社会保険労務士の過去問
第54回(令和4年度)
労務管理その他の労働に関する一般常識 問5

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

社労士試験 第54回(令和4年度) 択一式 労務管理その他の労働に関する一般常識 問5 (訂正依頼・報告はこちら)

社会保険労務士法令に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
  • 社会保険労務士が、事業における労務管理その他の労働に関する事項及び労働社会保険諸法令に基づく社会保険に関する事項について、裁判所において、補佐人として、弁護士である訴訟代理人とともに出頭し、行った陳述は、当事者又は訴訟代理人が自らしたものとみなされるが、当事者又は訴訟代理人が社会保険労務士の行った陳述を直ちに取り消し、又は更正したときは、この限りでない。
  • 懲戒処分により社会保険労務士の失格処分を受けた者で、その処分を受けた日から3年を経過しないものは、社会保険労務士となる資格を有しない。
  • 社会保険労務士法第25条に定める社会保険労務士に対する懲戒処分のうち戒告は、社会保険労務士の職責又は義務に反する行為を行った者に対し、本人の将来を戒めるため、1年以内の一定期間について、社会保険労務士の業務の実施あるいはその資格について制約を課す処分である。
  • 社会保険労務士法第25条に定める社会保険労務士に対する懲戒処分の効力は、当該処分が行われたときより発効し、当該処分を受けた社会保険労務士が、当該処分を不服として法令等により権利救済を求めていることのみによっては、当該処分の効力は妨げられない。
  • 紛争解決手続代理業務を行うことを目的とする社会保険労務士法人は、特定社会保険労務士である社員が常駐していない事務所においては、紛争解決手続代理業務を取り扱うことができない。

次の問題へ

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (3件)

01

社会保険労務士を目指そうとしている方は、出題されるか否かにかかわらず、ぜひどのような規定があるのかを学習しておくとよいでしょう。それでは問題を見ていきましょう。

選択肢1. 社会保険労務士が、事業における労務管理その他の労働に関する事項及び労働社会保険諸法令に基づく社会保険に関する事項について、裁判所において、補佐人として、弁護士である訴訟代理人とともに出頭し、行った陳述は、当事者又は訴訟代理人が自らしたものとみなされるが、当事者又は訴訟代理人が社会保険労務士の行った陳述を直ちに取り消し、又は更正したときは、この限りでない。

本設問文のとおりです。

そのまま理解してしまいましょう。

選択肢2. 懲戒処分により社会保険労務士の失格処分を受けた者で、その処分を受けた日から3年を経過しないものは、社会保険労務士となる資格を有しない。

本設問文のとおりです。

懲戒処分を受けると、その後3年間は資格を有しない(名乗ることができない)ので、実務においても公正・誠実に業務を行うよう常に意識しておきたいものです。

選択肢3. 社会保険労務士法第25条に定める社会保険労務士に対する懲戒処分のうち戒告は、社会保険労務士の職責又は義務に反する行為を行った者に対し、本人の将来を戒めるため、1年以内の一定期間について、社会保険労務士の業務の実施あるいはその資格について制約を課す処分である。

戒告については、本設問文のような制約を課す処分は含んでいません。

一般的に、戒告は懲戒処分の中で最も軽い処分に位置づけられることが多く、本設問文のような制約を課すレベルのものではないと理解しておくとよいでしょう。

選択肢4. 社会保険労務士法第25条に定める社会保険労務士に対する懲戒処分の効力は、当該処分が行われたときより発効し、当該処分を受けた社会保険労務士が、当該処分を不服として法令等により権利救済を求めていることのみによっては、当該処分の効力は妨げられない。

処分の効力が解除されるのは、求めている権利救済が認められた場合であり、求めた段階ではまだ処分は有効です。

(権利救済を求めただけでは、処分の停止は行われません)

なお、求めている権利救済に理由があるとして認められた場合は、別な手段により失われた権利等にかかる賠償請求が可能です。

(後付けで補償されます)

選択肢5. 紛争解決手続代理業務を行うことを目的とする社会保険労務士法人は、特定社会保険労務士である社員が常駐していない事務所においては、紛争解決手続代理業務を取り扱うことができない。

本設問文のとおりです。

紛争解決手続きは、随時重要な対応が必要となる可能性がありうることを想定し、資格を有する社員が常駐していない場合は、対応の迅速性等に影響があり得るなどにより取り扱えない、と理解しておくとよいでしょう。

参考になった数15

02

社会保険労務士法懲戒処分の基準などが以下に記載されています。懲戒処分については過去門でも頻出領域です。一般常識は水物ですが、数少ない法令からの出題で暗記により対応できる設問が多いです。懲戒の種類、適用される事由についてしっかり押さえる必要があります。

https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/shahorou-tyoukai/tyoukai-kijun.html

選択肢1. 社会保険労務士が、事業における労務管理その他の労働に関する事項及び労働社会保険諸法令に基づく社会保険に関する事項について、裁判所において、補佐人として、弁護士である訴訟代理人とともに出頭し、行った陳述は、当事者又は訴訟代理人が自らしたものとみなされるが、当事者又は訴訟代理人が社会保険労務士の行った陳述を直ちに取り消し、又は更正したときは、この限りでない。

正:社会保険労務士法第二条の2から条文ベースの出題です。過去にも出題実績があります。

第二条の二 社会保険労務士は、事業における労務管理その他の労働に関する事項及び労働社会保険諸法令に基づく社会保険に関する事項について、裁判所において、補佐人として、弁護士である訴訟代理人とともに出頭し、陳述をすることができる。

2 前項の陳述は、当事者又は訴訟代理人が自らしたものとみなす。ただし、当事者又は訴訟代理人が同項の陳述を直ちに取り消し、又は更正したときは、この限りでない。

選択肢2. 懲戒処分により社会保険労務士の失格処分を受けた者で、その処分を受けた日から3年を経過しないものは、社会保険労務士となる資格を有しない。

正:社会保険労務士法第五条から条文ベースの出題です。過去にも出題実績があります。

(欠格事由)

第五条 次の各号のいずれかに該当する者は、第三条の規定にかかわらず、社会保険労務士となる資格を有しない。

一 未成年者

二 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者

三 懲戒処分により社会保険労務士の失格処分を受けた者で、その処分を受けた日から三年を経過しないもの

選択肢3. 社会保険労務士法第25条に定める社会保険労務士に対する懲戒処分のうち戒告は、社会保険労務士の職責又は義務に反する行為を行った者に対し、本人の将来を戒めるため、1年以内の一定期間について、社会保険労務士の業務の実施あるいはその資格について制約を課す処分である。

誤:社会保険労務士法第二十五条から条文ベースの出題です。懲戒については頻繁に出題されています。戒告は処分の中で最も軽いもので、厳重注意に相当します。本肢の「1年以内の一定期間について、社会保険労務士の業務の実施あるいはその資格について制約を課す処分」は2番目の1年以内の業務停止に相当します。

(懲戒の種類)

第二十五条 社会保険労務士に対する懲戒処分は、次の三種とする。

一 戒告

二 一年以内の開業社会保険労務士若しくは開業社会保険労務士の使用人である社会保険労務士又は社会保険労務士法人の社員若しくは使用人である社会保険労務士の業務の停止

三 失格処分(社会保険労務士の資格を失わせる処分をいう。以下同じ。)

選択肢4. 社会保険労務士法第25条に定める社会保険労務士に対する懲戒処分の効力は、当該処分が行われたときより発効し、当該処分を受けた社会保険労務士が、当該処分を不服として法令等により権利救済を求めていることのみによっては、当該処分の効力は妨げられない。

正:社会保険労務士法第二十五条からの出題です。全く同じ条文はないですが、処分を受けた社会保険労務士が不服申し立てをしている間は当該処分の効力は妨げられるというのは理にかなわないと推測できると思います。

選択肢5. 紛争解決手続代理業務を行うことを目的とする社会保険労務士法人は、特定社会保険労務士である社員が常駐していない事務所においては、紛争解決手続代理業務を取り扱うことができない。

正:社会保険労務士法第十六条の2からの条文ベースの出題です。

(紛争解決手続代理業務の取扱い)

第二十五条の十六の二 紛争解決手続代理業務を行うことを目的とする社会保険労務士法人は、特定社員が常駐していない事務所においては、紛争解決手続代理業務を取り扱うことができない。

参考になった数3

03

この問題は、社会保険労務士法令に関する知識を問うもので、社会保険労務士の業務範囲、懲戒処分の規定、懲戒処分の効力、及び紛争解決手続代理業務に関する内容が含まれています。

それぞれの選択肢が社会保険労務士法の特定の条文に対応しており、法律の正確な理解が問われています。

選択肢1. 社会保険労務士が、事業における労務管理その他の労働に関する事項及び労働社会保険諸法令に基づく社会保険に関する事項について、裁判所において、補佐人として、弁護士である訴訟代理人とともに出頭し、行った陳述は、当事者又は訴訟代理人が自らしたものとみなされるが、当事者又は訴訟代理人が社会保険労務士の行った陳述を直ちに取り消し、又は更正したときは、この限りでない。

正しい

解説:社会保険労務士は裁判所で補佐人として陳述する権利がありますが、その陳述は当事者や訴訟代理人が直ちに取り消しまたは更正した場合には、その陳述が当事者や訴訟代理人によるものとみなされません。

これは、社会保険労務士が裁判所での発言において一定の影響力を持つことを示していますが、その影響力には制限があることを意味しています。

選択肢2. 懲戒処分により社会保険労務士の失格処分を受けた者で、その処分を受けた日から3年を経過しないものは、社会保険労務士となる資格を有しない。

正しい

解説:懲戒処分により失格処分を受けた社会保険労務士は、処分を受けた日から3年間は社会保険労務士となる資格を持てません。

これは、社会保険労務士としての責任と職務の重要性を強調する規定です。

選択肢3. 社会保険労務士法第25条に定める社会保険労務士に対する懲戒処分のうち戒告は、社会保険労務士の職責又は義務に反する行為を行った者に対し、本人の将来を戒めるため、1年以内の一定期間について、社会保険労務士の業務の実施あるいはその資格について制約を課す処分である。

誤り

解説:戒告は、社会保険労務士の職責や義務に反する行為を行った者に対する最も軽い懲戒処分ですが、業務の実施や資格に制約を課す処分ではありません。

これは、懲戒処分の中で最も軽いものであり、厳重な警告に相当します。

選択肢4. 社会保険労務士法第25条に定める社会保険労務士に対する懲戒処分の効力は、当該処分が行われたときより発効し、当該処分を受けた社会保険労務士が、当該処分を不服として法令等により権利救済を求めていることのみによっては、当該処分の効力は妨げられない。

正しい

解説:社会保険労務士法による懲戒処分の効力は、処分が行われた時点から発効します。処分を受けた社会保険労務士が処分を不服として権利救済を求めている場合でも、処分の効力は妨げられません。

これは、懲戒処分の即時効力を示しています。

選択肢5. 紛争解決手続代理業務を行うことを目的とする社会保険労務士法人は、特定社会保険労務士である社員が常駐していない事務所においては、紛争解決手続代理業務を取り扱うことができない。

正しい

解説:紛争解決手続代理業務を行う社会保険労務士法人は、特定社会保険労務士が常駐していない事務所では、この業務を行うことができません。

これは、紛争解決手続代理業務の質を確保するために必要な規定です。

まとめ

社会保険労務士法令に関する問題では、具体的な法令の内容を正確に把握することが重要です。

法令の条文の意味を正確に理解し、実務に関連する場面での適用範囲や制限を把握することが必要です。

また、社会保険労務士の業務範囲や懲戒処分の内容、効力についての基本的な知識を有することが求められます。

特に、法律の条文や規定に関する質問には、法律の条文を正確に理解して対応する必要があります。

参考になった数2