社会保険労務士の過去問
第53回(令和3年度)
国民年金法 問7

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

社労士試験 第53回(令和3年度) 択一式 国民年金法 問7 (訂正依頼・報告はこちら)

国民年金法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
  • 配偶者に対する遺族基礎年金が、その者の1年以上の所在不明によりその支給を停止されているときは、子に対する遺族基礎年金もその間、その支給を停止する。
  • 老齢基礎年金の支給繰上げの請求をした場合の振替加算については、受給権者が65歳に達した日以後に行われる。老齢基礎年金の支給繰下げの申出をした場合は、振替加算も繰下げて支給されるが、振替加算額が繰下げにより増額されることはない。
  • 国民年金事務組合の認可基準の1つとして、国民年金事務組合の認可を受けようとする同種の事業又は業務に従事する被保険者を構成員とする団体が東京都又は指定都市を有する道府県に所在し、かつ、国民年金事務を委託する被保険者を少なくとも2,000以上有するものであることが必要である。
  • 被保険者資格の取得及び喪失並びに種別の変更に関する事項並びに氏名及び住所の変更に関する事項の届出が必要な場合には、第1号被保険者は市町村長(特別区の区長を含む。)に、第3号被保険者は厚生労働大臣に、届け出なければならない。
  • 国民年金基金は、規約に定める事務所の所在地を変更したときは、2週間以内に公告しなければならない。

次の問題へ

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (3件)

01

1.間違いです。

配偶者の遺族基礎年金の問題です。

配偶者と子供が居る場合は、

一般的には、配偶者がもらいます。

配偶者が停止されている時は、

子供がもらいます。

両者ともが停止にはなりません。

2.正解です。

老齢基礎の繰り上げの問題です。

振替加算は、繰り上げても65歳からしかつきません。

繰下げした場合も、本体と一緒に繰り下げされます。

増額などの規定はありません。

3.正解です。

国民年金事務組合の認可記入の問題です。

マイナーで難しい問題です。

国民年金事務組合は、大臣の認可を受けます。

認可基準に、

「当該事務を委託する被保険者を少なくとも

2000人以上有するものであること」

との基準があります。

4.正解です。

手続きの問題です。

氏名、住所の変更をした時は、

第1号被保険者は、市町村

第3号被保険者は、大臣になります。

5.正解です。

国民年金基金の公示の問題です。

マイナーな難しい問題です。

基金が設立した時は、4週間以内に公示します。

事務所の所在地に変更があった場合は

2週間以内に公示します。

参考になった数9

02

解説は以下のとおりです。

選択肢1. 配偶者に対する遺族基礎年金が、その者の1年以上の所在不明によりその支給を停止されているときは、子に対する遺族基礎年金もその間、その支給を停止する。

【正誤】誤った記述です。

【ポイント・考え方】

 設問文の場合は、該当の子は申請することによって、所在が明らかでなくなった時に遡って、配偶者の支給を停止することができます。

 その結果、該当の子に支給がされるようになります。

【学習・実務でのワンポイント】

 本設問文の理由により支給停止された配偶者は、いつでも、その支給停止の解除を申請することができます。

 本設問は、その点も含めて、形を変えて過去に何回か出題されていますので、正確に理解しておきましょう。

選択肢2. 老齢基礎年金の支給繰上げの請求をした場合の振替加算については、受給権者が65歳に達した日以後に行われる。老齢基礎年金の支給繰下げの申出をした場合は、振替加算も繰下げて支給されるが、振替加算額が繰下げにより増額されることはない。

【正誤】正しい記述です。

【ポイント・考え方】

 振替加算は、簡単にいうと、国民年金に任意加入できる状態であった人が(現在はそのようなことはありませんが)、任意加入しなかったことで老齢年金が低額になってしまうため、そのような人への配慮のために加算する制度です。

 このため、保険料納付に基づく給付ではないので、繰下げによる増額の対象とはされていない(給付財源の低下回避のためと推察します)、と理解しておくとよいと思います。

【学習・実務でのワンポイント】

 振替加算の制度が適用されるのが、現在の基礎年金の制度がスタートした1986年(昭和61年)4月1日時点で20歳以上だった1966年(昭和41年)4月1日以前に生まれた人である点を覚えておくとよいでしょう。

選択肢3. 国民年金事務組合の認可基準の1つとして、国民年金事務組合の認可を受けようとする同種の事業又は業務に従事する被保険者を構成員とする団体が東京都又は指定都市を有する道府県に所在し、かつ、国民年金事務を委託する被保険者を少なくとも2,000以上有するものであることが必要である。

【正誤】正しい記述です。

【ポイント・考え方】

 設問文のとおりです。

【学習・実務でのワンポイント】

 本設問単体での正誤を理解できたか否かは、気にしなくてよいと筆者は考えています。

選択肢4. 被保険者資格の取得及び喪失並びに種別の変更に関する事項並びに氏名及び住所の変更に関する事項の届出が必要な場合には、第1号被保険者は市町村長(特別区の区長を含む。)に、第3号被保険者は厚生労働大臣に、届け出なければならない。

【正誤】正しい記述です。

【ポイント・考え方】

 法令上の規定は、設問文のとおりです。

 そのまま理解しておきましょう。

【学習・実務でのワンポイント】

 実務上は、第3号被保険者にかかる届出は、扶養者である第2号被保険者の所属する企業等を経由してなされます。

 被扶養配偶者であることの確認等を含めて、第3号被保険者にかかる各種届出は、企業等が一部の役割を担っていると理解しておくとよいでしょう。

選択肢5. 国民年金基金は、規約に定める事務所の所在地を変更したときは、2週間以内に公告しなければならない。

【正誤】正しい記述です。

【ポイント・考え方】

 設問文のとおりです。

【学習・実務でのワンポイント】

 国民年金基金に関する本観点での学習は、優先度を下げてよいと筆者は考えています。

まとめ

【全体総括】

 学習優先度が低い分野からの設問が多いように筆者には感じられました。

 選択肢「配偶者に対する遺族基礎年金が・・・」が誤りであることがわかるか否かで、解答時間の節約と正答率に違いが出るでしょう。

参考になった数5

03

解説は以下のとおりです。

選択肢1. 配偶者に対する遺族基礎年金が、その者の1年以上の所在不明によりその支給を停止されているときは、子に対する遺族基礎年金もその間、その支給を停止する。

遺族基礎年金の支給停止に関する問です。「配偶者に対する遺族基礎年金が第二十条の二第一項若しくは第二項又は次条第一項の規定」とは配偶者に対する遺族基礎年金がその申出により、または所在不明により支給停止とされる規定です。これらの場合子に対する遺族基礎年金は支給停止されません。

(支給停止)

第四十一条 遺族基礎年金は、当該被保険者又は被保険者であつた者の死亡について、労働基準法の規定による遺族補償が行われるべきものであるときは、死亡日から六年間、その支給を停止する。

2 子に対する遺族基礎年金は、配偶者が遺族基礎年金の受給権を有するとき(配偶者に対する遺族基礎年金が第二十条の二第一項若しくは第二項又は次条第一項の規定によりその支給を停止されているときを除く。)、又は生計を同じくするその子の父若しくは母があるときは、その間、その支給を停止する。

配偶者に対する遺族基礎年金が、その者の1年以上の所在不明によりその支給を停止されているときは、子に対する遺族基礎年金もその間、その支給を停止する。

選択肢2. 老齢基礎年金の支給繰上げの請求をした場合の振替加算については、受給権者が65歳に達した日以後に行われる。老齢基礎年金の支給繰下げの申出をした場合は、振替加算も繰下げて支給されるが、振替加算額が繰下げにより増額されることはない。

老齢基礎年金の支給繰上げの効果に関する問です。老齢年金の支給を繰上げても振替加算は65歳に達するまでは行われません。要件を満たす者には65歳に達するまで夫の厚生年金に加給年金がつきます。振替加算は減額されません。

選択肢3. 国民年金事務組合の認可基準の1つとして、国民年金事務組合の認可を受けようとする同種の事業又は業務に従事する被保険者を構成員とする団体が東京都又は指定都市を有する道府県に所在し、かつ、国民年金事務を委託する被保険者を少なくとも2,000以上有するものであることが必要である。

国民年金事務組合の設立要件に関する問です。例えば個人タクシー事業者は第一号被保険者ですが、団体を設立し資格の得喪等の届け出を代行するものです。認可基準の一つとして2000名以上があります。

(国民年金事務組合)

第百九条 同種の事業又は業務に従事する被保険者を構成員とする団体その他被保険者を構成員とするこれに類する団体で政令で定めるものは、当該構成員である被保険者の委託を受けて、当該被保険者に係る第十二条第一項の届出をすることができる。

2 前項に規定する団体(以下「国民年金事務組合」という。)は、同項に規定する委託を受けようとするときは、厚生労働大臣の認可を受けなければならない。

3 厚生労働大臣は、前項の認可を受けた国民年金事務組合がその行うべき事務の処理を怠り、又はその処理が著しく不当であると認めるときは、同項の認可を取り消すことができる。

選択肢4. 被保険者資格の取得及び喪失並びに種別の変更に関する事項並びに氏名及び住所の変更に関する事項の届出が必要な場合には、第1号被保険者は市町村長(特別区の区長を含む。)に、第3号被保険者は厚生労働大臣に、届け出なければならない。

第一号被保険者と第三号被保険者の届け出義務に関する問です。

第一号被保険者の窓口は市町村長、第三号被保険者の届け出先は厚生労働大臣(提出先は日本年金機構)です(則1条の4)。

選択肢5. 国民年金基金は、規約に定める事務所の所在地を変更したときは、2週間以内に公告しなければならない。

規約に定めた記載事項に関する規約の変更の届け出に関する問です。

政令で定める事項(事務所の変更、公告に関する事項)に係る規約の変更をしたときは、遅滞なく、これを厚生労働大臣に届けなければなりません。事務所の所在地の変更は2週間以内に公告しなければなりません。

参考になった数3