社会保険労務士の過去問
第55回(令和5年度)
国民年金法 問1

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問題

社労士試験 第55回(令和5年度) 択一式 国民年金法 問1 (訂正依頼・報告はこちら)

国民年金法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
  • 保険料の全額免除の規定により、納付することを要しないとの厚生労働大臣の承認を受けたことのある老齢基礎年金の受給権者が、当該老齢基礎年金を請求していない場合、その承認を受けた日から10年以内の期間に係る保険料について追納することができる。
  • 付加年金は、第1号被保険者及び第3号被保険者としての被保険者期間を有する者が老齢基礎年金の受給権を取得したときに支給されるが、第2号被保険者期間を有する者について、当該第2号被保険者期間は付加年金の対象とされない。
  • 厚生労働大臣は、被保険者から保険料の口座振替納付を希望する旨の申出があった場合には、その納付が確実と認められるときに限り、その申出を承認することができる。
  • 被保険者ではなかった19歳のときに初診日のある傷病を継続して治療中の者が、その傷病の初診日から起算して1年6か月を経過した当該傷病による障害認定日(20歳に達した日後とする。)において、当該傷病により障害等級2級以上に該当する程度の障害の状態にあるときには、その者に障害基礎年金を支給する。
  • 寡婦年金の額は、死亡した夫の老齢基礎年金の計算の例によって計算した額の4分の3に相当する額であるが、当該夫が3年以上の付加保険料納付済期間を有していた場合には、上記の額に8,500円を加算した額となる。

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この過去問の解説 (3件)

01

分野横断的な問題ですが、いずれも基本論点です。

選択肢1. 保険料の全額免除の規定により、納付することを要しないとの厚生労働大臣の承認を受けたことのある老齢基礎年金の受給権者が、当該老齢基礎年金を請求していない場合、その承認を受けた日から10年以内の期間に係る保険料について追納することができる。

「追納することができる」の部分が誤りです。「老齢基礎年金の受給権者」は、保険料の追納をすることができません。

選択肢2. 付加年金は、第1号被保険者及び第3号被保険者としての被保険者期間を有する者が老齢基礎年金の受給権を取得したときに支給されるが、第2号被保険者期間を有する者について、当該第2号被保険者期間は付加年金の対象とされない。

「第3号被保険者としての被保険者期間を有する者が老齢基礎年金の受給権を取得したときに支給される」の部分が誤りです。第3号被保険者は、付加保険料を納付することができず、付加年金を受給することもできません。

選択肢3. 厚生労働大臣は、被保険者から保険料の口座振替納付を希望する旨の申出があった場合には、その納付が確実と認められるときに限り、その申出を承認することができる。

「納付が確実と認められるときに限り」の部分が誤りです。保険料の口座振替による納付について、厚生労働大臣は、その納付が確実と認められ、かつ、「その申出を承認することが保険料の徴収上有利と認められるとき」に限り、その申出を承認することができます。

選択肢4. 被保険者ではなかった19歳のときに初診日のある傷病を継続して治療中の者が、その傷病の初診日から起算して1年6か月を経過した当該傷病による障害認定日(20歳に達した日後とする。)において、当該傷病により障害等級2級以上に該当する程度の障害の状態にあるときには、その者に障害基礎年金を支給する。

設問のとおりです。初診日において20歳未満であった者について、障害認定日が20歳に達した日後であるときはその障害認定日において、1級又は2級の障害の状態にあるときは、障害基礎年金が支給されます。

選択肢5. 寡婦年金の額は、死亡した夫の老齢基礎年金の計算の例によって計算した額の4分の3に相当する額であるが、当該夫が3年以上の付加保険料納付済期間を有していた場合には、上記の額に8,500円を加算した額となる。

「8,500円を加算した額となる」の部分が誤りです。付加保険料に係る保険料納付済期間が3年以上である場合に8,500円の加算があるのは「死亡一時金」であり、「寡婦年金」に加算はありません。

まとめ

いずれも基本論点ですので、しっかりと押さえて得点に繋げましょう。

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02

本問題は、どれも基本的な論点です。

選択肢1. 保険料の全額免除の規定により、納付することを要しないとの厚生労働大臣の承認を受けたことのある老齢基礎年金の受給権者が、当該老齢基礎年金を請求していない場合、その承認を受けた日から10年以内の期間に係る保険料について追納することができる。

老齢基礎年金の受給権者は、裁定請求をしているかどうかに関わらず、保険料の追納をすることが出来ないため、誤りです。

選択肢2. 付加年金は、第1号被保険者及び第3号被保険者としての被保険者期間を有する者が老齢基礎年金の受給権を取得したときに支給されるが、第2号被保険者期間を有する者について、当該第2号被保険者期間は付加年金の対象とされない。

第2号被保険者期間は付加年金の対象とされないという記述は正しいですが、第3号被保険者期間についても付加年金の対象とされないため、誤りです。

付加年金は、第1号被保険者が付加保険料納付済期間を有し、老齢基礎年金の受給権を取得した時に支給されます。

選択肢3. 厚生労働大臣は、被保険者から保険料の口座振替納付を希望する旨の申出があった場合には、その納付が確実と認められるときに限り、その申出を承認することができる。

厚生労働大臣が被保険者からの保険料の口座振替納付の希望を承認することが出来るのは、「その納付が確実と認められ、かつ、その申出を承認することが保険料の徴収上有利と認められる時に限り」ます。誤りです。

選択肢4. 被保険者ではなかった19歳のときに初診日のある傷病を継続して治療中の者が、その傷病の初診日から起算して1年6か月を経過した当該傷病による障害認定日(20歳に達した日後とする。)において、当該傷病により障害等級2級以上に該当する程度の障害の状態にあるときには、その者に障害基礎年金を支給する。

正しい選択肢です。20歳前の傷病による障害に基づく障害基礎年金は、初診日において20歳未満であった者が、「20歳に達した日」又は「障害認定日」のいずれか遅い方の日に、障害等級1級又は2級に該当する程度の障害の状態にある時に支給されます。

選択肢5. 寡婦年金の額は、死亡した夫の老齢基礎年金の計算の例によって計算した額の4分の3に相当する額であるが、当該夫が3年以上の付加保険料納付済期間を有していた場合には、上記の額に8,500円を加算した額となる。

死亡した夫が付加保険料納付済期間を有していたとしても、寡婦年金の額に加算されないため、誤りです。

寡婦年金の額についての出題は多くあるので、しっかり押さえておきましょう。

まとめ

第1号、第2号、第3号被保険者の違いをついてくる問題にしっかり対応できるように、それぞれの違いをしっかり覚えておきましょう。

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03

最後の科目は国民年金法です。国民年金法は厚生年金と同じような規定も多く出ていきますのでこれらを比較しながら、異なる点などを押さえていくと効果的でしょう。

選択肢1. 保険料の全額免除の規定により、納付することを要しないとの厚生労働大臣の承認を受けたことのある老齢基礎年金の受給権者が、当該老齢基礎年金を請求していない場合、その承認を受けた日から10年以内の期間に係る保険料について追納することができる。

誤り。

「承認を受けた日から10年以内の期間に係る保険料について追納することができる」とする記述はその通りですが、老齢基礎年金の受給権者は追納はできません。

一読すると正しいように読めますが、よく読むと誤りです。

選択肢2. 付加年金は、第1号被保険者及び第3号被保険者としての被保険者期間を有する者が老齢基礎年金の受給権を取得したときに支給されるが、第2号被保険者期間を有する者について、当該第2号被保険者期間は付加年金の対象とされない。

誤り。

付加年金の対象となるのは「第1号被保険者」のみです。第3号被保険者や第2号被保険者は対象となりません。よって誤りです。

選択肢3. 厚生労働大臣は、被保険者から保険料の口座振替納付を希望する旨の申出があった場合には、その納付が確実と認められるときに限り、その申出を承認することができる。

誤り。

一読すると正しい文章ですが正しくは「その納付が確実と認められ、かつ、その申出を承認することが保険料の徴収上有利と認められるときに限り(国民年金法第 92 条の 2 並びに第 92 条の 2 の 2 第 1 項及び第 2 項)」です。やや細かい引っ掛けのような問題です。この際に一度復習しておきましょう。

選択肢4. 被保険者ではなかった19歳のときに初診日のある傷病を継続して治療中の者が、その傷病の初診日から起算して1年6か月を経過した当該傷病による障害認定日(20歳に達した日後とする。)において、当該傷病により障害等級2級以上に該当する程度の障害の状態にあるときには、その者に障害基礎年金を支給する。

設問の通り正しい。

いわゆる20歳前障害による障害基礎年金についてですが、設問の通りです。

なお、設問では19歳の時が初診日とされており障害認定日には20歳を超えているため1年6か月後が障害認定日となりますが、初診日から1年6か月後が20歳前であるような場合は20歳に達した日が障害認定日となります。

選択肢5. 寡婦年金の額は、死亡した夫の老齢基礎年金の計算の例によって計算した額の4分の3に相当する額であるが、当該夫が3年以上の付加保険料納付済期間を有していた場合には、上記の額に8,500円を加算した額となる。

誤り。

付加年金を3年以上納付していた場合に8,500円が加算されるのは死亡一時金です。

寡婦年金にはこのような規定はありません。

なお、設問に「老齢基礎年金の計算の例によって計算した額の4分の3に相当する額」とありますが具体的には「第1号被保険者としての被保険者期間に係る」期間が対象となります。

まとめ

比較的基本論点からの出題ですので必ず得点したい問題です。過去問やテキストを中心に復習しましょう。

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