社会保険労務士(社労士) 過去問
第56回(令和6年度)
問69 (国民年金法 問9)

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問題

社労士試験 第56回(令和6年度) 問69(国民年金法 問9) (訂正依頼・報告はこちら)

国民年金法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
  • 甲(昭和34年4月20日生まれ)は、20歳以後の学生であった期間は国民年金の加入が任意であったため加入していない。大学卒業後7年間は厚生年金保険の被保険者であったが、30歳で結婚してから15年間は第3号被保険者であった。その後、45歳から20年間、再び厚生年金保険の被保険者となっていたが65歳の誕生日で退職した。甲の老齢基礎年金は満額にならないため、65歳以降国民年金に任意加入して保険料を納付することができる。
  • 老齢基礎年金の受給権を有する者であって66歳に達する前に当該老齢基礎年金を請求していなかった者が、65歳に達した日から66歳に達した日までの間において遺族厚生年金の受給権者となったが、実際には遺族厚生年金は受給せず老齢厚生年金を受給する場合は、老齢基礎年金の支給繰下げの申出をすることができる。
  • 政府は、国民年金事業に要する費用に充てるため、被保険者期間の計算の基礎となる各月につき保険料を徴収することとなっているが、被保険者は、将来の一定期間の保険料を前納することができる。その場合、国民年金法第87条第3項の表に定める額に保険料改定率を乗じて得た額となり、前納による控除は適用されない。
  • 積立金の運用は、積立金が国民年金の被保険者から徴収された保険料の一部であり、かつ、将来の給付の貴重な財源となるものであることに特に留意し、専ら国民年金の被保険者の利益のために、長期的な観点から、安全かつ効率的に行うことにより、将来にわたって、国民年金事業の運営の安定に資することを目的として行うものとされている。
  • 国民年金基金は、加入員又は加入員であった者に対し、年金の支給を行い、あわせて加入員又は加入員であった者の死亡に関しても、年金の支給を行うものとする。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解の選択肢4を、

自信を持って正しいと判断するのはとても難しいです。

「誤りを見つけていって、残った選択肢4が正解」

という問題の解き方になります。

選択肢1. 甲(昭和34年4月20日生まれ)は、20歳以後の学生であった期間は国民年金の加入が任意であったため加入していない。大学卒業後7年間は厚生年金保険の被保険者であったが、30歳で結婚してから15年間は第3号被保険者であった。その後、45歳から20年間、再び厚生年金保険の被保険者となっていたが65歳の誕生日で退職した。甲の老齢基礎年金は満額にならないため、65歳以降国民年金に任意加入して保険料を納付することができる。

65歳以降国民年金に加入することができるのは、

特例任意加入被保険者(65歳以上)の制度です。

 

この制度は老齢基礎年金の受給権が発生しない者に適用されるため、

満額を目指す制度ではありません。

 

60歳に達した際に満額の老齢基礎年金が支給されない場合、

任意加入被保険者(60歳以上65歳未満)になることができます。

 

甲は65歳に達した時点で老齢基礎年金の受給権を得ているため、

65歳以降に任意加入することができません。

【26条、附則23条1項】

選択肢2. 老齢基礎年金の受給権を有する者であって66歳に達する前に当該老齢基礎年金を請求していなかった者が、65歳に達した日から66歳に達した日までの間において遺族厚生年金の受給権者となったが、実際には遺族厚生年金は受給せず老齢厚生年金を受給する場合は、老齢基礎年金の支給繰下げの申出をすることができる。

支給繰り下げの申出をするためには、

以下の項目全てに該当する必要があります。

 

①66歳に達する前に老齢基礎年金を請求していない。

②65歳に達したときに、他の年金たる給付(国民年金法による他の年金給付(付加年金を除く。)又は

厚生年金保険法による年金たる保険給付(老齢を支給事由とするものを除く。)をいう。以下この条において同じ。)の受給権者でない。 

③65歳に達した日から66歳に達した日までの間において、前記②の他の年金たる給付の受給権者となっていない。

①②③とされています。

 

問題文の条件では③の要件に引っかかってしまいます。

支給繰り下げの申し出をすることはできないので、

誤りです。

【28条1項】

選択肢3. 政府は、国民年金事業に要する費用に充てるため、被保険者期間の計算の基礎となる各月につき保険料を徴収することとなっているが、被保険者は、将来の一定期間の保険料を前納することができる。その場合、国民年金法第87条第3項の表に定める額に保険料改定率を乗じて得た額となり、前納による控除は適用されない。

前納すべき額は、

「当該期間の各月の保険料の額から政令で定める額を控除した額とする。」

と定められているので、

誤りの内容です。

 

政令で定める額は、

年4分の利率による複利現価法によって計算した額」を控除した額とする。

と定められています。

【93条2項】

選択肢4. 積立金の運用は、積立金が国民年金の被保険者から徴収された保険料の一部であり、かつ、将来の給付の貴重な財源となるものであることに特に留意し、専ら国民年金の被保険者の利益のために、長期的な観点から、安全かつ効率的に行うことにより、将来にわたって、国民年金事業の運営の安定に資することを目的として行うものとされている。

正しい内容です。

【75条】

選択肢5. 国民年金基金は、加入員又は加入員であった者に対し、年金の支給を行い、あわせて加入員又は加入員であった者の死亡に関しても、年金の支給を行うものとする。

基金の死亡に関する給付は、

一時金支給」となります。

老齢に関する給付は「年金給付」です。

【128条1項】

まとめ

選択肢4は条文通りの正しい内容でした。

 

正しいものを選ぶのが難しい問題でしたので、

このような場合は誤っているものを優先して見つけましょう。

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02

本設問の各設問文には、実生活において想定がしやすい設問文とそうでないものとが混ざっていると判断でき、想定しやすいものから正誤判断とその根拠を理解するよう学習していくとよいでしょう。

選択肢1. 甲(昭和34年4月20日生まれ)は、20歳以後の学生であった期間は国民年金の加入が任意であったため加入していない。大学卒業後7年間は厚生年金保険の被保険者であったが、30歳で結婚してから15年間は第3号被保険者であった。その後、45歳から20年間、再び厚生年金保険の被保険者となっていたが65歳の誕生日で退職した。甲の老齢基礎年金は満額にならないため、65歳以降国民年金に任意加入して保険料を納付することができる。

誤った記述です。(法26条ほか) 

本設問文のうち、「~保険料を納付することができる」は「~納付することができない」が正しいです。 

簡単に言うと、年金の受給開始基本年齢は「65歳」であるので、この年齢において年金の受給権を得た場合は、以降において、受給する「年金額を上げるための」任意加入はできないものと理解しておくとよいでしょう。 

(なお、65歳になっても年金の受給権を満たせず、受給権を満たすまでの間任意加入することはできます(特例任意加入)) 

選択肢2. 老齢基礎年金の受給権を有する者であって66歳に達する前に当該老齢基礎年金を請求していなかった者が、65歳に達した日から66歳に達した日までの間において遺族厚生年金の受給権者となったが、実際には遺族厚生年金は受給せず老齢厚生年金を受給する場合は、老齢基礎年金の支給繰下げの申出をすることができる。

誤った記述です。(法28条1項ほか) 

本設問文のうち、「支給繰下げの申出をすることができる」は「~できない」が正しいです。 

簡単に言うと、繰下げの申出ができるのは「老齢」年金のみであり、かつ、老齢以外の「障害」「遺族」年金の受給権が発生した時点で、「老齢」年金の繰下げの権利がなくなり、受給する年金の種類を選択する(「老齢」または「遺族」など)しかできない点を、理解しておくとよいでしょう。

選択肢3. 政府は、国民年金事業に要する費用に充てるため、被保険者期間の計算の基礎となる各月につき保険料を徴収することとなっているが、被保険者は、将来の一定期間の保険料を前納することができる。その場合、国民年金法第87条第3項の表に定める額に保険料改定率を乗じて得た額となり、前納による控除は適用されない。

誤った記述です。(法87条1項2項,法93条2項ほか) 

本設問文のうち、「前納による控除は適用されない」は「~適用される」が正しいです。 

前納については、控除(つまり保険料の割引)があるので、被保険者側に実施するメリットがあり、よって保険者側にもまとまった金額が集まるメリットがある、と理解しておくとよいでしょう。 

選択肢4. 積立金の運用は、積立金が国民年金の被保険者から徴収された保険料の一部であり、かつ、将来の給付の貴重な財源となるものであることに特に留意し、専ら国民年金の被保険者の利益のために、長期的な観点から、安全かつ効率的に行うことにより、将来にわたって、国民年金事業の運営の安定に資することを目的として行うものとされている。

正しい記述です。(法75条ほか) 

本設問文のとおり、理解しておきましょう。 

(本選択肢の正誤判断は、最後にしてよいと考えます)

選択肢5. 国民年金基金は、加入員又は加入員であった者に対し、年金の支給を行い、あわせて加入員又は加入員であった者の死亡に関しても、年金の支給を行うものとする。

誤った記述です。(法128条1項) 

本設問文のうち、「死亡に関しても、年金の支給を行う」は「死亡に関しても、一時金の支給を行う」が正しいです。 

国民年金基金の加入にかかる給付は、簡単に「老齢年金」と「遺族一時金」の2種類であると理解しておきましょう。 

まとめ

繰り返しになりますが、本設問の各設問文には、実生活において想定がしやすい設問文とそうでないものとが混ざっていると判断でき、想定しやすいものから正誤判断とその根拠を理解するよう学習していくとよいでしょう。

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03

総合問題です。選択肢内の事例形式で出題された場合は、時系列をしっかり追うことができるかがポイントとなります。図を活用するなど、解答に工夫が必要な問題だったといえます。

 

余談ですが、正答の選択肢は、過去にそっくりそのまま選択式に出題された実績があります。

選択肢1. 甲(昭和34年4月20日生まれ)は、20歳以後の学生であった期間は国民年金の加入が任意であったため加入していない。大学卒業後7年間は厚生年金保険の被保険者であったが、30歳で結婚してから15年間は第3号被保険者であった。その後、45歳から20年間、再び厚生年金保険の被保険者となっていたが65歳の誕生日で退職した。甲の老齢基礎年金は満額にならないため、65歳以降国民年金に任意加入して保険料を納付することができる。

誤りです。 (6)法附則11条1項、(16)法附則23条1項

一つ一つ時系列を整理すると以下のようになります。

・20歳以後の学生であった期間は国民年金の加入が任意であったため加入していない。⇒合算対象期間〈2年)

・大学卒業後7年間は厚生年金保険の被保険者であった⇒第2号被保険者(7年)

・30歳で結婚してから15年間は第3号被保険者であった⇒第3号被保険者期間(15年)

・45歳から20年間、再び厚生年金保険の被保険者となっていた⇒第2号被保険者(15年)+合算対象期間【60歳から65歳までの期間】(5年)

 

以上より、甲さんの保険料納付済期間は7年+15年+15年=37年となるため、65歳以降に特例任意加入して保険料を納めることはできません。

 

65歳以降の特例任意加入は、65歳到達時点で老齢基礎年金の受給資格(保険労納付済期間+保険料免除期間+合算対象期間の合計で10年(120月)以上)にならない者が特例的に任意加入することが認められている制度ですので、60歳到達時点で受給資格を取得している者は、特例任意加入はできないということになります。

選択肢2. 老齢基礎年金の受給権を有する者であって66歳に達する前に当該老齢基礎年金を請求していなかった者が、65歳に達した日から66歳に達した日までの間において遺族厚生年金の受給権者となったが、実際には遺族厚生年金は受給せず老齢厚生年金を受給する場合は、老齢基礎年金の支給繰下げの申出をすることができる。

誤りです。 法28条1項

65歳から66歳になるまでの間に他の年金給付の受給権者となると、老齢基礎年金の支給繰下げの請求ができません。そのため、設問のように、遺族厚生年金の受給権を取得してしまうと、繰下げ請求はできないということです。

選択肢3. 政府は、国民年金事業に要する費用に充てるため、被保険者期間の計算の基礎となる各月につき保険料を徴収することとなっているが、被保険者は、将来の一定期間の保険料を前納することができる。その場合、国民年金法第87条第3項の表に定める額に保険料改定率を乗じて得た額となり、前納による控除は適用されない。

誤りです。 法87条1項、2項、法93条1項、2項

保険料の前納を行う場合は、前納に係る期間の保険料から政令で定める額が控除された額とされます。つまり、前納による控除は行われるということです。

選択肢4. 積立金の運用は、積立金が国民年金の被保険者から徴収された保険料の一部であり、かつ、将来の給付の貴重な財源となるものであることに特に留意し、専ら国民年金の被保険者の利益のために、長期的な観点から、安全かつ効率的に行うことにより、将来にわたって、国民年金事業の運営の安定に資することを目的として行うものとされている。

正しいです。 法75条

設問の通りです。過去にこの内容がそっくりそのまま選択式で出題されたことがある内容ですので、キーワードだけはしっかり押さえておきましょう。

選択肢5. 国民年金基金は、加入員又は加入員であった者に対し、年金の支給を行い、あわせて加入員又は加入員であった者の死亡に関しても、年金の支給を行うものとする。

誤りです。 法128条1項

国民年金基金の加入員又は加入員であった者の死亡に関しては「一時金」が支給されます。

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