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社労士の過去問 第54回(令和4年度) 労働者災害補償保険法 問6

問題

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通勤災害に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
   1 .
労働者が上司から直ちに2泊3日の出張をするよう命じられ、勤務先を出てすぐに着替えを取りに自宅に立ち寄り、そこから出張先に向かう列車に乗車すべく駅に向かって自転車で進行中に、踏切で列車に衝突し死亡した場合、その路線が通常の通勤に使っていたものであれば、通勤災害と認められる。
   2 .
労働者が上司の命により、同じ社員寮に住む病気欠勤中の同僚の容体を確認するため、出勤してすぐに社員寮に戻る途中で、電車にはねられ死亡した場合、通勤災害と認められる。
   3 .
通常深夜まで働いている男性労働者が、半年ぶりの定時退社の日に、就業の場所からの帰宅途中に、ふだんの通勤経路を外れ、要介護状態にある義父を見舞うために義父の家に立ち寄り、一日の介護を終えた妻とともに帰宅の途につき、ふだんの通勤経路に復した後は、通勤に該当する。
   4 .
マイカー通勤の労働者が、経路上の道路工事のためにやむを得ず通常の経路を迂回して取った経路は、ふだんの通勤経路を外れた部分についても、通勤災害における合理的な経路と認められる。
   5 .
他に子供を監護する者がいない共稼ぎ労働者が、いつもどおり親戚に子供を預けるために、自宅から徒歩10分ほどの勤務先会社の前を通り過ぎて100メートルのところにある親戚の家まで、子供とともに歩き、子供を預けた後に勤務先会社まで歩いて戻る経路のうち、勤務先会社と親戚の家との間の往復は、通勤災害における合理的な経路とは認められない。
( 社労士試験 第54回(令和4年度) 択一式 労働者災害補償保険法 問6 )
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この過去問の解説 (3件)

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通勤災害に該当するかどうかを問うものです。こちらに通勤災害に関する考え方及び具体例が比較的にわかりやすく記載されています。時間があるときに見てみるとよいかもしれません。

https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00tb3983&dataType=1&pageNo=1

選択肢1. 労働者が上司から直ちに2泊3日の出張をするよう命じられ、勤務先を出てすぐに着替えを取りに自宅に立ち寄り、そこから出張先に向かう列車に乗車すべく駅に向かって自転車で進行中に、踏切で列車に衝突し死亡した場合、その路線が通常の通勤に使っていたものであれば、通勤災害と認められる。

誤:本肢には「労働者が上司から直ちに2泊3日の出張をするよう命じられ(事業主の支配下にある)」とあるため、出張を伴う業務命令であることがわかります。出張の移動にかかる災害については通勤災害ではなく業務災害(出張中の災害)となります。出張中はその出張過程全般を業務行為とみます。

選択肢2. 労働者が上司の命により、同じ社員寮に住む病気欠勤中の同僚の容体を確認するため、出勤してすぐに社員寮に戻る途中で、電車にはねられ死亡した場合、通勤災害と認められる。

誤:本肢には「労働者が上司の命(事業主の支配下にある)により、同じ社員寮に住む病気欠勤中の同僚の容体を確認するため」とあり、同僚の容態を確認するための移動にかかる災害については通勤災害ではなく業務災害(通勤途上の災害)となります。通勤途上であっても、それが業務の性質を有する場合には、通勤途上の災害も業務災害と認定されます。

選択肢3. 通常深夜まで働いている男性労働者が、半年ぶりの定時退社の日に、就業の場所からの帰宅途中に、ふだんの通勤経路を外れ、要介護状態にある義父を見舞うために義父の家に立ち寄り、一日の介護を終えた妻とともに帰宅の途につき、ふだんの通勤経路に復した後は、通勤に該当する。

誤:通勤中の逸脱・中断に関する問です。逸脱・中断として認められるには具体的な要件があります。要介護状態にある配偶者、子、父母、孫、祖父母及び兄弟姉妹並びに配偶者の父母の介護(継続的に又は反復して行われるものに限ります)と規定されています。本肢では・・・通常深夜まで働いている男性労働者が、半年ぶりの定時退社の日に・・・とあり、「継続的に又は反復して」に当てはまりません。

第一節 通則

第七条 この法律による保険給付は、次に掲げる保険給付とする。(中略)

③ 労働者が、前項各号に掲げる移動の経路を逸脱し、又は同項各号に掲げる移動を中断した場合においては、当該逸脱又は中断の間及びその後の同項各号に掲げる移動は、第一項第三号の通勤としない。ただし、当該逸脱又は中断が、日常生活上必要な行為であつて厚生労働省令で定めるものをやむを得ない事由により行うための最小限度のものである場合は、当該逸脱又は中断の間を除き、この限りでない。

選択肢4. マイカー通勤の労働者が、経路上の道路工事のためにやむを得ず通常の経路を迂回して取った経路は、ふだんの通勤経路を外れた部分についても、通勤災害における合理的な経路と認められる。

正:通勤の定義には合理的な経路及び方法により通勤を行うことと定義されており、「合理的な経路及び方法」は、移動の場合に一般に労働者が用いるものと認められる経路及び手段等を言います。1つとは限らず、状況(例えば道路の混雑状態など)により使い分けたりしていることも考えられます。・・・マイカー通勤の労働者が、経路上の道路工事のためにやむを得ず通常の経路を迂回して取った経路・・・は合理的な経路と考えられます。もし合理的な経路ではなかったら、工事の場合は普通に通勤しても通勤災害として認められないことになりおかしいです。

選択肢5. 他に子供を監護する者がいない共稼ぎ労働者が、いつもどおり親戚に子供を預けるために、自宅から徒歩10分ほどの勤務先会社の前を通り過ぎて100メートルのところにある親戚の家まで、子供とともに歩き、子供を預けた後に勤務先会社まで歩いて戻る経路のうち、勤務先会社と親戚の家との間の往復は、通勤災害における合理的な経路とは認められない。

誤:本肢の勤務先と親戚の家との間の往復は、通勤災害における合理的な経路と認められます。子供を預けるにかかる経路は全行程を合理的な経路と認められます。

付箋メモを残すことが出来ます。
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通勤災害となるか、業務災害になるか、いずれにもあたらないか、の判断基準を理解しているかどうかが正答のカギになる設問です。実例や指針が多数あるので、数多くふれることで、判断できるようになるでしょう。それでは問題を見ていきましょう。

選択肢1. 労働者が上司から直ちに2泊3日の出張をするよう命じられ、勤務先を出てすぐに着替えを取りに自宅に立ち寄り、そこから出張先に向かう列車に乗車すべく駅に向かって自転車で進行中に、踏切で列車に衝突し死亡した場合、その路線が通常の通勤に使っていたものであれば、通勤災害と認められる。

本設問文の場合、「通勤災害」ではなく「業務災害」と認められます。

出張中は、特別の事情がない限り、出張過程全般について事業主の支配下にあるといえるため、業務遂行性が認められます。

また、出張過程全般が業務行為とみられるため、 住居と出張先の往復も業務行為として取り扱われ、積極的な私用・私的行為・恣意的行為等にわたるものを除き、業務起因性も認められます。

したがって、本設問文の死亡は、業務災害と認められます。

出張については、基本的に家を出るところから業務にあたると大きく理解しておくとよいでしょう。

選択肢2. 労働者が上司の命により、同じ社員寮に住む病気欠勤中の同僚の容体を確認するため、出勤してすぐに社員寮に戻る途中で、電車にはねられ死亡した場合、通勤災害と認められる。

本設問文の場合、「通勤災害」ではなく「業務災害」と認められます。

設問の労働者が、就業の場所から自転車で欠勤者宅(社員寮)に向かう行為は、上司の命を受けて行った事業主の支配下にある行為であり、私的行為ではなく、業務遂行性が認められます。

したがって、本設問文の死亡は、業務災害と認められます。

上司・管理者等の指示・命令によるものか否かで、業務災害にあたるかどうかが判断されると、大きく理解しておくとよいでしょう。

選択肢3. 通常深夜まで働いている男性労働者が、半年ぶりの定時退社の日に、就業の場所からの帰宅途中に、ふだんの通勤経路を外れ、要介護状態にある義父を見舞うために義父の家に立ち寄り、一日の介護を終えた妻とともに帰宅の途につき、ふだんの通勤経路に復した後は、通勤に該当する。

本設問文の場合は、ふだんの通勤経路に復した後も、通勤に該当しません。

労働者が、通勤の対象となる移動の経路を逸脱した場合は、当該逸脱の間及びその後の移動は通勤とされません。

また、本設問文では、義父の介護について、男性労働者が継続的に介護を行っているとは読み取れず、日常生活上必要な行為であって厚生労働省令で定めるものには該当しません。

継続性・反復性があるか否かによって、通勤と認められるか、通勤経路からの逸脱と判断されるかが変わってくる点を理解しておくとよいでしょう。

選択肢4. マイカー通勤の労働者が、経路上の道路工事のためにやむを得ず通常の経路を迂回して取った経路は、ふだんの通勤経路を外れた部分についても、通勤災害における合理的な経路と認められる。

本設問文のとおりです。

労働者本人の意図ではなく、やむを得ず通常の経路を迂回せざるを得ない客観的理由がある場合は、ふだんの経路を外れていても、合理的な経路と認められうる点を、理解しておくとよいでしょう。

選択肢5. 他に子供を監護する者がいない共稼ぎ労働者が、いつもどおり親戚に子供を預けるために、自宅から徒歩10分ほどの勤務先会社の前を通り過ぎて100メートルのところにある親戚の家まで、子供とともに歩き、子供を預けた後に勤務先会社まで歩いて戻る経路のうち、勤務先会社と親戚の家との間の往復は、通勤災害における合理的な経路とは認められない。

本設問文の場合は、合理的な経路と認められます。

他に子供を監護する者がいない共稼ぎ労働者が、子供を親戚等に預けるためにとる経路は、就業のためにとらざるを得ない経路であるので、合理的な経路と認められます。

子供を必要な場所に預けるためにとる経路は、合理的な経路となりうる点を理解しておくとよいでしょう。

まとめ

冒頭の繰り返しになりますが、実例・指針に数多くふれることで、正答の可能性を高めることができますので、身近な実例で判断する訓練等をしてみるのもよいと考えます。

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この問題は、通勤災害に関する理解を問うものです。

通勤災害とは、労働者が就業に関し、住居と就業場所との間を移動する際に発生した負傷、疾病、障害、死亡が対象となります。

ただし、通勤災害と認められるためには、通勤経路や状況に特定の要件を満たす必要があります。

選択肢1. 労働者が上司から直ちに2泊3日の出張をするよう命じられ、勤務先を出てすぐに着替えを取りに自宅に立ち寄り、そこから出張先に向かう列車に乗車すべく駅に向かって自転車で進行中に、踏切で列車に衝突し死亡した場合、その路線が通常の通勤に使っていたものであれば、通勤災害と認められる。

誤り

解説:上司からの出張命令による自宅訪問は、業務の一環として行われており、通勤災害ではなく業務災害に該当します。

出張先に向かう途中の事故も業務災害と見なされるため、通勤災害とは認められません。

選択肢2. 労働者が上司の命により、同じ社員寮に住む病気欠勤中の同僚の容体を確認するため、出勤してすぐに社員寮に戻る途中で、電車にはねられ死亡した場合、通勤災害と認められる。

誤り

解説:上司の指示による同僚の容体確認は業務行為です。

したがって、これに関連した事故は通勤災害ではなく業務災害と判断されます。

選択肢3. 通常深夜まで働いている男性労働者が、半年ぶりの定時退社の日に、就業の場所からの帰宅途中に、ふだんの通勤経路を外れ、要介護状態にある義父を見舞うために義父の家に立ち寄り、一日の介護を終えた妻とともに帰宅の途につき、ふだんの通勤経路に復した後は、通勤に該当する。

誤り

解説:通常の通勤経路を外れ、私的な目的である義父の見舞いに立ち寄る行為は、通勤途中の逸脱と見なされ、通勤災害には該当しません。

選択肢4. マイカー通勤の労働者が、経路上の道路工事のためにやむを得ず通常の経路を迂回して取った経路は、ふだんの通勤経路を外れた部分についても、通勤災害における合理的な経路と認められる。

正しい

解説:道路工事による迂回路はやむを得ないものであり、この迂回路上での事故は通勤災害として認められます。

合理的な経路とみなされるためです。

選択肢5. 他に子供を監護する者がいない共稼ぎ労働者が、いつもどおり親戚に子供を預けるために、自宅から徒歩10分ほどの勤務先会社の前を通り過ぎて100メートルのところにある親戚の家まで、子供とともに歩き、子供を預けた後に勤務先会社まで歩いて戻る経路のうち、勤務先会社と親戚の家との間の往復は、通勤災害における合理的な経路とは認められない。

誤り

解説:子供を親戚の家に預ける行為は、通勤の途中でのやむを得ない行為として認められ、この行為に関連した事故は通勤災害と見なされます。

まとめ

通勤災害の判断には、「業務行為か否か」「通勤経路の逸脱・中断の有無」「合理的な経路としての認識」が重要です。

業務行為に関連した事故は業務災害、私的行為や通勤経路からの逸脱に関連した事故は通勤災害とは認められません。

一方で、通勤経路上でのやむを得ない行為に起因する事故は通勤災害として認識されます。

各選択肢をこの基準に照らし合わせて考えることが重要です。

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