社会保険労務士の過去問
第55回(令和5年度)
労働者災害補償保険法 問8

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問題

社労士試験 第55回(令和5年度) 択一式 労働者災害補償保険法 問8 (訂正依頼・報告はこちら)

労働保険の保険料の徴収等に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
なお、本問においては保険年度の中途に特別加入者の事業の変更や異動等はないものとする。
  • 中小事業主等が行う事業に係る労災保険率が1,000分の4であり、当該中小事業主等が労災保険法第34条第1項の規定により保険給付を受けることができることとされた者である場合、当該者に係る給付基礎日額が12,000円のとき、令和5年度の保険年度1年間における第1種特別加入保険料の額は17,520円となる。
  • 有期事業について、中小事業主等が労災保険法第34条第1項の規定により保険給付を受けることができることとされた者である場合、当該者が概算保険料として納付すべき第1種特別加入保険料の額は、同項の承認に係る全期間における特別加入保険料算定基礎額の総額の見込額に当該事業についての第1種特別加入保険料率を乗じて算定した額とされる。
  • 労災保険法第35条第1項の規定により労災保険の適用を受けることができることとされた者に係る給付基礎日額が12,000円である場合、当該者の事業又は作業の種類がいずれであっても令和5年度の保険年度1年間における第2種特別加入保険料の額が227,760円を超えることはない。
  • フードデリバリーの自転車配達員が労災保険法の規定により労災保険に特別加入をすることができる者とされた場合、当該者が納付する特別加入保険料は第2種特別加入保険料である。
  • 中小事業主等が行う事業に係る労災保険率が1,000分の9であり、当該中小事業主等に雇用される者が労災保険法第36条第1項の規定により保険給付を受けることができることとされた者である場合、当該者に係る給付基礎日額が12,000円のとき、令和5年度の保険年度1年間における第3種特別加入保険料の額は39,420円となる。

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この過去問の解説 (3件)

01

この問題は、労災保険の特別加入者に関する保険料の徴収について問われています。

特別加入者とは、通常の労働者とは異なる特定の条件のもとで労働する者(例えばフリーランスや一部のパートタイム労働者など)で、労災保険に加入することが許された者のことを指します。

ここでは、特別加入者の保険料計算方法や保険料率、それに関する具体的なケースが問われています。

選択肢1. 中小事業主等が行う事業に係る労災保険率が1,000分の4であり、当該中小事業主等が労災保険法第34条第1項の規定により保険給付を受けることができることとされた者である場合、当該者に係る給付基礎日額が12,000円のとき、令和5年度の保険年度1年間における第1種特別加入保険料の額は17,520円となる。

正しい

解説:中小事業主等が行う事業における労災保険率が1,000分の4で、給付基礎日額が12,000円の場合、1年間の第1種特別加入保険料は17,520円となります。

計算方法は12,000円 × 365日 × 4/1,000です。

この計算は、特定の労災保険率と給付基礎日額に基づき、1年間の保険料を算出するものです。

選択肢2. 有期事業について、中小事業主等が労災保険法第34条第1項の規定により保険給付を受けることができることとされた者である場合、当該者が概算保険料として納付すべき第1種特別加入保険料の額は、同項の承認に係る全期間における特別加入保険料算定基礎額の総額の見込額に当該事業についての第1種特別加入保険料率を乗じて算定した額とされる。

正しい

解説:有期事業に関して、中小事業主等が特別加入者として保険給付を受けることが可能な場合、概算保険料は、承認に係る全期間の特別加入保険料算定基礎額の見込額に第1種特別加入保険料率を乗じて計算されます。

これにより、事業期間全体の保険料を前もって算出することが可能になります。

選択肢3. 労災保険法第35条第1項の規定により労災保険の適用を受けることができることとされた者に係る給付基礎日額が12,000円である場合、当該者の事業又は作業の種類がいずれであっても令和5年度の保険年度1年間における第2種特別加入保険料の額が227,760円を超えることはない。

正しい

解説:労災保険法第35条第1項に基づいて保険の適用を受ける者の給付基礎日額が12,000円の場合、その者の事業又は作業の種類に関わらず、令和5年度の1年間の第2種特別加入保険料の額は227,760円を超えることはありません。

最高保険料率が林業で1,000分の52であるため、この計算により得られる最高額が227,760円となります。

選択肢4. フードデリバリーの自転車配達員が労災保険法の規定により労災保険に特別加入をすることができる者とされた場合、当該者が納付する特別加入保険料は第2種特別加入保険料である。

正しい

解説:フードデリバリーの自転車配達員が労災保険に特別加入する場合、納付する保険料は第2種特別加入保険料となります。

これは、彼らが「自転車を使用して行う貨物の運送の事業」に従事しているため、このカテゴリに分類されるからです。

選択肢5. 中小事業主等が行う事業に係る労災保険率が1,000分の9であり、当該中小事業主等に雇用される者が労災保険法第36条第1項の規定により保険給付を受けることができることとされた者である場合、当該者に係る給付基礎日額が12,000円のとき、令和5年度の保険年度1年間における第3種特別加入保険料の額は39,420円となる。

誤り

解説:中小事業主等が行う事業の労災保険率が1,000分の9で、給付基礎日額12,000円の場合、1年間の第3種特別加入保険料は39,420円ではなく、13,140円となります。

計算式は12,000円 × 365日 × 3/1,000で、1,000分の3が適用されます。

まとめ

労働保険の保険料の計算は、保険料率、給付基礎日額、保険年度の期間などに基づいて行われます。

特に特別加入保険料の計算には、事業の種類や期間、保険料率などの要素が関わってきます。

問題文に記載されている具体的な数字を使用して計算を行う必要があり、正確な計算方法と適用条件の理解が重要です。

また、特別加入者のカテゴリ(第1種、第2種、第3種)を正確に理解することも求められます。

それぞれの選択肢を詳細に分析し、問題文に与えられた情報を基に、どの選択肢が正しいかを検討することが必要です。

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02

特別加入保険料等に関する出題ですが、少し難しい問題ですのであまり気にする必要はありません。労働保険料の計算方法、3種類の特別加入者それぞれの違いなどを押さえておきましょう。

選択肢1. 中小事業主等が行う事業に係る労災保険率が1,000分の4であり、当該中小事業主等が労災保険法第34条第1項の規定により保険給付を受けることができることとされた者である場合、当該者に係る給付基礎日額が12,000円のとき、令和5年度の保険年度1年間における第1種特別加入保険料の額は17,520円となる。

設問の通り正しい。なお設問の場合の計算式は、

12,000円 × 365日 × 4/1,000 = 17,520円です。

選択肢2. 有期事業について、中小事業主等が労災保険法第34条第1項の規定により保険給付を受けることができることとされた者である場合、当該者が概算保険料として納付すべき第1種特別加入保険料の額は、同項の承認に係る全期間における特別加入保険料算定基礎額の総額の見込額に当該事業についての第1種特別加入保険料率を乗じて算定した額とされる。

設問の通り正しい。有期事業の場合の概算保険料は、承認に係る全期間における特別加入保険料算定基礎額の総額の見込額に第1種特別加入保険料率を乗じて算定した額とされます。

この点は継続事業と計算方法が異なりますので押さえておきましょう。

選択肢3. 労災保険法第35条第1項の規定により労災保険の適用を受けることができることとされた者に係る給付基礎日額が12,000円である場合、当該者の事業又は作業の種類がいずれであっても令和5年度の保険年度1年間における第2種特別加入保険料の額が227,760円を超えることはない。

設問の通り正しい。「超えることはない」という表現が迷うところです。第2種特別保険料率が最も高いのは林業の事業で、1000分の52とされいてます。

これを保険料の計算式に当てはめると、12,000円 × 365日 × 52/1,000 = 227,760円となります。保険料率を覚えていないと解答できない問題ですのでかなり難しい問題と言えるでしょう。

選択肢4. フードデリバリーの自転車配達員が労災保険法の規定により労災保険に特別加入をすることができる者とされた場合、当該者が納付する特別加入保険料は第2種特別加入保険料である。

設問の通り正しい。最近よく見かけるフードデリバリーの自転車配達員ですが、事業の種類は「自転車を使用して行う貨物の運送の事業」になりますので第2種特別加入者となります。

選択肢5. 中小事業主等が行う事業に係る労災保険率が1,000分の9であり、当該中小事業主等に雇用される者が労災保険法第36条第1項の規定により保険給付を受けることができることとされた者である場合、当該者に係る給付基礎日額が12,000円のとき、令和5年度の保険年度1年間における第3種特別加入保険料の額は39,420円となる。

誤り。設問の場合の計算式は12,000円 × 365日 × 3/1,000 = 13,140円となります。

1000分の3という保険料率を覚えていないと解答できません。

余力があれば押さえておきましょう。

まとめ

実際の保険料を計算させる問題はたまに出題されますが、解答するのに時間がかかる問題が多いです。

本試験の際は解く順番としては後回しで良いので、他の問題を解答し最後に戻ってくるというような解き方のほうが、時間配分としては良いでしょう。

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03

労災保険の特別加入保険料に関する問題です。

選択肢1. 中小事業主等が行う事業に係る労災保険率が1,000分の4であり、当該中小事業主等が労災保険法第34条第1項の規定により保険給付を受けることができることとされた者である場合、当該者に係る給付基礎日額が12,000円のとき、令和5年度の保険年度1年間における第1種特別加入保険料の額は17,520円となる。

正しいです。給付基礎日額が12,000円の場合、保険料算定基礎額は「12,000円×365=4,380,000円」となります。この額に特別加入保険料率を乗じると、第1種特別加入保険料の額は「4,380,000円×1,000分の4=17,520円」となります。

選択肢2. 有期事業について、中小事業主等が労災保険法第34条第1項の規定により保険給付を受けることができることとされた者である場合、当該者が概算保険料として納付すべき第1種特別加入保険料の額は、同項の承認に係る全期間における特別加入保険料算定基礎額の総額の見込額に当該事業についての第1種特別加入保険料率を乗じて算定した額とされる。

正しいです。第1種特別加入の対象者が納付すべき第1種特別加入保険料の額は、労災保険法第34条第1項の承認に係る全期間における特別加入保険料算定基礎額の総額の見込額に当該事業についての第1種特別加入保険料率を乗じて算定した額となります。

選択肢3. 労災保険法第35条第1項の規定により労災保険の適用を受けることができることとされた者に係る給付基礎日額が12,000円である場合、当該者の事業又は作業の種類がいずれであっても令和5年度の保険年度1年間における第2種特別加入保険料の額が227,760円を超えることはない。

正しいです。第2種特別加入保険料率は最大「1,000分の52」です。給付基礎日額が12,000円の場合、保険料算定基礎額は「12,000円×365=4,380,000円」となります。この額に第2種特別加入保険料率の最大割合である「1,000分の52」を乗じると、「4,380,000円×1,000分の52=227,760円」となり、当該額を超えることはありません。

選択肢4. フードデリバリーの自転車配達員が労災保険法の規定により労災保険に特別加入をすることができる者とされた場合、当該者が納付する特別加入保険料は第2種特別加入保険料である。

正しいです。いわゆるUberEATSのような「フードデリバリーの自転車配達員」は、「自転車を使用して行う貨物の運送の事業」に該当するため、第2種特別加入の対象となる。

選択肢5. 中小事業主等が行う事業に係る労災保険率が1,000分の9であり、当該中小事業主等に雇用される者が労災保険法第36条第1項の規定により保険給付を受けることができることとされた者である場合、当該者に係る給付基礎日額が12,000円のとき、令和5年度の保険年度1年間における第3種特別加入保険料の額は39,420円となる。

誤りです。第3種特別加入保険料率は、一律「1,000分の3」です。給付基礎日額が12,000円の場合、保険料算定基礎額は「12,000円×365=4,380,000円」となります。この額に第3種特別加入保険料率を乗じると、第3種特別加入保険料の額は「4,380,000円×1,000分の3=13,140円」となります。

まとめ

労働保険徴収法においては、計算が伴う問題が出されることもありますので、実際に計算ができるようにしておきましょう。

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