測量士補の過去問
平成29年度(2017年)
問8

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問題

測量士補試験 平成29年度(2017年) 問8 (訂正依頼・報告はこちら)

次のa~eの文は、GNSS測量について述べたものである。( ア )~( オ )に入る語句の組合せとして最も適当なものはどれか。次の中から選べ。

a. GNSSとは、人工衛星からの信号を用いて位置を決定する( ア )システムの総称である。
b. GNSS測量の基線解析を行うには、GNSS衛星の( イ )が必要である。
c. GNSS測量では、( ウ )が確保できなくても観測できる。
d. 基線解析を行う観測点間の距離が長い場合において、( エ )の影響による誤差は、2周波の観測により軽減することができる。
e. GNSSアンテナの向きをそろえて整置することで、( オ )の影響を軽減することができる。
  • ア:衛星測位   イ:軌道情報  ウ:観測点間の視通   エ:対流圏  オ:アンテナ位相特性
  • ア:衛星測位   イ:軌道情報  ウ:観測点間の視通   エ:電離層  オ:アンテナ位相特性
  • ア:衛星測位   イ:品質情報  ウ:観測点上空の視界  エ:対流圏  オ:マルチパス
  • ア:GPS連続観測  イ:軌道情報  ウ:観測点上空の視界  エ:対流圏  オ:アンテナ位相特性
  • ア:GPS連続観測  イ:品質情報  ウ:観測点間の視通   エ:電離層  オ:マルチパス

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この過去問の解説 (3件)

01

解答:2

a. GNSSとは、人工衛星からの信号を用いて位置を決定する衛星測位システムの総称です。
準天頂衛星システムの他に、GPS、GLONASS、Galileo などがあります。

b. GNSS測量の基線解析を行うには、GNSS衛星の軌道情報が必要です。

c. GNSS測量では、観測点間の視通が確保できなくても観測できます。
観測点上空の視界は必要です。

d. 基線解析を行う観測点間の距離が長い場合において、電離層の影響による誤差は、2周波の観測により軽減することができます。
対流圏は周波数に依存していないので、2周波の観測により軽減することはできません。

e. 同一機種のGNSSアンテナの向きをそろえて整置することで、アンテナ位相特性の影響を軽減することができます。

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02

GNSS測量についての問題です。

選択肢2. ア:衛星測位   イ:軌道情報  ウ:観測点間の視通   エ:電離層  オ:アンテナ位相特性

ア.衛星測位。

GNSSとはGlobal Navigation Satellite System(汎地球測位航法衛星システム)の略称で、人工衛星からの信号を用いて位置を決定する測位システムの総称です。

イ.軌道情報

基線解析とはbaseline analysisとも言い、干渉測位において、各受信機によって記録された位相データを解析して基線の長さと方向を決定する手続きのことをいいます。このためには、GNSS衛星の軌道情報が必要です。

ウ.観測点間の視通

GNSS測量では観測点とGNSS衛星とが通信できれば測量可能です。GNSS測量においては観測点間の視通がなくとも測量できます。

エ.電離層

電離層の影響による誤差(電離層遅延誤差)は、GNSS衛星からの電波が電離層を通過する時に、屈折しアンテナへの到達時間が変化する誤差です。電離層の影響を軽減するためにGNSS衛星はL1とL2の2つの電波を発信しています。

オ.アンテナ位相特性

電波の入射方向によって位相のずれが生じ誤差につながるため、アンテナの向きを揃えると、アンテナ特性を軽減できます。

したがって、正しい組み合わせは

ア:衛星測位  イ:軌道情報 ウ:観測点間の視通  エ:電離層 オ:アンテナ位相特性

です。

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03

問題文に解答を当てはめると次のようになります。

a.GNSSとは、人工衛星からの信号を用いて位置を決定するア(衛星測位・GPS連続観測システムの総称である。

b.GNSS測量の基線解析を行うには、GNSS衛星のイ(軌道情報・品質情報が必要である。

c.GNSS測量では、ウ(測点間の視通・観測点上空の視界が確保できなくても観測できる。

d.基線解析を行う観測点間の距離が長い場合において、エ(電離層・対流圏の影響による誤差は、2周波の観測により軽減することができる。

e.GNSSアンテナの向きをそろえて整置することで、オ(アンテナ位相特性・マルチパスの影響を軽減することができる。

よって問の答えは 2 となります。

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