測量士補の過去問
平成28年度（2016年）
問22

解答：3

解説
a：正しい
ユニバーサル横メルカトル図法は、国土地理院刊行の1/25,000地形図や1/50,000地形図の中縮尺地図に採用されています。

b：間違い
平面直角座標系は、日本全国を19の区域に分けて定義されており、各座標の原点はそれぞれの区域で定められています。

c：正しい
ユニバーサル横メルカトル図法と平面直角座標系で用いる投影法は、ともに横円筒図法の一種であるガウス・クリューゲル図法です。

d：間違い
メルカトル図法は正角円筒図法であり、両極を除いた任意の地点における角度を正しく描くことができますが、面積は正しく表現できません。

e：正しい
投影法は投影面の種類によって分類すると、方位図法、円錐図法及び円筒図法に大別されます。

a.〇

ユニバーサル横メルカトル図法（UTM図法）は、国土地理院刊行の投影法として用いられています。正しいです。

b.×

平面直角座標系とは、日本国内を測量するために作られた地図投影法であり、日本全国に19箇所あります。基準点が1つだと角度や距離の関係で歪みが生じ、正確な測量ができない為に設けたものです。ガウス・クリューゲル図法を参考に作成されています。問題文は16箇所となっている為間違いです。

c.〇

ガウス・クリューゲル図法とは19世紀ドイツで考案された地図投影法の一種です。主にUTM図法と平面直角座標系で用いられている投影法となります。正しいです。

ｄ.×

メルカトル図法とは、正角円筒図法ともいわれ、海図や航路用地図などに使われます。船の航海で使われる為、次の目的地までの方位を正確に表すことが目的です。面積は正確に表すことはできません。間違いです。

e.〇

地図の投影の場合、その投影面により大きく３種類に分類されます。

方位図法：地球の形を球として、直接平面に投影する方法。

円筒図法：地球に円筒をかぶせてその円筒に投影し、切開いて平面にした方法。

円錐図法：地球に円錐をかぶせてその円錐に投影し、切開いて平面にした方法。

よって間違いはb.dとなり

問の答えは　3　となります。

解答　3

解説
地図の投影法に関する問題です。

a.正しい。
国土地理院刊行の地図では、次のような投影法が主に用いられています。
・国土基本図（横メルカトル図法）
・地形図（UTM）
・地勢図（UTM）
・地方図（正角割円錐図法）

b.間違い。
平面直角座標系では、日本全国を19の区域に分けています。

c.正しい。
両方の図法共にガウス・クリューゲル図法です。
両者の違いは、広範囲をカバーするUTM図法に対し、狭い範囲ではありますがその精度を上げているのが平面直角座標系です。

d.間違い。
メルカトル図法は、角度が正しい正角図法です。
面積が正しい（正積図法）のはサンソン図法などがあり、距離が正しい（正距図法）のは正距方位図法などがあります。

e.正しい。
UTM図法は、円筒図法の一つです。


したがって、間違っている選択肢は 3 (b,d)となります。

地図の投影法についての問題です。