社会保険労務士の過去問
第55回(令和5年度)
労働者災害補償保険法 問9

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問題

社労士試験 第55回(令和5年度) 択一式 労働者災害補償保険法 問9 (訂正依頼・報告はこちら)

労働保険の保険料の徴収等に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
  • 労働保険事務組合の主たる事務所が所在する都道府県に主たる事務所を持つ事業の事業主のほか、他の都道府県に主たる事務所を持つ事業の事業主についても、当該労働保険事務組合に労働保険事務を委託することができる。
  • 労働保険事務組合の主たる事務所の所在地を管轄する都道府県労働局長は、必要があると認めたときは、当該労働保険事務組合に対し、当該労働保険事務組合が労働保険事務の処理の委託を受けることができる事業の行われる地域について必要な指示をすることができる。
  • 労働保険事務組合は労働保険徴収法第33条第2項に規定する厚生労働大臣の認可を受けることによって全く新しい団体が設立されるわけではなく、既存の事業主の団体等がその事業の一環として、事業主が処理すべき労働保険事務を代理して処理するものである。
  • 労働保険事務組合事務処理規約に規定する期限までに、確定保険料申告書を作成するための事実を事業主が報告したにもかかわらず、労働保険事務組合が労働保険徴収法の定める申告期限までに確定保険料申告書を提出しなかったため、所轄都道府県労働局歳入徴収官が確定保険料の額を認定決定し、追徴金を徴収することとした場合、当該事業主が当該追徴金を納付するための金銭を当該労働保険事務組合に交付しなかったときは、当該労働保険事務組合は政府に対して当該追徴金の納付責任を負うことはない。
  • 清掃業を主たる事業とする事業主は、その使用する労働者数が臨時に増加し一時的に300人を超えることとなった場合でも、常態として300人以下であれば労働保険事務の処理を労働保険事務組合に委託することができる。

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この過去問の解説 (3件)

01

労働保険事務組合に関する問題ですが、できれば得点しておきたい内容です。

選択肢1. 労働保険事務組合の主たる事務所が所在する都道府県に主たる事務所を持つ事業の事業主のほか、他の都道府県に主たる事務所を持つ事業の事業主についても、当該労働保険事務組合に労働保険事務を委託することができる。

設問の通り正しい。労働保険事務組合に事務の委託をすることができるのは、労働保険事務組合の主たる事務所が所在する都道府県に、主たる事務所を持つ事業の事業主に限られません。

選択肢2. 労働保険事務組合の主たる事務所の所在地を管轄する都道府県労働局長は、必要があると認めたときは、当該労働保険事務組合に対し、当該労働保険事務組合が労働保険事務の処理の委託を受けることができる事業の行われる地域について必要な指示をすることができる。

設問の通り正しい。あまり見たことの無いような記述です。深読みせず他の選択肢との比較で解答を絞れれば十分です。

選択肢3. 労働保険事務組合は労働保険徴収法第33条第2項に規定する厚生労働大臣の認可を受けることによって全く新しい団体が設立されるわけではなく、既存の事業主の団体等がその事業の一環として、事業主が処理すべき労働保険事務を代理して処理するものである。

設問の通り正しい。労働保険事務組合の定義ですが、ポイントは「既存の事業主の団体」というところです。認可を受けて新しい団体を設立するのではありません。

選択肢4. 労働保険事務組合事務処理規約に規定する期限までに、確定保険料申告書を作成するための事実を事業主が報告したにもかかわらず、労働保険事務組合が労働保険徴収法の定める申告期限までに確定保険料申告書を提出しなかったため、所轄都道府県労働局歳入徴収官が確定保険料の額を認定決定し、追徴金を徴収することとした場合、当該事業主が当該追徴金を納付するための金銭を当該労働保険事務組合に交付しなかったときは、当該労働保険事務組合は政府に対して当該追徴金の納付責任を負うことはない。

誤り。設問の場合、労働保険事務組合は申告期限までに確定保険料申告書を提出していないということは、事務組合としての責任を果たしていません。よって、当然に追徴金の納付責任を負うこととなります。

選択肢5. 清掃業を主たる事業とする事業主は、その使用する労働者数が臨時に増加し一時的に300人を超えることとなった場合でも、常態として300人以下であれば労働保険事務の処理を労働保険事務組合に委託することができる。

設問の通り正しい。設問の場合は「常態として300人以下」であれば良いこととされています。事業の都合上、一時的に300人をこえたとしてもそれが一時的なものであるような場合などは委託可能です。

まとめ

徴収法は難しい問題とそうでない問題の差が、他の科目と比べ大きいです。まず、学習するべきは過去問などの出題範囲の高いところですので、それらを中心に学習しましょう。

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02

労働保険事務組合に関する横断的な出題です。

選択肢1. 労働保険事務組合の主たる事務所が所在する都道府県に主たる事務所を持つ事業の事業主のほか、他の都道府県に主たる事務所を持つ事業の事業主についても、当該労働保険事務組合に労働保険事務を委託することができる。

正しいです。労働保険事務組合の主たる事務所が所在する都道府県とは異なる都道府県に主たる事務所を持つ事業の事業主についても、労働保険事務組合に労働保険事務を委託することができます。

選択肢2. 労働保険事務組合の主たる事務所の所在地を管轄する都道府県労働局長は、必要があると認めたときは、当該労働保険事務組合に対し、当該労働保険事務組合が労働保険事務の処理の委託を受けることができる事業の行われる地域について必要な指示をすることができる。

正しいです。都道府県労働局長は、必要があると認めたときは、労働保険事務組合に対し、当該労働保険事務組合が労働保険事務の処理の委託を受けることができる事業の行われる地域について必要な指示をすることができます。

選択肢3. 労働保険事務組合は労働保険徴収法第33条第2項に規定する厚生労働大臣の認可を受けることによって全く新しい団体が設立されるわけではなく、既存の事業主の団体等がその事業の一環として、事業主が処理すべき労働保険事務を代理して処理するものである。

正しいです。労働保険事務組合とは、既存の事業主の団体等がその事業の一環として、事業主が処理すべき労働保険事務を代理して処理するものをいいます。

選択肢4. 労働保険事務組合事務処理規約に規定する期限までに、確定保険料申告書を作成するための事実を事業主が報告したにもかかわらず、労働保険事務組合が労働保険徴収法の定める申告期限までに確定保険料申告書を提出しなかったため、所轄都道府県労働局歳入徴収官が確定保険料の額を認定決定し、追徴金を徴収することとした場合、当該事業主が当該追徴金を納付するための金銭を当該労働保険事務組合に交付しなかったときは、当該労働保険事務組合は政府に対して当該追徴金の納付責任を負うことはない。

誤りです。設問の場合、確定保険料申告書を提出しなかったことの責任は労働保険事務組合にありますので、当該労働保険事務組合は、政府に対して、追徴金納付責任を負うこととなります。

選択肢5. 清掃業を主たる事業とする事業主は、その使用する労働者数が臨時に増加し一時的に300人を超えることとなった場合でも、常態として300人以下であれば労働保険事務の処理を労働保険事務組合に委託することができる。

正しいです。常態として労働者数が300人以下であれば、「常時300人以下の労働者を使用する事業主」となり、労働保険事務組合に処理を委託することができます。

まとめ

労働保険事務組合については、比較的おさえやすい分野といえますので、しっかりとおさえて得点に繋げましょう。

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03

この問題では、労働保険事務組合に関する規定についての理解が求められています。

労働保険事務組合は、事業主が労働保険に関する事務を代理して処理する団体であり、その構成、運営、責任に関する規則が問われています。

選択肢1. 労働保険事務組合の主たる事務所が所在する都道府県に主たる事務所を持つ事業の事業主のほか、他の都道府県に主たる事務所を持つ事業の事業主についても、当該労働保険事務組合に労働保険事務を委託することができる。

正しい

解説:労働保険事務組合は、その主たる事務所が所在する都道府県に限らず、他の都道府県に主たる事務所を持つ事業の事業主にも労働保険事務を委託することが可能です。

これにより、労働保険事務の効率化と範囲の拡大が可能になります。

選択肢2. 労働保険事務組合の主たる事務所の所在地を管轄する都道府県労働局長は、必要があると認めたときは、当該労働保険事務組合に対し、当該労働保険事務組合が労働保険事務の処理の委託を受けることができる事業の行われる地域について必要な指示をすることができる。

正しい

解説:労働保険事務組合の所在地を管轄する都道府県労働局長は、必要に応じて、労働保険事務組合への指示を出すことができます。

これにより、組合の活動が地域の実情に合わせて適切に行われるようになります。

選択肢3. 労働保険事務組合は労働保険徴収法第33条第2項に規定する厚生労働大臣の認可を受けることによって全く新しい団体が設立されるわけではなく、既存の事業主の団体等がその事業の一環として、事業主が処理すべき労働保険事務を代理して処理するものである。

正しい

解説:労働保険事務組合は、新たに設立される団体ではなく、既存の事業主の団体が労働保険事務を代行する形態です。

これにより、事業主間の協力と事務処理の効率化が図られます。

選択肢4. 労働保険事務組合事務処理規約に規定する期限までに、確定保険料申告書を作成するための事実を事業主が報告したにもかかわらず、労働保険事務組合が労働保険徴収法の定める申告期限までに確定保険料申告書を提出しなかったため、所轄都道府県労働局歳入徴収官が確定保険料の額を認定決定し、追徴金を徴収することとした場合、当該事業主が当該追徴金を納付するための金銭を当該労働保険事務組合に交付しなかったときは、当該労働保険事務組合は政府に対して当該追徴金の納付責任を負うことはない。

誤り

解説:労働保険事務組合が確定保険料申告書を提出しなかった場合、追徴金を徴収することとなりますが、その際、事業主が追徴金を労働保険事務組合に交付しなかったとしても、労働保険事務組合が政府に対して追徴金の納付責任を負うことはありません。

この点は、労働保険事務組合の責任範囲と事業主の責任範囲を明確に区別することが重要です。

選択肢5. 清掃業を主たる事業とする事業主は、その使用する労働者数が臨時に増加し一時的に300人を超えることとなった場合でも、常態として300人以下であれば労働保険事務の処理を労働保険事務組合に委託することができる。

正しい

解説:清掃業を主たる事業とする事業主で、使用する労働者数が臨時に増加し、一時的に300人を超える場合でも、通常は300人以下であれば労働保険事務を労働保険事務組合に委託することが可能です。

これは、一時的な労働者数の増加が、事務組合に委託できるかどうかを決定する上での障害にならないことを示しています。

まとめ

この問題を解く際には、労働保険事務組合の機能、運営、及び事業主との関係性に関する基本的な知識が必要です。

特に、事務組合がどのように事業主からの委託を受け、労働保険関連の事務を処理するか、そしてその責任範囲がどのように定められているかを理解することが重要です。

また、労働保険事務組合の主たる事務所の所在地や事業主の所在地が異なる場合の取り扱い、事務組合による保険料の申告や追徴金の取り扱いに関する規定、臨時的な労働者数の増減が労働保険事務の委託にどのように影響するかなど、具体的なケースに応じた理解が求められます。

重要なのは、労働保険事務組合が労働保険に関する事務をどのように処理し、事業主とどのように連携するか、また事務組合の責任範囲をどのように理解するかです。

これらの点を踏まえて、各選択肢を検討することが解答への鍵となります。

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