測量士補の過去問
平成30年度(2018年)
問24
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問題
測量士補試験 平成30年度(2018年) 問24 (訂正依頼・報告はこちら)
次の文は、防災分野における地理空間情報の利用について述べたものである。明らかに間違っているものはどれか。次の中から選べ。
- 災害対策の基本計画を立案するため、緊急避難場所データを利用することとしたが、緊急避難場所は、地震や洪水など、あらゆる種別の災害に対応しているとは限らないことから、対応する災害種別が属性情報として含まれるデータを入手した。
- 最短の避難経路の検討を行うため、道路データを入手したが、ネットワーク化された道路中心線データでは経路検索が行えないので、ラスタデータに変換して利用した。
- 洪水による浸水範囲の高精度なシミュレーションを行うため、航空レーザ測量により作成されたデータを入手したが、建物の高さが取り除かれた数値標高モデル(DEM)だったことから、三次元建物データをあわせて利用した。
- 地震や洪水などの災害による被害を受けやすい箇所を推定するため、過去の土地の履歴を調べる目的で、過去の地図や空中写真のほか、土地の成り立ちを示した地形分類データをあわせて利用した。
- 土砂災害や雪崩などの危険箇所を推定するため、数値標高モデル(DEM)を利用して地形の傾斜を求めた。
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この過去問の解説 (3件)
01
地理情報システム(GIS)に関する問題です。GISは、科学的調査、土地、施設や道路などの地理情報の管理、都市計画などに幅広い分野で利用されています。
地図データに、緊急避難データ及び属性情報を関連付けることにより、どの避難場所がどの災害に対応しているかを視覚的に表すことができます。よって、本肢は正しいです。
ラスタデータは、画像データです。経路検索に適しているのは、ベクタデータです。わざわざ、ベクタデータ(道路データ)をラスタデータに変換する必要はありません。よって、本肢は誤りです。
浸水範囲のデータに、三次元建物データを組み合わせることで、想定される深水深の場合に避難所となる建物の選定ができます。よって、本肢は正しいです。
地形分類データとは、地形を形態や成り立ち、性質などから分類したもので、その土地が平地か台地か、低湿な土地か、あるいは自然の地形を人工的にどのように改変しているかなどを区分したものです。地震や洪水などの災害による被害を受けやすい箇所を推定する場合に役立つので、本肢は正しいです。
数値標高モデル(DEM)は、地域をメッシュ状に区画し、その交点の標高をデータ化したものです。DEMから傾斜角や傾斜距離を求められるので、本肢は正しいです。
地理情報システムに関する問題では、ラスタデータとベクタデータの名称とその属性を入れ替えて誤りの選択肢を作る問題が多くみられます。ラスタデータとベクタデータの概要については、正確に覚えておく必要があります。
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02
解説
1:正しい
災害対策の基本計画を立案する際に、緊急避難場所データを利用する場合、対応する災害種別が属性情報として含まれるデータを入手することは有効な方法です。
2:間違い
避難経路の検討を行うために道路データの道路中心線のような線状地物データを変換する場合、データ量の多いラスターデータよりもデータ量の少ないベクターデータの方が適しています。
3:正しい
洪水による浸水範囲の高精度なシミュレーションを行う場合に、建物の高さが取り除かれた数値標高モデルに、三次元建物データを併せて利用することは有効な方法です。
4:正しい
地震や洪水などの災害による被害を受けやすい箇所を特定するため、過去の土地の履歴を調べる場合に、過去の地図や空中写真、土地の成り立ちを示した地形分類データをあわせて利用することは有効な方法です。
5:正しい
土砂災害や雪崩の危険箇所を推定する場合に、数値標高モデルを利用して土地の傾斜を求めることは有効な方法です。
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03
地理空間情報に関する問題です。
×
ネットワーク化された道路中心線データでは経路検索が行えます。
ラスタデータに変換する必要はありません。
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