問題
a. GNSSとは、人工衛星からの信号を用いて位置を決定する( ア )システムの総称である。
b. GNSS測量の基線解析を行うには、GNSS衛星の( イ )が必要である。
c. GNSS測量では、( ウ )が確保できなくても観測できる。
d. 基線解析を行う観測点間の距離が長い場合において、( エ )の影響による誤差は、2周波の観測により軽減することができる。
e. GNSSアンテナの向きをそろえて整置することで、( オ )の影響を軽減することができる。
GNSS測量についての問題です。
ア.衛星測位。
GNSSとはGlobal Navigation Satellite System(汎地球測位航法衛星システム)の略称で、人工衛星からの信号を用いて位置を決定する測位システムの総称です。
イ.軌道情報
基線解析とはbaseline analysisとも言い、干渉測位において、各受信機によって記録された位相データを解析して基線の長さと方向を決定する手続きのことをいいます。このためには、GNSS衛星の軌道情報が必要です。
ウ.観測点間の視通
GNSS測量では観測点とGNSS衛星とが通信できれば測量可能です。GNSS測量においては観測点間の視通がなくとも測量できます。
エ.電離層
電離層の影響による誤差(電離層遅延誤差)は、GNSS衛星からの電波が電離層を通過する時に、屈折しアンテナへの到達時間が変化する誤差です。電離層の影響を軽減するためにGNSS衛星はL1とL2の2つの電波を発信しています。
オ.アンテナ位相特性
電波の入射方向によって位相のずれが生じ誤差につながるため、アンテナの向きを揃えると、アンテナ特性を軽減できます。
したがって、正しい組み合わせは
ア:衛星測位 イ:軌道情報 ウ:観測点間の視通 エ:電離層 オ:アンテナ位相特性
です。
問題文に解答を当てはめると次のようになります。
a.GNSSとは、人工衛星からの信号を用いて位置を決定するア(衛星測位・GPS連続観測)システムの総称である。
b.GNSS測量の基線解析を行うには、GNSS衛星のイ(軌道情報・品質情報)が必要である。
c.GNSS測量では、ウ(測点間の視通・観測点上空の視界)が確保できなくても観測できる。
d.基線解析を行う観測点間の距離が長い場合において、エ(電離層・対流圏)の影響による誤差は、2周波の観測により軽減することができる。
e.GNSSアンテナの向きをそろえて整置することで、オ(アンテナ位相特性・マルチパス)の影響を軽減することができる。
よって問の答えは 2 となります。