社会保険労務士の過去問
第53回(令和3年度)
国民年金法 問5

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問題

社労士試験 第53回(令和3年度) 択一式 国民年金法 問5 (訂正依頼・報告はこちら)

国民年金法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
  • 年間収入が280万円の第2号被保険者と同一世帯に属している、日本国内に住所を有する年間収入が130万円の厚生年金保険法による障害厚生年金の受給要件に該当する程度の障害の状態にある50歳の配偶者は、被扶養配偶者に該当しないため、第3号被保険者とはならない。
  • 被保険者又は被保険者であった者が、国民年金法その他の政令で定める法令の規定に基づいて行われるべき事務の処理が行われなかったことにより付加保険料を納付する者となる申出をすることができなくなったとして、厚生労働大臣にその旨の申出をしようとするときは、申出書を市町村長(特別区の区長を含む。)に提出しなければならない。
  • 保険料その他国民年金法の規定による徴収金の納付の督促を受けた者が指定の期限までに保険料その他同法の規定による徴収金を納付しないときは、厚生労働大臣は、国税滞納処分の例によってこれを処分し、又は滞納者の居住地若しくはその者の財産所在地の市町村(特別区を含む。以下本問において同じ。)に対して、その処分を請求することができる。この請求を受けた市町村が、市町村税の例によってこれを処分した場合には、厚生労働大臣は徴収金の100分の4に相当する額を当該市町村に交付しなければならない。
  • 共済組合等が共済払いの基礎年金(国民年金法施行令第1条第1項第1号から第3号までに規定する老齢基礎年金、障害基礎年金及び遺族基礎年金であって厚生労働省令で定めるものをいう。)の支払に関する事務を行う場合に、政府はその支払に必要な資金を日本年金機構に交付することにより当該共済組合等が必要とする資金の交付をさせることができる。
  • 国庫は、当該年度における20歳前傷病による障害基礎年金の給付に要する費用について、当該費用の100分の20に相当する額と、残りの部分 (100分の80)の4分の1に相当する額を合計した、当該費用の100分の40に相当する額を負担する。

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この過去問の解説 (3件)

01

解説は以下のとおりです。

選択肢1. 年間収入が280万円の第2号被保険者と同一世帯に属している、日本国内に住所を有する年間収入が130万円の厚生年金保険法による障害厚生年金の受給要件に該当する程度の障害の状態にある50歳の配偶者は、被扶養配偶者に該当しないため、第3号被保険者とはならない。

【正誤】誤った記述です。

【ポイント・考え方】

 設問文に照らした場合に、被扶養者の条件は以下のとおりであり、第3号被保険者に該当します。

・第2号被保険者と同一世帯の配偶者である:該当する

・障害者の場合で年間収入が180万円未満である:該当する

 (参考:障害者でなければ130万円未満である)

・収入が被保険者の半分未満である:該当する

【学習・実務でのワンポイント】

 話は少し拡大しますが、社会保険制度における被扶養者の収入基準(130万円)と、所得税にかかる非課税の収入基準(本稿執筆時点では103万円)は金額が異なっており、実生活上では両方をあわせて理解しておくと役に立つことが多いでしょう。

選択肢2. 被保険者又は被保険者であった者が、国民年金法その他の政令で定める法令の規定に基づいて行われるべき事務の処理が行われなかったことにより付加保険料を納付する者となる申出をすることができなくなったとして、厚生労働大臣にその旨の申出をしようとするときは、申出書を市町村長(特別区の区長を含む。)に提出しなければならない。

【正誤】誤った記述です。

【ポイント・考え方】

 設問文の場合は、当該申出書は日本年金機構に提出する必要があります。

 本来行われるべき手続き等が行われなかったことを理由とする申出は、本来行うべき組織を管理監督すべき上位の組織等に行わないと解決しない、と理解しておくとよいでしょう。

【学習・実務でのワンポイント】

 設問文の他、審査・処分内容に不服がある場合の請求先は、それぞれの制度にて決められているので、一度整理しておくとよいでしょう。

選択肢3. 保険料その他国民年金法の規定による徴収金の納付の督促を受けた者が指定の期限までに保険料その他同法の規定による徴収金を納付しないときは、厚生労働大臣は、国税滞納処分の例によってこれを処分し、又は滞納者の居住地若しくはその者の財産所在地の市町村(特別区を含む。以下本問において同じ。)に対して、その処分を請求することができる。この請求を受けた市町村が、市町村税の例によってこれを処分した場合には、厚生労働大臣は徴収金の100分の4に相当する額を当該市町村に交付しなければならない。

【正誤】正しい記述です。

【ポイント・考え方】

 いわゆる滞納にかかる処分については、設問文のとおりに「できる」ことを覚えてしまいましょう。

 交付金の額(率)についても、覚えておくとよいでしょう。

【学習・実務でのワンポイント】

 滞納にかかる事務処理とその費用負担については、学習の優先度を下げてよいと筆者は考えています。

選択肢4. 共済組合等が共済払いの基礎年金(国民年金法施行令第1条第1項第1号から第3号までに規定する老齢基礎年金、障害基礎年金及び遺族基礎年金であって厚生労働省令で定めるものをいう。)の支払に関する事務を行う場合に、政府はその支払に必要な資金を日本年金機構に交付することにより当該共済組合等が必要とする資金の交付をさせることができる。

【正誤】誤った記述です。

【ポイント・考え方】

 政府は支払いに必要な資金を「日本銀行」に交付し、設問文の資金の交付をさせることができることになっています。

 日本年金機構は、その目的・位置づけにおいて、「資格の得喪の確認、届出・申請の受付など」について自らの名で実施し、「裁定、 給付など」について国(厚生労働大臣)の名で(委託を受けて)実施するものであり、この中には「資金の交付」業務は含まれないと理解しておくとよいでしょう。

【学習・実務でのワンポイント】

 国(厚生労働省)-日本年金機構-年金事務所 のように階層立てて、どの組織で何を実施するのか、また委任・委託はどの業務なのか、を一度整理しておくとよいでしょう。

選択肢5. 国庫は、当該年度における20歳前傷病による障害基礎年金の給付に要する費用について、当該費用の100分の20に相当する額と、残りの部分 (100分の80)の4分の1に相当する額を合計した、当該費用の100分の40に相当する額を負担する。

【正誤】誤った記述です。

【ポイント・考え方】

 設問文の「残りの部分の4分の1に相当する額」は「残りの部分の2分の1に相当する額」が正しいです。

 国庫負担金の額・率については、覚えてしまいましょう。

【学習・実務でのワンポイント】

 本設問文についても、余力があれば学習するスタンスでよいと筆者は考えています。

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02

1間違いです。

主たる生計維持を満たしているかどうかの問題です。

180万円未満と、同一世帯の2分の1未満の要件があります。

130万円と、280万の2分の1は、140万のため

両方の要件を満たしていますので

第3号になりますから、間違いです。

2間違いです。

行政のミスで事務処理の手続きが行われなかった

ための取り扱いに関する事ですが

この場合は、市町村でなく、直接年金機構へ

提出します。

3正解です。

市町村が滞納処分を行う場合の問題です。

保険料の督促を受けて、それでも滞納しているので

市町村が処分した場合は

厚労大臣は、100分の4の徴収金を交付する事に

なっています。

4間違いです。

共済組合にしか加入していなければ

共済から年金が支払われる事になりますが

政府は交付のための必要な資金を

日本銀行に交付します。

5間違いです。

20歳前傷病による費用の問題です。

費用の100分の20に相当する額と

残りの2分の1に該当する額を合計した

費用の100分の60を負担することになります。

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03

解説は以下のとおりです。

選択肢1. 年間収入が280万円の第2号被保険者と同一世帯に属している、日本国内に住所を有する年間収入が130万円の厚生年金保険法による障害厚生年金の受給要件に該当する程度の障害の状態にある50歳の配偶者は、被扶養配偶者に該当しないため、第3号被保険者とはならない。

主として第二号被保険者の収入により生計を維持することに関する問です。本肢の者は配偶者、同一世帯、障害者で収入が180万円未満のため第三号被保険者となります。

年間収入が280万円の第2号被保険者と同一世帯に属している、日本国内に住所を有する年間収入が130万円の厚生年金保険法による障害厚生年金の受給要件に該当する程度の障害の状態にある50歳の配偶者は、被扶養配偶者に該当しないため、第3号被保険者とはならない。

選択肢2. 被保険者又は被保険者であった者が、国民年金法その他の政令で定める法令の規定に基づいて行われるべき事務の処理が行われなかったことにより付加保険料を納付する者となる申出をすることができなくなったとして、厚生労働大臣にその旨の申出をしようとするときは、申出書を市町村長(特別区の区長を含む。)に提出しなければならない。

特定事由に係る申し出の手続きに関する問です。①付加保険料の納付する者となる旨の申し出、②保険料免除及び学生納付特例の申請、③任意加入被保険者となる旨の申し出は申出書を日本年金機構に提出します。

被保険者又は被保険者であった者が、国民年金法その他の政令で定める法令の規定に基づいて行われるべき事務の処理が行われなかったことにより付加保険料を納付する者となる申出をすることができなくなったとして、厚生労働大臣にその旨の申出をしようとするときは、申出書を市町村長(特別区の区長を含む。)に提出しなければならない。

選択肢3. 保険料その他国民年金法の規定による徴収金の納付の督促を受けた者が指定の期限までに保険料その他同法の規定による徴収金を納付しないときは、厚生労働大臣は、国税滞納処分の例によってこれを処分し、又は滞納者の居住地若しくはその者の財産所在地の市町村(特別区を含む。以下本問において同じ。)に対して、その処分を請求することができる。この請求を受けた市町村が、市町村税の例によってこれを処分した場合には、厚生労働大臣は徴収金の100分の4に相当する額を当該市町村に交付しなければならない。

市町村が滞納処分を行う場合の扱いに関する問です。

(督促及び滞納処分)

第九十六条 保険料その他この法律の規定による徴収金を滞納する者があるときは、厚生労働大臣は、期限を指定して、これを督促することができる。

(中略)

5 市町村は、前項の規定による処分の請求を受けたときは、市町村税の例によつてこれを処分することができる。この場合においては、厚生労働大臣は、徴収金の百分の四に相当する額を当該市町村に交付しなければならない。

選択肢4. 共済組合等が共済払いの基礎年金(国民年金法施行令第1条第1項第1号から第3号までに規定する老齢基礎年金、障害基礎年金及び遺族基礎年金であって厚生労働省令で定めるものをいう。)の支払に関する事務を行う場合に、政府はその支払に必要な資金を日本年金機構に交付することにより当該共済組合等が必要とする資金の交付をさせることができる。

共済組合の加入者は共済組合から老齢基礎年金と老齢厚生年金の支給を受けますが、そのお金は政府から共済組合に渡す必要があります。その場合には日本銀行に交付することにより当該共済組合等が必要とする資金の交付を行います。

共済組合等が共済払いの基礎年金(国民年金法施行令第1条第1項第1号から第3号までに規定する老齢基礎年金、障害基礎年金及び遺族基礎年金であって厚生労働省令で定めるものをいう。)の支払に関する事務を行う場合に、政府はその支払に必要な資金を日本年金機構に交付することにより当該共済組合等が必要とする資金の交付をさせることができる。

選択肢5. 国庫は、当該年度における20歳前傷病による障害基礎年金の給付に要する費用について、当該費用の100分の20に相当する額と、残りの部分 (100分の80)の4分の1に相当する額を合計した、当該費用の100分の40に相当する額を負担する。

20歳前傷病の国庫負担に関する問です。

100分の20を予め特別の国庫負担を行うとともに、その他の部分(100分の80)は2分の一を国庫が負担します。併せて100分の60を国庫が負担します。

(国庫負担)

第八十五条 国庫は、毎年度、国民年金事業に要する費用(次項に規定する費用を除く。)に充てるため、次に掲げる額を負担する。

(中略)

三 当該年度における第三十条の四の規定による障害基礎年金の給付に要する費用の百分の二十に相当する額

国庫は、当該年度における20歳前傷病による障害基礎年金の給付に要する費用について、当該費用の100分の20に相当する額と、残りの部分 (100分の80)の4分の1に相当する額を合計した、当該費用の100分の40に相当する額を負担する。

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