問題
a.レベルと標尺の間隔が等距離となるように整置して観測することで、視準線誤差を消去できる。
b.標尺を2本1組とし、測点数を偶数にすることで、標尺の零点誤差を消去できる。
c.傾斜地において、標尺の最下部付近の視準を避けて観測すると、大気による屈折誤差を小さくできる。
d.レベルと標尺との距離を短くし、レベルと標尺の間隔が等距離となるように整置して観測することで、両差を小さくできる。
e.レベルの望遠鏡を常に特定の標尺に対向させてレベルを整置し観測することで、鉛直軸誤差を小さくできる。
解答:5
a:〇
レベルと標尺の距離を等しくすることにより視準線誤差と球差を消去することができます。
b:〇
測定回数(整置回数)を偶数回にすることにより標尺の零点誤差(標尺の零目盛誤差)を消去することができます。
c:〇
地表面付近の視準を避けることにより大気中の屈折による誤差を軽減することができます。
d:〇
レベルと標尺の距離を等しくすることにより球差を軽減でき、視準距離を短くし、視準距離を等しくすることにより気差を軽減することができます。
e:〇
望遠鏡と三脚の特定の一本を常に同一の標尺に向けて整置し、観測することによって鉛直軸誤差を軽減することができます。
よって、明らかに間違っているものはなく答えは5になります。
レベルを使用した水準測量に誤差に関する問題です。
a:○
e:○
問題文の通りです。
b:○
問題文の通りです。
c:○
d:○
問題文の通りです。
e:○
問題文の通りです。
明らかに間違っているものだけの組合せはありません。
水準測量における誤差とその消去方法に関する問題です。この分野の知識は、測量士補試験でももちろん重要ですが、ここでしっかり覚えておけば、測量の実務で、必ず役立ちます。
(a)視準線誤差は、レベルと標尺の間隔を等距離になるように整置すれば消去できるため、本肢は正しいです。
(b)零点誤差は、標尺の底面(零目盛)が削られてしまい、地表から視準線の正しい高さが読み取れないために起きる誤差です。零点誤差は、標尺を2本1組とし、測点数(レベルの整置回数)を偶数にすることで、消去できます。よって、本肢は正しいです。
(c)大気による屈折誤差を小さくするためには、標尺の下方20㎝を視準しないようにすればよいので、本肢は正しいです。
(d)両差とは空差(空気の厚みによる光の屈折による誤差)と球差(地球の曲率による誤差)の2つの誤差のことを言います。両差は、レベルと標尺の間隔が等距離となるように整置して観測することで軽減できるので、本肢は正しいです。
(e)鉛直軸誤差は、レベルの鉛直軸が鉛直でないために生じる誤差のことを言います。この鉛直軸誤差は、レベルの望遠鏡を常に特定の標尺に対向させてレベルを整置し観測することで軽減できるので、本肢は正しいです。
レベルを使った水準測量における誤差の発生の仕組みが理解できれば、その誤差を軽減する方法も、自然と分かってきます。自分が実際に測量をしているイメージを頭の中で思い描いて勉強をすると、早く覚えます。