問題
ただし、往復観測値の較差の許容範囲は、Sを観測距離(片道、km単位)としたとき、2.5mm√Sとする。
なお、関数の値が必要な場合は、巻末の関数表を使用すること。
計算問題です。
許容範囲を求めます。
A ~( 1 ) =2.5×√0.50
=2.5×√50×0.01
=2.5×7.071×0.1
=1.77㎜
( 1 )~( 2 )=2.5×√0.36
=2.5×√36×0.01
=2.5×6×0.1
=1.50㎜
( 2 )~( 3 )=2.5×√0.36
=2.5×√36×0.01
=2.5×6×0.1
=1.50㎜
( 3 )~ B =2.5×√0.64
=2.5×√64×0.01
=2.5×8×0.1
=2.00㎜
往復の観測高低差を求めます。
A ~( 1 ) =3.2249-3.2239
=0.0010m(1.0㎜)
( 1 )~( 2 )=0.5851-0.5834
=0.0017m(1.7㎜)
( 2 )~( 3 )=-2.6764+2.6758
=0.0006m(0.6㎜)
( 3 )~ B =2.5432-2.5446
=-0.0014m(1.4㎜)
( 1 )~( 2 )が許容範囲を超えています。
よって ( 1 )~( 2 ) となります。
往復観測の較差と制限の問題です。この問題は、計算自体はそれほど難しくありませんが、計算量が多いので、手計算だと骨が折れます。年度によっては、平方根を使わないと解けない問題が出るので、その場合は、さらに厄介です。
まず、各観測区間の往復の観測較差(絶対値)を求めます。
(A)→(1) 3.2249-3.2239=0.010
(1)→(2) 0.5851-0.5834=0.017
(2)→(3) 2.6764-2.6758=0.006
(3)→(B) 2.5446-2.5432=0.014
次に各観測区間の較差の許容範囲を求めます。
(A)→(1) 2.5㎜×√0.50=1.767㎜=0.0017m
(1)→(2) 2.5㎜×√0.36=1.500㎜=0.0015m
(2)→(3) 2.5㎜×√0.36=1.500㎜=0.0015m
(3)→(B) 2.5㎜×√0.64=2.000㎜=0.0020m
観測較差と較差の許容範囲を比較すると、観測較差が較差の許容範囲を超えていて、再測が必要なのは、(1)→(2) であることがわかります。
なお、この問題はここで完結しますが、もし、すべての区間で、観測較差が較差の許容範囲内である場合には、次に、区間全体の観測較差と較差の許容範囲を求め、区間全体の較差が、較差の許容範囲内にあるかどうか確認します。もし、区間全体では較差の許容範囲を超える場合には、各区間で最も較差の大きい区間を再測します。較差の許容範囲を超える区間がなく、かつ、区間全体でも較差の許容範囲を超えない場合には、再測の必要なしと判定します。
この問題は、再測の必要がある区間が、最初の計算で分かったので簡単でしたが、全区間で較差の許容範囲を超えていない場合は、全体の較差及び許容範囲の計算も必要になりますので、急に難しい問題になります。