測量士補の過去問
平成28年度(2016年)
問6

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問題

測量士補試験 平成28年度(2016年) 問6 (訂正依頼・報告はこちら)

次のa~eは、トータルステーションによる距離測定に影響する誤差である。このうち、距離に比例する誤差の組合せはどれか。次の中から選べ。

a. 器械定数及び反射鏡定数の誤差
b. 変調周波数の誤差
c. 位相測定の誤差
d. 致心誤差
e. 気象測定の誤差
  • a,d
  • a,e
  • b,c
  • b,e
  • c,e

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この過去問の解説 (4件)

01

解答 4

解説
TSの距離測定時における誤差に関する問題です。

a.測定距離に比例しない。
器械定数や反射鏡(プリズム)定数とは、個々の器械が持つ独自の誤差をいいます。
器械定数は一定の誤差であるため、測定距離に比例しません。

b.測定距離に比例する。
TSにより放たれるレーザー(光)は、発光時に一定の周波数で強弱を与えた波として用いられています。
変調周波数とはこの波を与える周波数のことで、TS内部の基準発信機から発射されます。変調周波数の誤差とは、基準発信機による周波数の誤差であり、これにより光の波長が変化するため測定距離に影響を与え、測定距離が長いほどその誤差は比例して大きくなります。

c.測定距離に比例しない。
TSはレーザーを変調周波数により波に変え、その波長とプリズムに反射されTSに戻った際に生じる波のずれ(位相差)を測定して距離を測定する仕組みです。
位相測定の誤差とは、位相差をTSが測定するときの誤差であるため、測定距離には比例しません。

d.測定距離に比例しない。
TS、プリズムともにその中心(鉛直軸)を地上の測点と一致させなければなりません。
致心誤差とは、測点と鉛直軸が一致しない誤差であるため、測定距離には比例しません。

e.測定距離に比例する。
TSによる距離測定は、放たれたレーザーが空気中を進みプリズムに反射してTSに戻る仕組みです。
光は空気中を進むため、気温、気圧、湿度などの気象条件によって影響を受けます。
このため気象条件を観測してTS内部で気象補正を行う必要がありますが、この気象条件の測定に誤差があれば測定距離に誤差が生じることとなり、距離(時間)が長くなればなるほどその誤差は大きくなります。
よって、気象測定の誤差は測定距離に比例します。


したがって、測定距離に影響する誤差は、4 のb,e となります。

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02

解答:4

解説
トータルステーションの距離測定には、測定距離に比例する誤差と、測定距離に比例しない誤差があります。

測定距離に比例する誤差
・変調周波数誤差
・気象誤差

測定距離に比例しない誤差
・器械定数誤差
・反射鏡定数誤差
・致心誤差
・位相差測定誤差

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03

距離測定における誤差に関する問題です。

測定距離に比例する誤差

・気象に関する誤差

・変調周波数による誤差

測定距離に比例しない誤差

・器械定数誤差

・反射鏡(プリズム)誤差

・位相差測定の誤差

・致心誤差

問題文に当てはめると

a. 器械定数及び反射鏡定数の誤差

比例しない

b. 変調周波数の誤差

比例する

c. 位相測定の誤差

比例しない

d. 致心誤差

比例しない

e. 気象測定の誤差

比例する

よってb.eが比例する誤差となり

問の答えは 4 となります。

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04

トータルステーションによる距離測定に影響する誤差に関する問題です。

選択肢4. b,e

a.比例しない。器械定数及び反射鏡定数は、製造過程などから生じた器械固有の独自の誤差で、器械について一定です。

b.比例する。TSより発せられる光の強弱を与える周波数を「変調周波数』と呼びます。これは基準発振器から発射されています。変調周波数の誤差は、この基準周波数の誤差であり、光の波長が変化するため、測定距離が長くなれば、この観測誤差は大きくなります。

c.比例しない。TSは光を波に変え、プリズムにより反射され戻った特に生じる位相差を測定し計算する仕組みです。位相測定の誤差は、この位相差を測定する時に生じる誤差であり、観測距離ではなく、器械によって異なります。

d.比例しない。測点間の距離を観測するために、中心を測点鉛直線上に一致させるための求心装置が備え付けています。この致心装置はTSやプリズムの鉛直軸が測点鉛直線からズレているために生じる誤差であり、測定距離には依存しません。

e.比例する。気象測定の誤差は次式で計算されます。したがって、測定距離に比例します。

ΔD=(10Δt-0.3ΔP+0.04Δe)×D×10^-6

t:気温(℃)、P:気圧、D:距離、e:湿度

よって、距離に比例する誤差の組み合わせはb, eになります。

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