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司法書士「令和2年度」の過去問を出題

問題

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表現の自由に関する次のアからオまでの記述のうち、判例の趣旨に照らし誤っているものの組合せは、どれか。

ア  公務員及びその家族が私的生活を営む場所である集合住宅の共用部分及び敷地に管理権者の意思に反して立ち入ることは、それが政治的意見を記載したビラの配布という表現の自由の行使のためであっても許されず、当該立入り行為を刑法上の罪に問うことは、憲法第21条第1項に違反するものではない。

イ  著しく性的感情を刺激し、又は著しく残忍性を助長するため、青少年の健全な育成を阻害するおそれがあると認められる図書について、自動販売機への収納を禁止し、処罰する条例の規制は、成人に対する関係では、表現の自由に対する必要やむを得ない制約とはいえないものとして、憲法第21条第1項に違反する。

ウ  様々な意見、知識、情報に接し、これを摂取することを補助するためにする筆記行為の自由は、憲法第21条第1項の規定によって直接保障されている表現の自由そのものとは異なるものであるから、その制限又は禁止には、表現の自由に制約を加える場合に一般に必要とされる厳格な基準が要求されるものではない。

エ  集会の用に供される公共施設につき、公の秩序を乱すおそれがある場合には使用を許可してはならないとする条例の規制は、「公の秩序を乱すおそれがある場合」について、集会の自由を保障することの重要性よりも、集会の開催により人の生命、身体又は財産が侵害され、公共の安全が損なわれる危険を回避し、防止することの必要性が優越する場合をいうものと限定して解釈し、その危険の程度としては、明らかな差し迫った危険が発生することが具体的に予見されることが必要であると解する限り、憲法第21条第1項に違反するものではない。

オ  一定の記事を掲載した雑誌その他の出版物の印刷、製本、販売、頒布等の仮処分による事前差止めは、憲法第21条第2項前段が絶対的に禁止する検閲に該当するものであり、許されない。
   1 .
アイ
   2 .
アエ
   3 .
イオ
   4 .
ウエ
   5 .
ウオ
( 令和2年度 司法書士試験 午前の部 問1 )

この過去問の解説 (2件)

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正解は3です。

ア…正しいです。公務員住宅の共用玄関から各戸の玄関までの共用部分、および各号棟周囲に門塀を施した敷地に立ち入ったことが、正当な理由のない住居等への立ち入りを禁ずる刑法130条に違反しないか、またその住宅各戸に政治的意見を主張するビラを配布するために侵入したことを刑法130条の罪に問うことが、表現の自由を保障した憲法21条に違反しないかについて、判例は、「➀管理者が管理する、当該集合住宅の共用部分は、建物の一部であり刑法130条の『人の看守する邸宅』にあたる。当該門塀を施した部分は、各号棟の建物の付属地として建物利用のために供されるものであることを明示していると解され、『人の看守する邸宅』の囲繞地と考えられる。よってこれらへの無断立入は邸宅侵入罪の客体になり得る②当該公務員住宅は防衛庁職員の住宅であり、一般人が自由に出入りすることの出来ない場所に、管理権者の意思に反して立ち入ることは、管理権の侵害のみならず、そこに居住する者の私生活の平穏を侵害するものといわざるを得ない。したがって当該無断侵入を刑法130条の罪に問うことが、憲法21条1項に違反するものではない」としています(立川反戦ビラ配布事件、最判平20・4・11)。

イ…誤りです。著しく性的感情を刺激し、または著しく残忍性を助長するために青少年の健全な育成を阻害するとされる図書(=有害図書)を自動販売機に収納することを禁ずる各都道府県の条例について、複数の判例が、ほぼ同様の解釈をもって、憲法21条違反ではないとしています。これらの図書は、青少年の価値観の形成に悪影響を及ぼすことは社会共通の認識であり、自動販売機での販売は購入がより容易であるため、対面販売に比べ弊害が大きく、規制の必要があるとされています(神奈川県青少年保護育成条例違反・群馬県青少年保護育成条例違反事件(最判平21・12・11)、福島県青少年保護育成条例事件(最判平21・3・19)、岐阜県青少年保護育成条例違反事件(最判平元・9・19))。問題文は、岐阜県青少年保護育成条例事件の判決をふまえたものであり、有害図書の自動販売機での販売規制は、青少年に対してはもちろん、成人に対しても、規制を受けずに販売できてしまう脱法的行為につながりかねないために、当該条例による規制はやむを得ないとされました。

ウ…正しいです。法廷で傍聴人がメモを取る行為を禁止することが、憲法21条その他に違反しないかについて、判例は、「傍聴席でメモを取る行為がみだりに妨げられるべきではないが、他者の人権と衝突したり公共の利益に反する場合には、一定の合理的制限を受けることがあることはやむを得ないものであり、しかも、筆記行為の自由は、憲法21条に規定されている表現の自由とは異なるものであるから、表現の自由に制約を加える場合に一般に必要とされる厳格な基準が要求されるものではないというべきである」とされています(メモ採取不許可国家賠償請求事件、最判平元・3・8)。なお、同伴例では、法廷では適正かつ迅速な裁判をすることが最も尊重されるべきことであり、メモを取る行為が裁判の適正な運営を妨げる場合には、裁判長の裁量により禁止することができるとしています。

エ…正しいです。市立泉佐野市民会館条例が、「公の秩序を乱すおそれがある場合」に市民会館の使用を禁止する、と定めていること、またその条例に基づき実際に使用を禁じられたことが、集会の自由を保障する憲法21条に違反しないかについて、判例は、「『公の秩序を乱すおそれがある場合』とは、市民会館における集会の自由を保障することの重要性よりも、同会館で集会が開かれることによって人の生命・身体または財産が侵害され、公共の安全が損なわれる危険を回避し、防止することの必要性が優越する場合をいうものと限定して解すべきであり、その危険性の程度としては、単に危険な事態を生ずる可能性があるというだけでは足りず、明らかな差し迫った危険の発生が具体的に予見されることが必要であり、そう解する限り、このような規制は憲法21条違反にはあたらない」としています(泉佐野市民会館事件、最判平7・3・7)。

オ…誤りです。雑誌の印刷等に事前差止めを行うことが、憲法21条の検閲に当たるかどうかについて、判例は、「➀一定の記事を掲載した雑誌その他の出版物の印刷、正本、販売、頒布等の仮処分による事前差止めは、非訟的な要素を有することを否定することは出来ないが、表現物の内容の網羅的一般的な審査に基づく事前規制が行政機関によりそれ自体を目的として行われる場合とは異なり、個別的な私人間の紛争について、司法裁判所により、当事者の申請に基づき差止請求権等の私法上の被保全権利の存否、保全の必要性の有無を審理判断して発せられるものであって、判示にいう『検閲』には当たらない②本件差止めのような事前抑制の方が、事後抑制よりも抑止的効果は大きく、その対象が公務員や公職選挙の立候補者に対する評価批判等、公共の利害に関するものといえる場合は、当該表現行為等を規制することは許されないが、その内容が真実でないまたは公益を図る目的でないことが明白であって、被害者が重大かつ著しく回復困難な損害を被るおそれがある場合、すなわち当該表現行為が被害者の名誉に劣後することが明らかである場合にのみ仮処分に基づく事前差止めが許されるべきものというべきで、このように解しても憲法の主旨に反するものとはいえない」としました(「北方ジャーナル」事件、最判昭61・6・11)。なおその手続が公正であるかについて、同判例は、原則として口頭弁論または債務者の審尋を経るべきであるが、提出された資料等により、内容が真実でないこと・公益を図る目的でないこと、および被害者が回復困難な損害を受けることが明らかである場合は、口頭弁論または債務者の審尋を経ないでも仮処分ができるとしています。
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正解 3

ア 正しい
判例(最判平成20年4月11日)は、本肢と同様の事案において、「各室玄関ドアの新聞受けに政治的意見を記載したビラを投かんする目的で、職員及びその家族が居住する公務員宿舎である集合住宅の共用部分及び敷地に、同宿舎の管理権者の意思に反して立ち入った行為をもって刑法130条前段の罪に問うことは、憲法21条1項に違反しない。」としています。

イ 誤り
判例(最判平成元年9月19日)は、本肢と同様の事案において、「有害図書の自動販売機への収納の禁止は、青少年に対する関係において、憲法21条1項に違反しないことはもとより、成人に対する関係においても、有害図書の流通を幾分制約することにはなるものの、青少年の健全な育成を阻害する有害環境を浄化するための規制に伴う必要やむをえない制約であるから、憲法21条1項に違反するものではない。」としています。

ウ 正しい
判例(最判平成元年3月8日)は、本肢と同様の事案において、「筆記行為の自由は、憲法21条1項の規定によつて直接保障されている表現の自由そのものとは異なるものであるから、その制限又は禁止には、表現の自由に制約を加える場合に一般に必要とされる厳格な基準が要求されるものではないというべきである。」としています。

エ 正しい
 判例(最判平成7年3月7日)は、本肢と同様の事案において、「公の施設である市民会館の使用を許可してはならない事由として市立泉佐野市民会館条例の定める「公の秩序をみだすおそれがある場合」とは、右会館における集会の自由を保障することの重要性よりも、右会館で集会が開かれることによって、人の生命、身体又は財産が侵害され、公共の安全が損なわれる危険を回避し、防止することの必要性が優越する場合をいうものと限定して解すべきであり、その危険性の程度としては、単に危険な事態を生ずる蓋然性があるというだけでは足りず、明らかな差し迫った危険の発生が具体的に予見されることが必要であり、そう解する限り、このような規制は、憲法21条1項に違反しない。」としています。

オ 誤り
判例(最判昭和61年6月11日)は、本肢と同様の事案において、「一定の記事を掲載した雑誌その他の出版物の印刷、製本、販売、頒布等の仮処分による事前差止めは、表現物の内容の網羅的一般的な審査に基づく事前規制が行政機関によりそれ自体を目的として行われる場合とは異なり、個別的な私人間の紛争について、司法裁判所により、当事者の申請に基づき差止請求権等の私法上の被保全権利の存否、保全の必要性の有無を審理判断して発せられるものであって、「検閲」には当たらないものというべきである。」としています。
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