測量士補の過去問
平成28年度(2016年)
問12
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問題
測量士補試験 平成28年度(2016年) 問12 (訂正依頼・報告はこちら)
図12は、水準点Aから固定点( 1 )、( 2 )及び( 3 )を経由する水準点Bまでの路線を示したものである。この路線で公共測量における水準測量を行い、表12に示す観測結果を得た。最も再測が必要な観測区間はどれか。次の中から選べ。
ただし、往復観測値の較差の許容範囲は、Sを観測距離(片道、km単位)としたとき、2.5 mm√Sとする。
なお、関数の値が必要な場合は、巻末の関数表を使用すること。
ただし、往復観測値の較差の許容範囲は、Sを観測距離(片道、km単位)としたとき、2.5 mm√Sとする。
なお、関数の値が必要な場合は、巻末の関数表を使用すること。
- A ~( 1 )
- ( 1 )~( 2 )
- ( 2 )~( 3 )
- ( 3 )~ B
- 再測の必要はない
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この過去問の解説 (3件)
01
解答:( 1 )~( 2 )
まず、各区間の往復路の較差の計算を行います。
較差の計算は絶対値により行います。
A〜(1) 3.1289 - 3.1286 = 0.0003m = 0.3mm
(1)〜(2) 1.5970 - 1.5954 = 0.0016m = 1.6mm
(2)〜(3) 0.1833 - 0.1829 = 0.0004m = 0.4mm
(3)〜B 2.8327 - 2.8317 = 0.0010m = 1.0mm
次に各区間の往復観測値の較差の制限を計算します。
A〜(1)及び(3)〜B
2.5*√0.36 = 2.5*√36*√1/100 = 2.5*√36*1/10 = 2.5*6*0.1 = 1.5mm
(1)〜(2)及び(2)〜(3)
2.5*√0.44 = 2.5*√44*√1/100 = 2.5*√44*1/10 ≒ 1.65mm
各観測区間の較差と制限の計算結果から、各区間共に制限以内であることが分かります。
AB間の往復観測値の較差を求めます。
往路方向の観測結果
+3.1289 + 1.5970 + 0.1833 - 2.8317 = 2.0775m
復路方向の観測結果
-3.1286 - 1.5954 - 0.1829 + 2.8327 = -2.0742m
往復間の較差
2.0775m - 2.0742m = 0.0033m = 3.3mm
AB間の往復観測値の較差の制限を求めます。
2.5√1.6 = 2.5*√16*√1/10 = 2.5*√16*1/√10 = 2.5*4*1/√10 ≒ 3.16mm
往復観測値の較差3.3mmは、較差の制限の3.16mmを超えています。
各区間ごとの較差は制限内ですが、観測区間全体では制限を超えているので、較差の大きい観測区間(1)〜(2)を再測すればよいと考えられます。
以上のことから、「( 1 )~( 2 )」が答えとなります。
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02
再測が必要な観測区間を求める問題です。
問題文より、各観測区間の区間距離は360mと440mです。このため各観測区間の較差の許容値は
A~(1)・(3)~B:2.5mm×√0.36=2.5mm×0.6000=1.5m
(1)~(2)・(2)~(3):2.5mm×√0.44=2.5mm×0.6663=1.6m
区間全体:2.5mm×√(0.36+0.44+0.44+0.36)=2.5mm×1.2649=3.14mm
各区間の較差を求めると以下になります。
A~(1):0.0003
(1)~(2):0.0016
(2)~(3):0.0004
(3)~B:0.0010
区間全体:0.0033
各区間ごとの再測区間はありません、が区間全体では較差は許容値を超えているため、区間全体は再測しなければなりません。
このためには、再測区間は、選択肢の中で較差が許容値に近い(1)~(2)を選定します。
したがって回答は(1)~(2)になります。
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03
軟差・・往復路で発生した誤差のこと
軟差の許容範囲・・・問題文で、Sを観測距離(片道、km単位)としたとき、2.5 mm√Sとする。と指定されているのでそれを使用します。
ここでは各観測区間と、区間全体の軟差および許容範囲を計算します。
・軟差の許容範囲
A〜(1) ・(3)〜B = 2.5mm√0.36 = 2.5mm*0.6 = 1.5mm
(1)〜(2)・(2)〜(3) = 2.5mm√0.44 = 2.5mm*6.63325 ≒ 1.66mm
区間全体 = 2.5mm√(0.36+0.44+0.44+0.36)= 2.5mm*√1.6
※√1.6は関数表に無い為、整数に変換します
=2.5mm*√16×√1/10 =2.5mm*4×√1/10 = 10mm*(1/√10)
√10は関数表から3.16228
=10mm*(1/3.16228) = 3.16228mm ≒ 3.16mm
表12から
・軟差と許容範囲の確認
A〜(1)
3.1289 - 3.1286 = 0.0003m = 0.3mm < 1.5mm ok
(1)〜(2)
1.5970 - 1.5954 = 0.0016m = 1.6mm < 1.66mm ok
(2)〜(3)
0.1833 - 0.1829 = 0.0004m = 0.4mm < 1.66mm ok
(3)〜B
2.8327 - 2.8317 = 0.0010m = 1.0mm < 1.5mm ok
区間全体 = 往路の観測高低差の合計 - 復路の観測高低差の合計
=2.07750 - 2.07420 = 0.00330m = 3.3m < 3.16mm ×
※差の確認なので絶対値で出します。
各観測値は問題ないですが、区間全体で許容範囲を超えている為、再測の必要があります。
観測値を見ると(1)〜(2)の軟差が一番大きい為、再測して誤差を軽減する必要があります。
よって問の答えは (1)〜(2) となります。
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