測量士補の過去問
平成28年度(2016年)
問3
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問題
測量士補試験 平成28年度(2016年) 問3 (訂正依頼・報告はこちら)
次の文は、地球の形状と地球上の位置について述べたものである。明らかに間違っているものはどれか。次の中から選べ。
- 楕円体高と標高から、ジオイド高を計算することができる。
- ジオイドは、重力の方向に平行であり、地球の形状と大きさに近似した回転楕円体面に対して凹凸がある。
- 測量法に規定する世界測地系では、回転楕円体としてGRS80を採用している。
- 地球上の位置は、世界測地系に従って測定された地理学的経緯度及び平均海面からの高さで表すことができる。
- 地心直交座標系の座標値から、当該座標の地点における緯度、経度及び楕円体高が計算できる。
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この過去問の解説 (4件)
01
①地球の形を仮想的に表したものを地球楕円体といいます。
②日本の標高の基準は測量法で平均海面と定められていますが、この平均海面を仮想的に陸地へ延長した面をジオイドといいます。
③地球楕円体からジオイドをジオイド高、ジオイドから地表面までを標高、地球楕円体から地表面までを楕円体高といいます。
④地球の形は完全な球体ではなく、赤道部分が自転の影響で伸びており、楕円形となっています。
上記4点をイメージできるようにしておくといいかと思います。
1.〇
③から、楕円体高-標高=ジオイド高 で計算することができます。正しいです。
2.×
②から、ジオイド面は重力方向に直角となります。間違いです。
3.〇
世界測地系においては、回転楕円体としてGRS80が用いられます。正しいです。
4.〇
測量法第11条1項において
位置は、地理学的経緯度及び平均海面からの高さで表示する。ただし、場合により、直角座標及び平均海面からの高さ、極座標及び平均海面からの高さ又は地心直交座標で表示することができる。とあります。正しいです。
5.〇
地心直交座標系とは、地球楕円体の中心で互いに直交するX軸、Y軸、Z軸の三軸からなる座標系のことです。経緯度および楕円体高への換算が可能となっています。正しいです。
よって問の答えは 2 となります。
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02
1:正しい
楕円体高-標高によりジオイド高を求めることができます。
2:間違い
ジオイド面は、平均海面に相当する面を陸地内部まで延長した時にできる仮想の面です。重力の方向に直交し、回転楕円体に対して凹凸があります。
3:正しい
測量法第11条に規定されている世界測地系は、回転楕円体としてGRS80楕円体が採用されています。
4:正しい
位置はその表面上における地理学的経緯度および平均海面からの高さで表すことができます。
5:正しい
地心直交座標系の座標値は、GNSS測量機を使った基準点測量の基線解析計算から求められ、この座標値から緯度、経度、楕円体高が求められます。
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03
地球の形状と地球上の位置についての問題です。
正しい。楕円体高-ジオイド高=標高の関係式が成り立っています。
間違い。ジオイドは重力の方向に直行しています。
正しい。GRS80楕円体は、地球を近似する回転楕円体として用いられています。
正しい。測量法11条1項には「位置は、地理学的経緯度及び平均海面からの高さで表示する。ただし、場合により、直角座標及び平均海面からの高さ、極座標及び平均海面からの高さ又は地心直交座標で表示することができる。」とあります。
正しい。地球の重心を原点とする三次元直交座標から、地理座標(緯度、経度、楕円体高)へ、GRS80楕円体の楕円体原子(長半径、扁平率)を用いた数式で換算できます。
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04
解説
地球の形状と位置に関する問題です。
1.正しい
(ジオイド高)=(楕円体高)-(標高)で表すことができます。
2.間違い
ジオイドは重力の方向に直交しています。
3.正しい
準拠楕円体にはGRS80、3次元座標にはITRF94座標系が用いられています。
4.正しい
測量法第11条第1講に規定する(測量の基準)には、
・位置を表すために地理学的経緯度及び平均海面からの高さ
・直角座標及び平均海面からの高さ
・極座標及び平均海面からの高さ
・地心直交座標
の計4つが定められています。
(測量の基準)
第十一条 基本測量及び公共測量は、次に掲げる測量の基準に従つて行わなければならない。
一 位置は、地理学的経緯度及び平均海面からの高さで表示する。ただし、場合により、直角座標及び平均海面からの高さ、極座標及び平均海面からの高さ又は地心直交座標で表示することができる。
5.正しい
地心直交座標系とは、GNSS測量によって得られる座標値で、地心直交座標系と経緯度及び楕円体高は相互換算が可能です。
したがって、間違っている選択肢は 2 となります。
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