社会保険労務士の過去問
第55回(令和5年度)
国民年金法 問10
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問題
社労士試験 第55回(令和5年度) 択一式 国民年金法 問10 (訂正依頼・報告はこちら)
国民年金法に関する次のアからオの記述のうち、正しいものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。
ア 20歳前傷病による障害基礎年金は、受給権者の前年の所得が、その者の所得税法に規定する同一生計配偶者及び扶養親族の有無及び数に応じて、政令で定める額を超えるときは、その年の10月から翌年の9月まで、その全部又は3分の1に相当する部分の支給が停止される。
イ 障害の程度が増進したことによる障害基礎年金の額の改定請求については、障害の程度が増進したことが明らかである場合として厚生労働省令で定める場合を除き、当該障害基礎年金の受給権を取得した日又は国民年金法第34条第1項の規定による厚生労働大臣の障害の程度の診査を受けた日から起算して1年を経過した日後でなければ行うことができない。
ウ 65歳以上の場合、異なる支給事由による年金給付であっても併給される場合があり、例えば老齢基礎年金と遺族厚生年金は併給される。一方で、障害基礎年金の受給権者が65歳に達した後、遺族厚生年金の受給権を取得した場合は併給されることはない。
エ 配偶者の有する遺族基礎年金の受給権は、生計を同じくする当該遺族基礎年金の受給権を有する子がいる場合において、当該配偶者が国民年金の第2号被保険者になったときでも、当該配偶者が有する遺族基礎年金の受給権は消滅しない。
オ 老齢基礎年金を受給している者が、令和5年6月26日に死亡した場合、未支給年金を請求する者は、死亡した者に支給すべき年金でまだその者に支給されていない同年5月分と6月分の年金を未支給年金として請求することができる。なお、死亡日前の直近の年金支払日において、当該受給権者に支払うべき年金で支払われていないものはないものとする。
ア 20歳前傷病による障害基礎年金は、受給権者の前年の所得が、その者の所得税法に規定する同一生計配偶者及び扶養親族の有無及び数に応じて、政令で定める額を超えるときは、その年の10月から翌年の9月まで、その全部又は3分の1に相当する部分の支給が停止される。
イ 障害の程度が増進したことによる障害基礎年金の額の改定請求については、障害の程度が増進したことが明らかである場合として厚生労働省令で定める場合を除き、当該障害基礎年金の受給権を取得した日又は国民年金法第34条第1項の規定による厚生労働大臣の障害の程度の診査を受けた日から起算して1年を経過した日後でなければ行うことができない。
ウ 65歳以上の場合、異なる支給事由による年金給付であっても併給される場合があり、例えば老齢基礎年金と遺族厚生年金は併給される。一方で、障害基礎年金の受給権者が65歳に達した後、遺族厚生年金の受給権を取得した場合は併給されることはない。
エ 配偶者の有する遺族基礎年金の受給権は、生計を同じくする当該遺族基礎年金の受給権を有する子がいる場合において、当該配偶者が国民年金の第2号被保険者になったときでも、当該配偶者が有する遺族基礎年金の受給権は消滅しない。
オ 老齢基礎年金を受給している者が、令和5年6月26日に死亡した場合、未支給年金を請求する者は、死亡した者に支給すべき年金でまだその者に支給されていない同年5月分と6月分の年金を未支給年金として請求することができる。なお、死亡日前の直近の年金支払日において、当該受給権者に支払うべき年金で支払われていないものはないものとする。
- (ア と ウ)
- (ア と エ)
- (イ と エ)
- (イ と オ)
- (ウ と オ)
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この過去問の解説 (3件)
01
特に難しい選択肢は出題されていません、過去問やテキストなど通常の学習範囲で十分得点できるでしょう。
ア 誤り。
20歳前傷病による障害基礎年金は所得による制限がありますが、この場合全部又は3分の1ではなく「全部又は2分の1」が停止となります。3分の1という表現に違和感を感じられれば誤りと判断できるでしょう。なお、支給停止される期間は設問の通りその年の10月から翌年の9月までです。
イ 設問の通り正しい。
障害基礎年金の受給権者は障害の程度が増進したことによる額の改定請求を行う事ができますがこの場合は厚生労働大臣の障害の程度の診査を受けた日から起算して1年を経過した日後でなければ行うことができないとされています。なお、例外として障害の程度が増進したことが明らかである場合は1年を経過した日後でなくても行う事ができる場合があります。
例外があるという点も併せて押さえておきましょう。
ウ 誤り。
65歳以上の場合、障害基礎年金と遺族厚生年金は併給されます。
併給調整については、厚生年金保険法からもよく出題されますので併給できる場合、できない場合をそれぞれ押さえておきましょう。
エ 設問の通り正しい。
遺族基礎年金の受給権は、第2号被保険者となったとしても受給権は消滅しません。
遺族基礎年金の失権については、代表的なものは死亡した場合や婚姻した場合、障害等級1級又は2級に該当しない子が18歳年度末を迎えた場合などです。
どのような場合に失権となるかテキスト等で確認しておきましょう。
オ 誤り。
設問の場合、未支給年金としての請求は6月の1か月分です。
年金は毎年2月、4月、6月、8月、10月及び12月の6期に、それぞれの前月までの分を支払うとされており、設問の事例ですと死亡日が令和5年6月26日ですので、すでに6月15日に4月と5月分の年金は支払われていることになりますので、未支給年金は6月1か月分となります。事例的な内容ですが、基本論点が理解できていれば正誤判断はできるでしょう。
こちらが正答です。
どの選択肢も比較的基本的な論点からの出題です。年金2科目は時間を掛けて学習すれば必ず得点できるようになりますので、難しい論点に惑わされず、基本論点を確実に押さえるようにすると良いでしょう。
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02
組み合わせ問題であり、論点も難しいものはありません。得点源となる問題です。
ア 受給権者の所得によって支給停止になるのは「その全部又は2分の1の部分」です。全部又は3分の1ではないので誤りです。
イ 正しい選択肢です。
障害の程度が変わった場合の年金額の改定は、本肢のほか、「厚生労働大臣の診査による場合」や「その他障害が生じた場合」があります。
ウ 65歳以上の場合、異なる支給事由による年金給付でも併給される場合があり、「障害基礎年金+遺族厚生年金」は併給されるので、誤りです。本肢のほか「老齢基礎年金+遺族厚生年金」、「障害基礎年金+老齢厚生年金」も併給されるので覚えておきましょう。
エ 正しい選択肢です。
配偶者が第2号被保険者となっても、遺族基礎年金の受給権は消滅しません。遺族基礎年金の受給権消滅要件は、配偶者と子で違う部分があるのですべて押さえておきましょう。
オ 年金は偶数月の15日に、それぞれの支払月の前月までの分が支払われます。本肢の場合、6月15日に4月分と5月分が支払われていますので、当該受給権者の未支給年金は6月分のみとなるため、誤りです。
正解の選択肢です。
本問題は全て基本的な事項ですので、何度も復習して確実にマスターしましょう。
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03
正しいものの組合せは「障害の程度が増進したことによる〜行うことができない。」と「配偶者の有する遺族基礎年金の受給権は、〜受給権は消滅しない。」です。
選択肢「20歳前傷病による障害基礎年金は、〜支給が停止される。」についての解説です。
「3分の1に相当する部分の支給が停止される」の部分が誤りです。「2分の1」に相当する部分の支給が停止されます。
選択肢「障害の程度が増進したことによる〜行うことができない。」についての解説です。
設問のとおりです。障害基礎年金の額の改定請求は、原則として、受給権を取得した日又は障害の程度の診査を受けた日から起算して1年を経過した日後でなければ行うことはできません。
選択肢「65歳以上の場合、〜併給されることはない。」についての解説です。
「障害基礎年金の受給権者が65歳に達した後、遺族厚生年金の受給権を取得した場合は併給されることはない」の部分が誤りです。65歳未満の場合は、障害基礎年金と遺族厚生年金が併給されることはありませんが、65歳に達した後は、併給が可能です。
選択肢「配偶者の有する遺族基礎年金の受給権は、〜受給権は消滅しない。」についての解説です。
設問のとおりです。配偶者が国民年金の第2号被保険者になったとしても、当該配偶者が有する遺族基礎年金の受給権が消滅することはありません。
選択肢「老齢基礎年金を受給している者が、〜支払われていないものはないものとする。」についての解説です。
「5月分と6月分の年金を未支給年金として請求することができる」の部分が誤りです。老齢基礎年金は、偶数月の15日に、前月までの2ヶ月分が支給されます。6月26日の死亡日時点で、6月15日に支給された年金(4月及び5月分)を受給していますので、未支給年金は「6月分」のみとなります。
いずれも基本論点ですので、しっかりと押さえて得点に繋げましょう。
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