保険料四分の一免除期間の月数(四百八十から保険料納付済期間の月数を控除して得た月数を限度とする。)の八分の七に相当する月数

 保険料四分の一免除期間の月数から前号に規定する保険料四分の一免除期間の月数を控除して得た月数の八分の三に相当する月数

選択肢3. 任意加入被保険者及び特例による任意加入被保険者は、老齢基礎年金又は老齢厚生年金の受給権を取得した日の翌日に資格を喪失する。

任意加入被保険者は老齢厚生年金の受給権を取得した場合でも被保険者の資格を喪失しません。

任意加入被保険者及び特例による任意加入被保険者は、老齢基礎年金又は老齢厚生年金の受給権を取得した日の翌日に資格を喪失する。

選択肢4. 振替加算の規定によりその額が加算された老齢基礎年金の受給権者が、遺族厚生年金の支給を受けることができるときは、その間、振替加算の規定により加算された額に相当する部分の支給が停止される。

振替加算の調整、加算が行われない場合に関する問です。

振替加算は障害を支給事由とする年金たる給付を受けられるときは支給を停止しますが、遺族厚生年金の支給を受けられることにより支給の停止はされません。

振替加算の規定によりその額が加算された老齢基礎年金の受給権者が、遺族厚生年金の支給を受けることができるときは、その間、振替加算の規定により加算された額に相当する部分の支給が停止される。

選択肢5. 国民年金基金は、加入員又は加入員であった者の老齢に関し年金の支給を行い、あわせて加入員又は加入員であった者の障害に関し、一時金の支給を行うものとされている。

国民年金基金の法定業務に関する問です。加入員の老齢への給付となり、老齢給付と死亡一時金への上乗せの給付です。「障害」ではなく「死亡」です。

第百二十八条 基金は、加入員又は加入員であつた者に対し、年金の支給を行ない、あわせて加入員又は加入員であつた者の死亡に関し、一時金の支給を行なうものとする。

国民年金基金は、加入員又は加入員であった者の老齢に関し年金の支給を行い、あわせて加入員又は加入員であった者の障害に関し、一時金の支給を行うものとされている。

国民年金基金は、加入員又は加入員であった者の老齢に関し年金の支給を行い、あわせて加入員又は加入員であった者の障害に関し、一時金の支給を行うものとされている。

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